必須科目
10時〜12時
U−1 次の40問題を解答せよ(解答欄に1つだけマークすること。)。
なお,法令及び制度については,特に記載のある場合を除き,平成22年4月1日時点のものとする。
【経済性管理】レベル1
U−1−1 次の記述のうち,事業企画におけるフィージビリティ・スタディと関連の度合いが最も小さいものを選び答えよ。 @ 事業の目的に沿って事業規模などの事業のフレームを具体化する。 A 市場調査を行い,事業化した場合の需要を予測する。 B 予備的な設計によって,事業に要する概略の期間やコストを予測する。 C 生産能力の調整や需要の平準化を検討する。 D 事業の収支や資金の調達方法を検討する。 |
【解答】 4
@○青本p25(1)事業内容の具体化の記載どおり
A○青本p25(2)予備的調査と需要予測の記載どおり
B○青本p25(3)予備的な設計・試作の記載どおり
C×青本p26 2.1.2総合生産計画の内容のため間違い
D○青本p25(4)事業の収支予測と資金調達の記載どおり
頻繁に出題される範囲で,総監が大切にしたいと思う領域であることが顕著に出ています.
“まんま”出題の典型例です.“まんま”出題の意味は後述いたします.
青本の総ページ数は200超です.
しかし,これをすべて記憶するなどということは不可能ですし,意味のないことだと思います.
ではどうすべきか.
そこでヤマトは図や絵にして記憶に努めました.
今は配布を行っていませんが,『ヤマトの総監ノート』がまさにそれだったのです.
重要だけどなかなか記憶に定着しにくい部分について作り始めたのですが,
最後に気がつくと全ページについて作成してしまっていたというのが実態なのです.
バカなことをしてしまったものです.
さて,
第1問目のこの問題は確実にゲットしておきたいですね.
最初から頭をひねるようではリズムに乗っていけませんからね.
択一で高得点をゲットするための秘訣はリズムです.
さぁこれから勢いをつけていくぞぉ〜
但し,勢い良すぎて肝心なところを読み飛ばさないように気をつけましょう!
【経済性管理】レベル1
U−1−2 組織の品質管理活動における品質計画に関する(ア)〜(エ)の記述のうち,不適切なものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) 品質計画は品質管理活動の根幹に関わるものなので,一旦策定されたものは変更してはならない。 (イ) 経営層から示される組織全体としての品質方針を部門毎の品質方針に展開し,これに基づいて部門毎の品質計画を策定する。 (ウ) 品質計画書では,現状の問題点やリスク,活動目的なども明確にすることが必要である。 (エ) 品質計画は,顧客の要求に基づいて策定されるものなので,要求がなければ策定しない。 @ 0 A 1 B 2 C 3 D 4 |
【解答】 3
(ア)×青本p32「品質計画とは、品質管理活動全体の基本方針である品質方針に基づいた計画のことであるが、固定的なものではなく、日常の活動を進めていく中で見直しを行うべきものである。」と記載されています。
(イ)○青本p32「まず、組織全体としての品質方針が経営層から示される。この品質方針は、方針管理の考え方に基づき、部門毎の品質方針へと展開されることになる。」と記載されています。
(ウ)○青本p32「品質計画書は、組織活動やプロジェクトを効率的まつ確実に実行するための計画書であり、現状での問題点やリスク、活動目的などを明確にすることが必要である。」と記載されています。
(エ)×青本p32「基本的な役割は、顧客や社会からの品質に関する要求事項に対して、組織の能力が要求事項を満足し得ることを確かめ、効率的な業務遂行を行うための計画を策定することにある。」と記載されています。
しばしば取り上げられる分野です.
しかし,常識で判断できる内容と言えます.
ここで重要なことは,総監試験に一貫して流れるPDCA思想です.
この設問で取り上げられているのはPである点もまた重要なポイントと言えます.
なぜなら総監とはPをいかに行うかが最重要課題だからです.
PはCまでの各段階を見通して行う必要があるからに他なりません.
しかし,そうではあっても,ヤマトはAを重視して考えます.
これについてはまた別な機会に譲ります.
さて,この設問もまた“まんま”出題だと言えるでしょう.
近年の択一問題で増加傾向にある不適切数(or適切数)問題です.
難易度が上がるわけではありませんが,受験者にとってはプレッシャーが高まり,ストレスが蓄積されます.
自信がない場合は,いきなり解答を決めつけてしまうことなく,いくつかに絞り込んで後から再び取り組みましょう.
けっしてエイヤッと選択してはいけません.
【経済性管理】レベル2
U−1−3 ある会社では,資本の利率(その会社の平均的な投資利益率のことで,利率x%ならば前年末の資金Aは,その年末にA(1+x/100)になる)を,1年目及び2年目は10%,3年目は5%と見込んでいる。この利率を前提とした場合に,借り入れ資金を返済するとき,最も現在価値が少なくてすむ返済方法を次の@〜Dの中から選び答えよ。 @ 1年目末 1,000万円返済,2年目末 1,000万円返済,3年目末 1,000万円返済 A 1年目末 1,000万円返済,2年目末 1,100万円返済,3年目末
900万円返済 B 1年目末
800万円返済,2年目末 1,400万円返済,3年目末
800万円返済 C 1年目末
700万円返済,2年目末 1,500万円返済,3年目末
800万円返済 D 1年目末 1,200万円返済,2年目末
600万円返済,3年目末 1,200万円返済 |
【解答】 4
この手の出題はCPMの計算と同様に頻繁に行われます.
青本p12「割引現在価値(Discounted Cash Flow;DCF)という考え方を適用する。将来の現金流入額を割引率(年利率)rにより現在価値に直して比較するというものである。このときの現在価値とは、i年後に得られる金額Pを現在のP/(1+r)iと同等とみなすということである。」
こうした視点で問題を見ると,どの選択肢も合計するとすべて3,000万円を返済する計画です.毎年返済する金額を割引現在価値として換算すると以下のようになります.
1年目割引現在価値=返済額÷(1+10%)
2年目割引現在価値=返済額÷(1+10%)÷(1+10%)
3年目割引現在価値=返済額÷(1+10%)÷(1+10%)÷(1+5%)
この問題は若干時間を要しますから,後回しにして対処するようにした方が無難だと思います.
経済性管理分野の計算問題では,CPMとDCFが頻出します.
少なくとも過去問の傾向は対応可能なレベルまでスキルアップを図っておき,新たな計算問題が出題された場合はあっさりと諦めましょう.
とはいきませんから,時間を最後に残しておき,最後の最後まで粘り抜いて正答を得られるよう頑張りましょう.
たかだか総監試験での計算問題です.
何時間もかかるような計算問題は絶対に出題されません.
皆さまのような技術士さんは恐るるに足りません.
冷静且つ論理的に考える時間さえあれば,おそらく大丈夫です.
【経済性管理】レベル2
U−1−4 国の公共事業における入札及び契約の適正化を図るための施策に関する記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。 @ 低入札価格調査制度の下で特別重点調査を試行している。 A 価格と品質を総合的に評価する方法の難しさから,総合評価方式の採用を取りやめることとしている。 B 工事の品質確保への支障や下請・労働者へのしわ寄せが生じかねないこと等から,ダンピング受注を排除するよう求めている。 C 予定価格の作成に当たっては,最新の実勢価格等を踏まえた積算に基づく適正な水準とすることとしている。 D 低入札価格調査基準価格を下回って落札した場合には,工事の重点監督の実施や配置技術者の増員の義務付け等を積極的に進めることとしている。 |
【解答】 2
A総合評価方式の採用を積極的に取り入れる傾向にあります.
この設問は,普段の業務で入札・契約に関わっていなければ,皆目見当がつかないかもしれません.
しかし,こうした設問にはたいていの場合,出題者の配慮が潜んでいるものです.
知らなくても,解決しようという意欲を持つ受験者には優しいのが総監の択一問題と言えます.
そう思って選択肢を読み進めると,明らかに間違いだと気づく選択肢が簡単に見つかります.
そのためには前設問でも記述したとおり,考える時間が必要です.
これを確保するために,試験問題を片っ端から解き始めるという愚行を控えたいものだと思います.
まずは問題群を選別して,時間配分を予め計画する.
これを具体的に考えてみると,問題カテゴリーとレベルの分類に1問最大で15秒,40問全部で10分の計算です.
これで確実にゲットする範囲と内容が明確化されます.
そして,ゲットしなければならないレベルの問題については,計算問題を除いて1問2分.
ゲット対象数はおよそ30問として,トータルで60分を消費する計算になります.
これでまでの時間消費量は70分ですから,残りの時間50分をさらにスケジューリングして計算問題や点検確認に充て,さらに残った時間を考えても分からないレベルの問題に充てます.
このスケジューリングの是非はともかく,こうした考えに基づき択一試験に取り組むことが総監的アプローチと言えるのではないでしょうか。
当たり前すぎて目新しさに欠けますか?
ですよねぇ・・・
因みに,設問に関連する法律関係は以下を参照してください.
公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H12/H12HO127.html
国土交通省「技術調査関係」入札・契約関係 http://www.mlit.go.jp/tec/nyuusatu/keiyaku.html
【経済性管理】レベル2
U−1−5 製造物責任法に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。 @ 製造業者が,製造等を行い引き渡した製造物の欠陥により,他人の生命身体又は財産を侵害したときは,過失の有無にかかわらず,損害賠償する責任がある。 A この法律の製造物とは,製造又は加工された動産と定義され,不動産やソフトウェアは該当しない。 B 安全性にかかわらない単なる品質上の不具合は,この法律の賠償責任の根拠となる欠陥とはならない。 C 製造物の欠陥による被害が,その製造物自体の損害にとどまった場合には,この法律の対象外である。 D この法律に基づいた損害賠償を受けるためには,消費者は被害の事実のみを証明すればよい。 |
【解答】 5
青本p37 「2.2.7製造物責任と消費者保護」及び青本p38「2.2.8製品安全」をご覧ください.
D青本p37「PL法により消費者が証明すべきことは、次の2つに限定されることとなった。(1)製品に欠陥があったこと(2)その欠陥によって損失を受けたこと。」と記載されています.
設問に関連する法律関係は以下を参照してください.
製造物責任法 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H06/H06HO085.html
製造物責任(PL)法について http://www.consumer.go.jp/kankeihourei/seizoubutsu/pl-j.html
この出題内容も頻出しているので,過去問をこなしていればなんとか正答へたどり着けるのではないかと思います.
しかし,法律の中身に踏み込んだ記述が多いので,青本だけでは少し無理があるように感じます.
問題レベルの選別段階で,この設問は諦める候補に選ばれる方がいらっしゃるかもしれません.
択一試験では最低限60%の正解率を確保すれば良いのですから,それも総監的アプローチだと考えます.
但し,午後の筆記試験ではどのような難問奇問が飛び出すか分かりません.
筆記試験に柔軟な対応ができるスキルを確保しておくことが択一試験で余裕を生む一つの戦略だと言えます.
間違っても択一試験で80%以上を望むような対策を行ってはいけません.
筆記試験で最後まで書ききっていれば,40%しか得点できないなどということはあり得ません.
もしも,択一試験80%,筆記試験40%の得点で口頭試験へ進んだ場合,口頭試験では不合格になる可能性が極めて高いと言わざるを得ません.
したがって,総監試験対策は筆記にややウェイトを置いて行うことをお薦めします.
また,その方が総監的思考力の養成にもつながりますから.
だけど・・・
いや,これ以上は混乱を招きそうなので,また改めて書かせていただきます.
【経済性管理】レベル1
U−1−6 企業会計に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。 @ 管理会計は,原価に関する集計内容を対外的に説明するために作成されるものである。 A 複数の投資案からいずれを採用するかという問題に対して,管理会計の立場からは割引現在価値を適用することが多い。 B 財務諸表は企業会計原則に基づいて作成されるべきものである。 C 財務諸表には,賃借対照表,損益計算書が含まれる。 D 減価償却費は,費用でありながら支出を伴わないため、その分が内部に留保される効果が生じる。 |
【解答】 1
青本p12「1.3.2総合管理技術者としての管理会計」をお読みください.ここに「財務会計」と「管理会計」の相違点を明確に記しています.
項 目 |
管理会計 |
財務会計 |
(1)会計期間 |
毎日,毎週,毎月etc |
通常1年 |
(2)会計実態 |
組織全体,部門別,製品別,プロジェクト別etc |
一企業全体or企業グループ全体 |
(3)情報の時間的性格 |
過去,現在,未来 |
過去 |
(4)客観性と目的適合性 |
客観性より管理者の有用性重視 |
客観性重視 |
@×管理会計が内向き,財務会計が外向きということだけを知っていれば簡単に正答が得られます.
A○青本p12「複数の設備投資案からいずれを採用するかという問題に対して、管理会計の立場からは割引現在価値(Discounted Cash Flow;DCF)という考え方を適用する。」と記載されています.
B○青本p52「財務諸表は、企業会計原則に基づいて作成されるべきものであり、」と記載されています.
C○青本p52「財務諸表とは、通常次の2つの計算書類を指している。一つは、・・・賃借対照表(Balance Sheet;B/S)である。・・・もう一つは、一定期間(通常は1年の会計期間)における・・・損益計算書(Profit and Loss statement;P/L)である。」と記載されている.
D○青本p53「減価償却費は,費用でありながらも支出を伴わないため,その分が内部に留保される効果が生じる。」
以前も何度か出題されている内容です.
但し,この設問は経済性管理分野だけでなく,総監択一問題で時々行われる融合問題です.
第1章との連携問題として出題されていますね.
しかし,何度も繰り返し青本を読んでいれば難しい問題とはけっして言えません.
むしろ,これぐらいならサービス問題として余裕でこなしたいものです.
それよりも,この融合という点は一つの大きな示唆を与えています.
青本の内容についてです.
バイブルと言われる青本ですが,総監に求められる資質のすべてが青本の中に記述されているかと言えば,答えはNoです.
それは,総監の対象範囲があまりに広く,網羅するには自ずと限界があるからに他なりません.
つまり,総監全体に対して青本は,その骨格並びにフレームを示しているに過ぎないとも言えます.
また,青本においての考え方がオンリーワンなのかと言えば,これまた答えはNoと言わざるを得ません.
PMPではそのフレームが少し総監とは異なっていたりします.
どちらが優れているかという議論はナンセンスであって,最適化へのアプローチスタイルが違うだけでしかありません.
総監既取得者のどなたもが共通しておっしゃるように,青本の中枢は第1章であることを十分に理解することが,総監理解の第一歩であり,第1章が他の章をコントロールしているのだと考えれば,択一問題として第1章と他章との融合問題が出題されることは逆に当然だと理解できるはずです.
因みに,青本p5では図1-1として総合技術監理の技術体系の骨格が図示されています.
しかし,この図では第1章と他章の位置づけが明瞭になっていません.
この部分だけに着目すれば,下図のように第1章が他の章を下支えしている方が理解しやすいのではないでしょうか.
第2章 経済性管理 |
第3章 人的資源管理 |
第4章 情報管理 |
第5章 安全管理 |
第6章 社会環境管理 |
第7章 総合技術監理と国際動向 |
第1章 総合技術監理の要求内容と技術体系 |
などと書いていたら,またまた長くなってしまいました.
【経済性管理】レベル1
U−1−7 進行管理(あるいは進捗管理)に関する(ア)〜(エ)の記述のうち,不適切なものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) 進行管理は,日程計画に基づく生産活動の実行を統制することである。 (イ) 手配作業では,必要となる資機材,工具,図面の手配などの作業準備を行い,作業割り当てを行い,作業指示を与える。 (ウ) 実績管理における「余力管理」とは,不意の生産増に対して対処できるように,なるべく余力を残すように管理することである。 (エ) 実績管理における「現品管理」とは,仕掛品の所在と数量の管理のことである。 @ 0 A 1 B 2 C 3 D 4 |
【解答】 2
(ア)○青本p43「日程計画によって生産活動の詳細を計画し、生産活動を開始する。その実行を統制(通常は中日程計画レベル)するのが進行管理である。」と記載されています.
(イ)○青本p43「作業に必要となる。資機材、工具、図面の手配などの作業準備を行うこと、及び作業の性質や納期を考慮して個別の作業割り当てを行い、作業指示を与えることである。」と記載されています.
(ウ)×青本p43「作業者や設備の能力と負荷を調整して待ち時間を減らし,過負荷を防止することが目的である。」と記載されています.
(エ)○青本p43「仕掛品の所在と数量の管理のことである。」と記載されています.
例によって総監択一お得意の青本からの抜き出し出題です.
あるページの一定範囲について,その“まんま”の文面をコピペしたような設問形式となっています.
だからといって一言一句を記憶するようなことをする必要はありません.
ヤマトは重要な内容箇所について図化を行って記憶に努めたと先に記述いたしました.
ですが,未だによみがえってくるのは,該当のページそのものです.
ぼんやりではありますが,写真で撮したがごとくによみがえってくるのです.
そのための訓練を行ったことはありませんが,何度も何度も青本をめくっていた結果なのかもしれません.
但し,よみがえる記憶はぼんやりとおぼろげではありますけどね・・・
結局,総監ノートはあまり役に立たなかったということになるかもしれません.
ただ,総監ノートを作成する段階でも頻繁に青本を見ていたことは間違いありませんから,おぼろげながらでもよみがえる効果を得るためには役に立ったということにしておきましょう.
皆さまも独自の記憶法を編み出してくださいませ.
【経済性管理】レベル1
U−1−8 シミュレーションに関する次の記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。 @ 構築されたモデルが,解決しようとする問題にふさわしいモデル化どうかをチェックする必要がある。 A 論理あるいは数式で表現されたモデルは,コンピュータを利用したシミュレーションで扱いやすい。 B 乱数を使用したシミュレーションでは,使用した乱数の性質に注意し,シミュレーション結果を適切な統計的手法で分析しなければならない。 C 微分方程式で表現されるモデルに対して用いられるシミュレーションは,離散型シミュレーションである。 D コンピュータ上のプログラムによって表現されたモデルが,作成者の意図どおりであることをチェックする必要がある。 |
【解答】 4
@○青本p62「構築したモデルが解決すべき問題に相応しいかの妥当性検証が必要である。」と記載されています.
A○青本p62「論理あるいは数式で表現された論理モデルがあるが、コンピュータの利用を前提にすれば、論理モデルがシミュレーションの対象となる。」と記載されています.
B○青本p62「乱数を用いたシミュレーションでは、乱数の周期など使用した乱数の性質に注意し、シミュレーション結果を適切な統計的手法で分析しなければならない。」と記載されています.
C×青本p62(2)連続型シミュレーションの項目で「微分方程式や差分方程式で表現されたモデルのシミュレーションを指す。」と記載されており,(1)離散型シミュレーションの項目では「システムの状態変化が何種類かの特定イベントの生起によって引き起こされるモデルに対して用いられるシミュレーション。」と記載されています.
D○青本p62「モデルから得られた解答を用いて現実の問題解決や意思決定を行う際は、モデルの妥当性や正当性の検証を含め、慎重に行う。」と記載され,作成者の意図どおりであることを求めています.
この設問も“まんま”出題となっています.
この分野は不定期ですが頻出します.
過去問を分析すれば,およそ重要分野が特定できるはずです.
それだけに限定して勉強しても,おそらく60点を確保することは,それほど時間を要する作業ではないと思います.
過去5年間に限定しても200問を解くことになるわけです.
ヤマトも以前アップしたことがありますが,他の技術士さんのブログやHPなどでも手作りの択一問題が存在しますから,これらを活用すれば数百問にチャレンジすることが可能です.
青本をベースにしてストックした知識を,択一問題へのチャレンジでその真価を問わなければ,不足する箇所・内容を自ら理解することができません.
弱点分析を行い,それに対する戦略的解決のアプローチを考えるのも総監スキルのアップにつながります.
あらゆる機会・方法を用いて総監キーワードをストックできるようお考えになってみてください.
【人的資源管理】レベル1
U−1−9 人の行動モデルとインセンティブに関する次の記述のうち,最も適切なものを選び答えよ。 @ マズローによれば,人間の欲求は物質的要求,安定欲求,自己実現欲求,3段階から成り,これらの欲求を満たすようにインセンティブを与えることが重要である。 A マグレガーによれば,基本的に性悪説に立つものがX理論,性善説に立つものがY理論であり,現代の組織運営ではX理論に基づく管理が適切としている。 B 評価的インセンティブとは,給与や賞与などの報酬の形で評価することによりインセンティブを与える方法である。 C 人的インセンティブとは,職場で接する人々の人間的魅力,居心地のよさ,組織への所属意識の向上によってインセンティブを与える方法である。 D 自己実現インセンティブとは,思想や価値観の追求を達成意欲の源泉とするようなインセンティブを与える方法である。 |
【解答】 4
@×青本p70「マズローは、人間の欲求には5段階あるとし、それは物質的欲求、安定欲求、連帯欲求、周囲からの尊敬欲求、自己実現欲求であるとしている。」と記載されています.
A×青本p70「マグレガーによるX理論とY理論がある。基本的に性悪説に立つものがX理論、性善説に立つものがY理論であり、現代の組織運営ではY理論に基づいたやる気を引き出す管理が適しているとしている。」と記載されています.
B×青本p70「(2)評価的インセンティブ 組織内での行動を、評価、賞賛などの形で評価することによってインセンィブを与える方法である。」と記載されており,設問文は(1)物質的インセンティブの内容となっています.
C○青本p70「(3)人的インセンティブ 職場で接する人々(特に上司)の人間的魅力、居心地の良さ、組織への所属意識の向上によってインセンティブを与える方法である。」と記載されています.
D×青本p70「(5)自己実現インセンティブ 組織が常に自分を良い方向に育成してくれている、また達成感を持って仕事を行っていると思えるような自己実現のためのインセンティブを与える方法である。」と記載されており,設問文の内容は(4)理念的インセンティブの内容となっています.
この出題内容も超頻繁に出題されます.
ここだけは毎年出題されているのではないかとさえ感じるほどです.
最近気づくのは,ある範囲についてはグルーピングを行っており,その中からインターバル的に出題しているのではないかということです.
しかし,受験者の立場ではそうした分析を行う余裕などありませんから,OBが対応しなければならないでしょうね.
但し,分析をしてみると,全くのランダムでしたという結論だったりしてね.
そう考えると,単元毎にもっとも重要な部分はどこかと考え,次はどれかとプライオリティを設定して勉強の深度を深めていく方法をお薦めします.
そのために目次を徹底的に眺めていただいたのですから.
それを無駄にしてはいけません.
戦略は立てることが目的ではありません.
実行することによる成果こそが目的です.
時々は戦略的思想に立ち返って,今,自らが行っている勉強方法に誤りがないことを確認してみてください.
さて,この設問も“まんま”出題と分類しておきましょう.
【人的資源管理】レベル1
U−1−10 組織形態に関する(ア)〜(エ)に示す説明のうち,適切なものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) 職能別組織は,多くの中小企業で採用されているが,単一事業型の大企業で採用されることは少ない。 (イ) 事業部制組織は,社内全体で購買,製造,販売,研究などの専門の部ごとに構成員を配置した組織である。 (ウ) 事業部制組織は,複数の事業を営む企業に多く採用されている。 (エ) マトリックス組織は,組織の全体的な編成原理について1つの軸を中心にとるのではなく,職能と事業の二元的な組織編成を行うものである。 @ 0 A 1 B 2 C 3 D 4 |
【解答】 3
(ア)×青本p71「(1)職能別組織 多くの中小企業や単一事業型の大企業などはこの組織形態を採用している。」と記載されています.
(イ)×青本p71「(2)事業部制組織 複数の事業を営む企業の多くは事業部制をとっている。事業部制とは、組織のある事業に関わる構成員を営業から研究部門まで,全て一つの部門にまとめる組織である。」と記載されており,設問文の内容は職能別組織の内容です.
(ウ)○前項で記述済み.
(エ)○青本p70「(3)マトリックス組織 組織の全体的な編成原理について一つの軸を中心にとるのではなく、職能と事業の二元的な組織編成を行うものである。」と記載されています.
この内容も頻繁に過ぎるぐらい出題されてきました.
連続して“まんま”出題です.
これほどに“まんま”出題が続くと,なんだか過去問をこなしているような気がしてきますから不思議です.
過去問をやり尽くしていれば,結構余裕を持って択一試験に臨めるのではないでしょうか.
一目設問を見ただけで,“まんま”問題であれば,あのページだとそれが目に浮かぶようになればしめたモノです.
そのための一つの訓練方法は,総監キーワード連関法と命名した方法です.
青本の各章にはキーワードを列記したページがあります.
これを見て,一つのキーワードを無作為に選び出し,それがどのページにあったかを探し出すのです.
場合によっては複数ページに掲載されているキーワードがあるはずです.
これも重要な意味を持っています.
この意味については少しお考えください.
キーワードの掲載されたページを迅速に探し出せるようになれば,相当にキーワードと青本のページが連携的に読み込めた証だと言えます.
使えるモノは何でも使う.
これが資源の有効活用だと思います.
高い参考図書を買ってきて,読みあさるのも一つの戦術でしょうが,ヤマトはあまりそれを好みません.
費用と時間を最小化して,最大の効果を挙げる.
理想はそのとおりなのですが,実際には総監取得までの道のりは誰よりも遠く,長かった.
自慢にはけっしてならないアプローチしかできなかったヤマトだからこそ,こうして皆さまに様々なことをお伝えできるのだと思っています.
どうぞ頑張って総監取得に励んでくださいませ.
【人的資源管理】レベル2
U−1−11 育児・介護休業法(育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。 @ 労働者は,その養育する1歳に満たない子について,その事業主に申し出ることにより,育児休業をすることができる。 A 育児休業ができる労働者として,日々雇用される者は対象にならない。 B 事業主は,3歳未満の子を養育する労働者については,勤務時間の短縮等の措置を講じなければならない。 C 事業主は,労働者が育児休業や介護休業,子の看護休暇の申し出をしたこと又は取得したことを理由として,当該労働者に対して解雇その他の不利益な扱いをしてはならない。 D 事業主は,育児や家族の介護を行う労働者に対して時間外労働をさせてはならない。 |
【解答】 5
この設問はヤマトなら一か八かで解答しそうです.
はっきり言って知らなければ分かりません!
但し,新聞をこまめにチェックしていれば正答を得られるかもしれませんね.
なお,法律関連情報は以下を参照してください.
育児・介護休業法の改正について http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/07/tp0701-1.html
上記サイトの情報のうち,『○改正法の概要』を読めば十分だと思います.
@○設問文の内容は従前と変更がない部分であり,改正に伴って「パパママ育休プラス制度」(父母がともに育児休業を取得する場合、育児休業取得可能期間を、子が1歳から1歳2か月に達するまでに延長する。)が追加されました.
A○設問文のとおり
B○設問文のとおり
C○設問文のとおり
D×事業主は、小学校入学までの子を養育し、又は常時介護を必要とする状態にある対象家族の介護を行う労働者が請求した場合は、1か月24時間、1年150時間を超えて時間外労働をさせてはならない。
法律関連の設問は毎年いくつか出題されます.
改正直後の法律がターゲットになる場合が多いようですから、法改正情報を視野に入れて青本を読む習慣が大切だと言えます.
だいたい今までの傾向で言えば,およそ1年遅れぐらいで出題されているように感じます.
したがって,択一対策で法改正を勉強されるなら,1年前から現在にさかのぼって調べるのが一つのターゲットになるのではないかと思います.
しかし,この1問ぐらい落としたからといって大勢に影響はありません.
確実に取れる問題の取りこぼしを防止する方が遙かに効率的と言えます.
やはり戦略的択一攻略が一番だと思います.
それも実行できない方に,総監の称号をさし上げることはできません.
このように出題者からメッセージを頂いているような気がしてなりません.
【人的資源管理】レベル1
U−1−12 次の文章は,職務設計に関して記述したものである。 ア
〜
ウ
に入る用語の組合せのうち,最も適切なものを@〜Dの中から選び答えよ。 職務設計においては,その職務そのものに真の動機付け要因を含んでいることが一般的に期待されており,「技能の多様化」,「仕事の
ア 」,「仕事の イ 」,「 ウ 」,「フィードバック」の5つの中核的職務特性と呼んでいる。
|
【解答】 3
青本p80「以下に示すのは、5つの中核的職務特性と呼ばれている。(1)技能の多様化(2)仕事の一貫性(3)仕事の有意味性(4)自律性(5)フィードバック」
この5つの中核的職務特性も頻出の項目です.
てか・・・繰り返し出題される項目が顕著になってきた感を持っているのは私だけでしょうか?
今回の択一にはデジャビュー的な感じを強く持ってしまいます.
ところで,5つの中核的職務設計の中で,(4)自律性というのは少し理解しにくいように感じます.
広辞苑によれば,「自分で自分の行為を規制すること、外部からの制御から脱して、自身の立てた規範に従って行動すること」と記載されています.
職務設計が,組織の構成員によって遂行される特定の職務の義務,権限,責任を決定するプロセスと定義されていますから,自律性とは組織の方針に沿って自らの判断と意思に基づいて行動することと言えます.
話は変わりますが,いつもこの項目から出題されてイヤだなぁと思っていたのは,「職務記述書」「職務明細書」「職務関連記述書」の内容に踏み込んだ設問が出題された場合です.
これらの違いや特徴についてなかなか記憶に留めることができなかったのです.
なぜなら,“知識・技能・経験”という内容は,前二者が重複して含んでいるからなのです.
ですからこれらについては次のような形で記憶に努めました.
職務分析 |
記 述 内 容 |
|
(1)職務記述書 |
知識・技能・経験 |
職務の要旨,義務・権限・責任 |
(2)職務明細書 |
人的特徴(専門能力,適性,心身特性等)←米国雇用安定局 |
|
(3)職務関連記述書 |
|
職務の垂直的・水平的関連性(他の職務経験,キャリアパス等) |
これはあくまでも例示ですから,皆さまはそれぞれに工夫をして自らに適した方法で記憶定着に努めてください.
【人的資源管理】レベル1
U−1−13 組織は人間関係の複合体としての人的組織の側面を持っており,人的組織は,一般に公式組織と非公式組織の側面がある。公式組織に比較した非公式組織の特性に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。 @ 真似の対象や刺激の源泉は,非公式組織内の尊敬できる人,互いに切磋琢磨しあう人であることが多い。 A どの程度働くべきか,どの程度規律を守るべきか,などの行動規範は非公式組織内で決まることは少ない。 B 自分が非公式組織に受け入れられなければ,その人は職場で気持ちよく働くことはできない。 C 非公式組織は一つの単位となって同じ動きをするので,それが力の源泉となる。 D 非公式組織は,人々が業務を通じて接触していると必ずそこに形成される。 |
【解答】 2
@○青本p83「(4)育成の環境の決定 真似の対象や刺激の源泉は、非公式組織内の尊敬できる人、互いに切磋琢磨し合う人であることが多い。」と記載されています.
A×青本p83「(1)職場の行動規範の決定 どの程度働くべきか、どの程度規律を守るべきか、などは非公式組織内で決まることが多い。」と記載されており,内容がまったく逆です.
B○青本p83「(3)職場の居心地の決定 自分が非公式組織に受け入れられなければ、その人は職場で気持ちよく働くことができない。」と記載されています.
C○青本p83「(2)組織の力関係の決定 非公式組織は一つの単位となって同じ動きをするので,それが力の源泉となる。」と記載されています.
D○青本p83「非公式組織は、人々が業務を通じて接触していると必ずそこに形成される。」と記載されています.
もしかすると,私は以前この択一問題に取り組んだことがあったのだろうか?
そう思ってしまうほどに見覚えのある“まんま”設問の連続にビックリを通り越して恐ろしくなってきました.
総監合格後,青本に目を通したのは2年ぶりですが,設問を見る度にあぁ〜これはこれぐらいのページに記載があったはずだと思って開くと,数ページの狂いを生じる程度で該当のページに到達してしまいます.
マジかよぉ・・・
そんなはず無いだろ・・・
これには自分でも不思議以上の感覚を覚えてしまいます.
但し,これは私のスキルをひけらかしているのでは決してありません.
一つ言えることは,それほどに総監択一問題では同じ内容の設問が繰り返し出題されているということなのです.
このことを知っているのと,そうでないのとでは,択一問題の対策を立てる上で大きく戦略が変わってきます.
一方で,時間は限られていています.
さて,この事実をどう生かすか?
それはあなた自身の考え方次第です.
【人的資源管理】レベル1
U−1−14 教育訓練管理に関する(ア)〜(オ)の記述のうち,不適切なものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) 教育訓練では,従業員が組織の一員として求められる,課第設定能力,職務遂行能力,対人能力,問題解決能力などを向上させる。 (イ) 教育訓練管理では,教育訓練活動を適切に管理するだけでなく,教育訓練の成果を人事考課管理などその他の人事管理に適切に反映させる体制を構築することが求められる。 (ウ) 態度教育は,職場の同僚と協力する姿勢や仕事に取り組む態度を向上させ,対人能力を高めることを目的とし,討議やロールプレイングなどにより実施される。 (エ) ブレイン・ストーミングにおいては,奇抜なアイデア,自由な発言,他のアイデアへの批判を歓迎するというルールがある。 (オ) OJT(On-the-Job Training)とは,上司や先輩などの指導の下で,職場で働きながら行われる教育訓練である。 @ 0 A 1 B 2 C 3 D 4 |
【解答】 2
(ア)○青本p87「一般には、従業員は共通の目的を達成するために複数の人が協力する組織の一員として働いているので、次の4つの能力が求められる。(1)組織の方針を理解し自分が行うべき課題を設定できる課題設定能力(2)その目的を達成できる職務遂行能力(3)他の人と協力して目的を達成するための対人能力(4)目的を達成する際に起こる問題を解決するための問題解決能力」と記載されています.
(イ)○青本p87「教育訓練活動を適切に管理するとともに,教育訓練の成果を人事考課管理などその他の人事管理に適切に反映させる体制を構築することが教育訓練管理である。」と記載されています.
(ウ)○青本p87「職場の同僚と協力する姿勢や仕事に積極的に取り組む態度を向上させ,対人能力を高めることを目的とし,討議やロールプレイングなどにより実施される。」と記載されています.
(エ)×青本p15「ブレイン・ストーミング法の要点は以下の4点である。これらの要点が守られない場合は、@グループ力学、同調圧力が働く、A批判されることで対話が制約される、B発言の時間が平等でないため対話が制約される、などの問題点が生じる。@人の意見を批判しないA自由に意見を述べるB多くのアイデアを出すC他人の意見をヒントにしてさらに考えを発展させる。」と記載されていて,批判を歓迎するとは記載されていません.
(オ)○青本p87
OJT(On-the-Job Training)は「上司や先輩などの指導の下で、職場で働きながら行われる教育訓練である。」と記載されています.
この内容も以前に見覚えのある“まんま”設問です.
しかし,第1章のブレイン・ストーミング法との連携問題となっている点に若干の新鮮みを感じます.
これが何を意味しているかを考えながら,この択一問題に取り組むことができれば,その方は総監合格が間近と言えるのではないでしょうか.
そこで,第1章を繙いてみたいと思います.
まずは例によって目次的な観察から始めましょう.
1.1 総合技術監理に要求される機能
総合技術監理が必要とされる背景
総合技術監理の範囲
総合技術監理に要求される能力とその養成
総合技術監理に必要とされるプロフェショナルとしての倫理観と国際的視点
総合技術監理の要素技術としての総合管理技術
技術士としての基本的要求事項
1.1.1 技術士法
1.1.2 技術者継続教育
1.1.3 技術者倫理
1.2 総合技術監理の全体構成に関する基本方針
(1) 経済性管理として整理している内容
(2) 人的資源管理として整理している内容
(3) 情報管理として整理している内容
(4) 安全管理として整理している内容
(5) 社会環境管理として整理している内容
1.3 総合技術監理における総合管理技術
1.3.1 総合管理技術としての総合的品質管理
(1) 品質第一
(2) プロセス重視
(3) 事実の基づく
(4) 人間性重視
1.3.2 総合管理技術としての管理会計
(1) 会計期間
(2) 会計実態
(3) 情報の時間的正確
(4) 客観性と目的適合性
1.3.3 総合管理技術としての意思決定論
・意思決定のプロセス
(1) 情報の収集
(2) 代替案の設計
(3) 選択
(4) 再検討
・代替案の結果予測
(1) 確定条件下の意思決定
(2) リスク条件下の意思決定
(3) 不確実条件下の意思決定
(4) その他
1.3.4 総合管理技術としてのリスクマネジメント
1.4 問題解決法
(1) ブレイン・ストーミング法
(2) 集団情報構造化法
(3) 特性要因図
(4) 過程決定計画図(PDPC)
1.5 PDCAサイクルとスパイラルアップ
1.6 プロジェクトマネジメント
(1) 開始フェーズ
(2) 企画フェーズ
(3) 実行フェーズ
(4) 終結フェーズ
第2章以降を読んだ後に改めて第1章へ立ち返って読んだ時,内容に対する理解がまったく変化していることを気づかれた方は,きっと合格できるのではないでしょうか.
目次観察だけですが,様々な情報を得ることができます.
極論すると,これだけで読んだ気になってしまうというのも一つの方法です.
是非、上記の目次をご活用ください.
【人的資源管理】レベル1
U−1−15 人事考課管理に関する(ア)〜(エ)の記述には,適切なものと不適切なものが含まれている。その組合せとして正しいものを@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) 評価の実施方法は,直属の上司による一次査定を経て,その上の上司が二次査定を行うという二段階で行われるのが一般的である。 (イ) 人事考課に当たっては,ルールや評価基準までは公開しないが,評価結果を被考課者に伝えることによって,従業員の納得性を高めることが大切である。 (ウ) 人事考課の評価の時期は,姿勢評価と業績評価はやや長期で行い,能力評価はやや短期で行うことが一般的である。 (エ) 業績を評価する方法を用いると,組織への貢献を評価することはできるが,能力や姿勢以外の偶然の要因にも左右され易く,また短期の成果を求める傾向が生じる恐れがある。
|
【解答】 3
(ア)○青本p89「(3)評価方法 実施方法に関しては、直属の上司による一次査定を経て、その上の上司が二次査定を行うという二段階で行われるのが一般的である。」と記載されています.
(イ)×青本p87「(1)理念 @透明性 ルールや評価基準を公開し、評価結果を被考課者に伝えることによって、従業員の納得性を高める。」と記載されていて,情報の公開性を高め,透明性の確保を原則としています.
(ウ)×青本p87「(3)評価方法 評価の時期については、変動しやすい姿勢と業績はやや短期で行い、変動が少ない能力はやや長期で行うことが一般的である。」と記載されていて,短期と長期の評価項目が逆になっています.
(エ)○青本p87「(2)評価基準 Aアウトプットを評価する方法を用いれば組織への貢献を評価できるが、能力や姿勢以外の偶然の要因にも左右され易く、また短期の成果を求める傾向を生じる恐れがある。」と記載されています.
上記の設問では取り上げられていませんが,(4)評価反映も重要な要素ですから,セットで記憶に留めておいてくださるようお願いいたします.
このように択一問題に取り組む段階で,関連部分を併せて習得していくのがパッケージストックとしての戦術だと思います.
さて,この設問もまた以前見たような,しかも“まんま”問題です.
出題したくなる部分というのは青本が改訂されない限り難しいのかもしれません.
ならば徹底期に青本を読み込んで,択一対策を行うのが総監合格への近道だと思います.
そして,それが効果的で効率的であればあるほど,総監試験の本丸である筆記試験対策へ時間を充当できることになるのです.
したがって,忘れてならないことは,択一対策のためだけに青本を読み込むのでは意味がないということです.
だからこそ青本は総監のバイブルと言われるのです.
そこのところを改めて考えてみてくださいませ.
【人的資源管理】レベル2
U−1−16 労働者派遣等に関する次の行為のうち,労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律)の主旨に照らして最も望ましいものを選び答えよ。 @ 労働者派遣契約の途中解除に際して,派遣先が派遣労働者に関連会社での就業を斡旋する。 A 請負業務を円滑に実施するため,その業務の発注者が請負労働者に直接指揮命令を行う。 B 以前従事したことのある優秀な派遣労働者を確保するため,派遣先が派遣労働者を指名する。 C 熟練労働者を育成するため,物の製造の業務について,3年を超えて派遣労働者を受け入れる。 D 労働基準関係法令等の責務は,基本的に派遣会社が負うことになっているので,派遣先は労働時間管理について関与しない。 |
【解答】 1
この設問は最初の設問を俯瞰する段階で捨てるものにヤマトは入れてしまいます.
本気で考えても,細かいことはまったく分かりません.
後は,常識的な判断にしたがって解答するのみです.
まぐれ当たりは儲けモノ.
この程度で十分でしょう.
時間の無駄使いはしたくありませんから.
さてさて,総監択一ではおなじみの法律関係の出題です.
非正規雇用がリーマンショック以後,さまざまな社会問題を発生させた影響だと見ることができるでしょう.
関連する法律は以下を参照して下さい.
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S60/S60HO088.html
労働者派遣法 http://www.hakenhou.biz/hakenhou-toha.html
@○労働者派遣契約の解除の場合に派遣元事業主及び派遣先が講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るための措置については、就業条件の明示の際に明示すべき事項となっています(法第34条).派遣元事業主は、派遣先と連携して当該派遣先からその関連会社での就業の斡旋を受ける等により派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることとなっています(派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針).
A×労働者派遣法第2条1号に「(労働者派遣とは)自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする」と記載されており,発注者が請負労働者に直接指揮命令を行うことはできません.
B×労働者派遣法では,労働者の派遣を受けようとする会社は,労働者派遣契約の締結に際して,派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならないとされています(労働者派遣法第26条第7項).
C×「原則として、すべての業務で条件を満たすことにより最長3年まで派遣することができる。ただし、物の製造の業務は改正法施行後3年間は最長1年とする」(労働者派遣法第40条の2)と記載されています.
D×労働基準法第4章において,労働時間管理については派遣先が行うことが明記されています.
とりあえず調べてみましたが,果たして正しい情報を記述できているのかどうか。。。
甚だ疑問です.
どうせ捨ててかかる設問ですから,来年度の試験につながるわけではありませんし,スルーして頂いて結構です.
重要な内容であることは理解しますが,総監の勉強時間としてはあまり充てたいとは思いません.
エッセンスだけを残して,細かい部分は捨象してしまいましょう.
【情報管理】レベル1
U−1−17 組織における情報管理に関する(ア)〜(オ)の記述のうち,不適切なものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) 情報は必要に応じて加工され,適切な内容と量のものが意思決定者に届けられなければならない。そのため,管理すべき情報が体系的に整理されていることが重要である。 (イ) 情報は組織内で利用するばかりでなく,組織外での利用を考慮して戦略的に情報公開を活用していくことが必要である。 (ウ) 公開すべき情報には,財務諸表や環境アカウンタビリティのように説明責任を果たすための情報や,活動報告,広告・宣伝のためのPR情報,緊急時の広報などが含まれる。 (エ) 公開すべきでない情報には,技術情報や顧客情報などが含まれており,情報セキュリティに留意して扱う必要がある。 (オ) どの情報を開示するかを示す開示基準は,組織の重要な意思決定問題の一つであり,とくに緊急時の開示基準はあらかじめ検討しておくことが必要である。 @ 0 A 1 B 2 C 3 D 4 |
【解答】 1
(ア)○青本p96「組織活動においては、組織内外に存在する様々な情報を活用し、様々なレベルの意思決定を行っている。この活動を着実に行うためには、状況に応じて適切な内容と量の情報が意思決定者に届けられる必要がある。そのためには、組織の中に存在する情報を体系的に整理するとともに、組織内の意思決定問題の内容と種類についても体系的に把握し、両者をどのように結び付けるかが重要である。」と記載されています.
(イ)○青本p96「情報公開は組織における戦略手段の1つとして活用できることから、組織内における開示基準及び開示の手続きを明確化して、必要に応じて適切に実施していくことが求められる。」と記載されています.
(ウ)○青本p96「財務諸表のような組織活動に関する説明責任を果たすための情報、環境アカウンタビリティのような社会的責任を果たすための情報などは正確な情報を適切に開示してしかるべきものである。・・・開示される情報には、説明責任を果たすための組織活動の報告及び広告・宣伝のためのPR(Public Relations)情報があるが、・・・」と記載されています.
(エ)○青本p96「技術情報やノウハウのような市場競争に関わる情報や顧客情報については、非開示の情報として取り扱われる。・・・開示という問題ではなく、情報セキュリティとして取り扱うべき情報である。」と記載されています.
(オ)○青本p96「特に、不祥事が発生した場合などの緊急時では、事実を隠そうとして情報を開示しないことや、不正確な情報を開示することが散見される。・・・あらかじめ不測の事態を想定して、どのような情報をどのようにして開示するかといった緊急時における情報の開示基準も検討しておく必要がある。」と記載されています.
でました〜
オール○の設問
内容は常識的なことを取り扱っていますから,まずミスることは無いでしょう.
しかし,常識的であるからこそ落とし穴が仕組まれているような気がするものでもあります.
まして,こういう文章だけをだらだらと書き連ねた部分からの“まんま”問題であればなおさらです.
疑心暗鬼に陥ることなく自らを信じて解答をすることが大切です.
そのためには徹底的に,そして繰り返し青本を眺めることを行っておく。
これ以外にはありません.
それでも自分に自信が持てない時どうするか.
その時は,一度この設問を考えること自体を中断してください.
そして,この段階で絶対に正しい,あるいはその逆に絶対に間違っていると言えるものに○や×を付しておいて,それ以外の不確かなものには△をつけておいて,次の設問に移ってください.
スケジュールにしたがって一通り最後まで設問に解答を行った後,再度この問題に立ち戻って考えていただきたいのです.
試験の時は,設問との物理的距離感が近くなりがちです.
それが好影響を及ぼす場合ももちろんありますが,近づきすぎて見えにくくなる場合もあります.
そこで,俯瞰作業を再考の時に行うのです.
択一試験では,他の設問内容にヒントとなるような記述内容が存在する場合があります.
また,時間を空けたことによって,近視眼的になりすぎた視点をリセットする効果を得ることが可能になる場合があります.
さらに,択一試験を開始する段階で設定した当所計画と実績を点検確認することが可能です.
この差異を分析し,変更計画を行います.
いわゆる変更管理です.
これによって残された時間のうち,どの設問にどの程度の時間を充当するのかについて明確化します.
前提条件である制限時間を管理しながら,さらに択一試験での成果を確かなものにするのです.
すべて正答を得ようとか,あれもこれも解答しようといった,無意味な時間の使い方を避けることが大切です.
しかし,当所計画に反して正答の確実な問題数が相当程度に少なかったらショックでしょうねぇ・・・
そうならないように「備えあれば憂いなし」という状態を作り上げていただきたいものです.
【情報管理】レベル1
U−1−18 「見える化」を最初に実践したとされる某自動車メーカー製造ラインにおける「あんどん」(下注参照)のように,生産現場における「見える化」に対するひとつの考え方は,“組織としての問題を現場から顕在化させ,その情報が現場関係者にタイムリーに伝わるよう,現場での指示・表示により視覚に訴えていく方法論“というものである。次の記述のうち,この観点からみて最も不適切なものを選び答えよ。 (注:「あんどん」は製造ラインにつり下げられた大きな掲示板で,各工程や機械が稼働しているか停止しているかなどをランプによって表示するものである。ランプを点灯させるのは現場の作業担当者で,管理者や監督者は工場のどこにいても,これを見れば現場の稼働状況が把握できる。) @ 「見える化」においては,現場で表示される情報の量(掲示・表示される項目の数)を可能な限り多くし,そこで起きている状況をできるだけ詳細に伝えるよう努めることが肝心である。 A 現場や組織にとって都合の悪い見えにくい情報でも,関係者の間で共有すべきものは,セキュリティに配慮した上で「見える化」すると効果的である。 B 「見える化」する情報は鮮度が大切であり,タイミングよく提供・更新されなければならない。 C 「見える化」する情報は,その発見者などの当事者から発信されるよう仕組むのが基本である。 D 「見える化」しただけで満足せず,見えたあとそれを具体的なアクションに結びつける必要がある。 |
【解答】 1
従来から「情報管理」分野では,青本外からの出題の多いことが特徴的にありました.
問題文を読むと,また出たか〜と思われた方が多いのではないかと思います.
しかし,選択肢を読めば一目瞭然で正答が分かります.
@情報量は多ければ良いというものでないことは,前設問で明らかです.
やはり,総監択一問題を作成される方は優しい方だと感じます.
諦めることなく,粘り強く対応する者に栄冠は輝くことになっています.
この設問で取り上げられた「見える化」の定義から想起する言葉として,「TPM(青本p58)」「小集団活動(青本p151)」や「水平展開(青本p15)」などがあります.
青本は,従来5つの管理分野を垂直的にクリスプに勉強される方が多いと思います.
ですが,ヤマトは垂直方向と同時に水平的な関連性も見ていく努力をすべきであると考えています.
それがどのような効用を生み出すかと言えば,管理分野を超えた用語の連鎖的発想を可能にします.
これによって,論文作成でトレードオフを考える場合,分野間で関連の深い部分についてインターフェースとして機能する用語があると発想力が豊かになります.
排反事象を考えるというのが総監論文の中核になります.
この時,垂直思考しかできないとトレードオフ課題をなかなか発見できないものです.
ですから垂直・水平両方向での青本習得をお薦めしています.
但し,順番はあくまで垂直→水平ですからお間違えのないようお気をつけください.
最後に余談ですが,この設問で取り上げられた「見える化」については,ヤマトも編集に参加させていただいていた土木学会誌で,’11.2月号の特集テーマとして扱われました.
二度と出題されることは無いと考えられる「見える化」の建設分野における詳細が掲載されています.
ご興味がおありの方は是非どうぞ.
【情報管理】レベル2
U−1−19 公益通報者保護法に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。 @ 労働者が公益のために法令違反行為を通報した場合に,それを理由とする解雇は無効である。 A 監督官庁たる行政機関に通報する場合は,事前に事業者内部に通報する必要がある。 B 通報の対象となる法令違反行為が生じていなくても,まさに生じようとしていると思われる場合には,事業者内部に通報することができる。 C 通報にあたっては,他人の正当な利益(名誉,信用,プライバシーなど)を侵害しないよう配慮することが必要である。 D 正社員のみならず,パート,アルバイトであっても法令違反を通報した場合には保護の対象となる。 |
【解答】 2
またまた出ました〜
法律関連の出題です.
関連する法律は以下を参照して下さい.
公益通報者保護法 http://law.e-gov.go.jp/announce/H16HO122.html
@○(解雇の無効)第3条「公益通報者が次の各号に掲げる場合においてそれぞれ当該各号に定める公益通報をしたことを理由として前条第1項第1号に掲げる事業者が行った解雇は、無効とする。」と記載されています.
A×(定義)第2条「「公益通報」とは、労働者が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、その労務提供先又は当該労務提供先の事業に従事する場合におけるその役員、従業員、代理人その他の者について通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を、当該労務提供先若しくは当該労務提供先があらかじめ定めた者、当該通報対象事実について処分若しくは勧告等をする権限を有する行政機関又はその者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に通報することをいう。」と記載されており,通報の順序を定めてはいません.
B○前項に記載済み.
C○(他人の正当な利益等の尊重)第8条「第3条各号に定める公益通報をする労働者は、他人の正当な利益又は公共の利益を害することのないよう努めなければならない。」と記載されています.
D○(定義)第2条の労働者とは,労働基準法第9条に規定する労働者をいうと規定されています.労働基準法(定義)第9条「この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」と記載されていますから,正社員だけでなく派遣労働者、アルバイト、パートタイマーなどが含まれることになります.
公益通報者保護法という法律の存在は知っていましたが,内容に至ってはさっぱりチンプンカンプンでした.
ですからエイッ!とばかりに選んだのですが,たまたま偶然にも正答だったので驚きました.
やはり諦めず眺めていると,浮かび上がってくるものです.
皆さまも困った時は問題文を睨んでやってください.
すると,向こうから降参の白旗を揚げてノコノコと出てきますからね.
でも・・・
この設問で取り上げられた公益通報者保護法は平成18年4月1日に施行された法律です.
この法律が最近改訂されたという情報もありませんでした.
これまでの定説を覆して,この法律の存在を忘れないでいてくださいね.
こういう意図だったのかも知れません.
しかし,どうして法律の条文とはこのようにダラダラと一文が長いのでしょうね.
分かり易くしようという意思をまったく感じることができません.
公益通報者保護法も同様にわかりにくいことこの上なしです.
そこで,国の行政機関の通報処理ガイドライン,公益通報者保護法に関する民間事業者向けガイドライン http://www.caa.go.jp/seikatsu/koueki/shuchi-koho/21setsumeikai_gaidorain.pdf
をご覧になることを推奨いたします.
【情報管理】レベル1
U−1−20 プラント施設の事故・被害などの緊急時における当該事業所の広報に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。 @ 緊急時における広報の目的には,大別して安全のための広報と安心のための広報の2つがある。 A 従業員や周辺住民の安全のための広報は,緊急度が高く,迅速性が求められる。 B 安全のための広報において,当該事業者の各関係者は,それぞれその時点で自分の知っている情報を,できるかぎり素早くかつ丁寧に外部に説明しなければならない。 C 具体的な被害が発生していない場合でも,誤解や不安感を与えないようにするため,安心のための広報は必要である。 D 安心のための広報は,社会に対する説明責任を果たすための情報公開の一部と考えられる。 |
【解答】 3
@○青本p107「緊急時の広報の目的には、大別して2つの目的がある。・・・1つ目は安全のための広報活動であり、従業員や周辺住民の安全を守り人的被害低減のために行われる広報である。・・・2つ目は安心のための広報であり、具体的な被害が発生していなくても、誤解や不安感を与えないようにして社会的信頼性を守るために行われる広報である。」と記載されています.
A○青本p107「1つ目は安全のための広報活動であり、・・・緊急性が高く、迅速な広報の必要性が高いことが特徴として挙げられる。」と記載されています.
B×青本p107「外部に対する広報を行う場合には、情報を提供する側の視点だけではなく、受け手である社会一般の人にどのように受け止められるかを考える必要がある」と記載されており,限られた,しかも不確かな情報を丁寧に説明するのではなく,要点だけを迅速に伝えることが肝要であると言えます.
C○青本p107@項で記載済み.
D○青本p107「例えば、周辺には影響のない施設事故や製品の品質不具合に関するデマ、経営が傾いているなどのデマなどの問題が発生した場合に、事実を明らかにして誤解を正すための広報である。緊急時において、社会に対する説明責任を果たすための情報公開の一部と考えることもできる。」と記載されています.
一度でもこの「緊急時の情報管理」を読んでおけば,ことさら記憶するような用語もありませんし,間違い探し程度の設問であれば,十分対応可能だと思います.
いわゆるサービス問題と言えるでしょう.
落とさないようにくれぐれも気をつけましょう.
さて,先に択一問題について80%を目標にするようなことは避けた方が良いと書きました.
これは50%の目標を60%にアップする際に要する時間に対して,70%の目標を80%にアップする際に要する時間がイコールではないからです.
後者の時間が前者の時間の数倍に及ぶことは疑う余地のないことが理由です.
これを分かり易く説明すると,粗めのふるいを作成するのは目合いが大きいですから,必要になる編み目を形成する線材本数は少なくて済みますが,目合いの密なふるいを作成しようと思うと倍々ゲーム並に線材本数は増加させなければなりません.
青本から取得する情報を,ふるいを通して自らの中に吸収することを考えてみれば,上記のお話は一目瞭然だと思います.
ふるいの目合いが粗ければ,ストックすべき青本の情報はザル状態で逃げ去り知識としてストックされることはないでしょう.
したがって,ふるいの目合いをどの程度に設定するかについて,論文試験対策も含めて自身で決めることが戦略だと思います.
但し,80%の能力を身につけたからといって,本番の試験でその能力が100%発揮できるのかといえば,答えはNoと言わざるを得ません.
この点がさらに難しい問題であることは,後の設問の中で詳しくお話をさせていただきましょう.
【情報管理】レベル1
U−1−21 情報管理に関する(ア)〜(エ)の記述のうち,適切なものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) データマイニングとは,コンピュータを利用して膨大なデータの中から役に立つ情報パターンを発見する技術である。 (イ) 総所有コスト(Total Cost of Ownership;TCO)とは,情報システムを構築する際のハードウェアとソフトウェアの導入費用の総額を意味する。 (ウ) ナレッジ・マネジメントでは,思考スキルや行動スキルといった形式知を活用することが重要な鍵となる。 (エ) 組織における情報の職能別分類とは,技術部門における特許情報や人事部門における人事情報など,部門・部署において使用する情報毎に分類することをいう。 @ 0 A 1 B 2 C 3 D 4 |
【解答】 3
(ア)○青本p96「データマイニング技術(コンピュータを利用して膨大なデータの中から役に立つ情報パターンを発見する技術)」と記載されています.
(イ)×青本p98「情報システムを構築する際は、導入費用のみならずランニングコストまで含めた総所有コスト(Total Cost of Ownership;TCO)を考慮する必要がある。」と記載されています.
(ウ)×青本p99「暗黙知は思考スキルや行動スキルといった主観的で言語や文章により簡単には表現できない知である。」と記載されています.
(エ)○青本p95「(1)職能別分類 技術部門における特許情報や人事部における人事情報など、部門・部署において使用する情報毎に分類したもの」と記載されています.
あちこちのページを拾い集めた良問?だと思います.
しかし,しょせんは選択肢ごとに○×を結論するだけの設問です.
長年,総監択一問題を見ていると,あぁ・・またこれかぁ・・と偏りを感じないわけにはいきません.
初めて受検される方にはこの感覚がないでしょうから,少々きついかもしれませんね・・・
総合技術監理の試験は2001年(平成13年)から開始されました.
開始当時,択一問題は15問しかなかったのに,翌2002年(平成14年)には倍の30問に増加したのです.
そして,さらに翌2003年(平成15年)にはさらに10問増えて,現在の40問というスタイルが確立したといった経緯をたどりました.
15問の時に受検しておけば楽だったのに・・・
このように思いながら30問を解いた記憶がよみがえります.
って・・・いつから受検していたんだぁ〜って感じですよね.
総監の択一試験の歴史をひもとこうというのが主眼でこのようなことを書いているわけではありません.
2003年から2010年までの期間に限定しても8年分の択一問題320問のストックがあり,そのうえそれ以前の45問を加えれば全部で365問にも及ぶ択一試験問題が皆さま共通の資産として存在するのです.
これを使わない手はないと考えるのが普通だと思います.
365問を5つの管理分野で割ると,1つの管理分野につき73問あります.
それらすべてを試してみるのはもちろんのこと,それが青本のどこから出題されているのかを調べることで重複出題箇所が明確に把握できるでしょう.
また,出題箇所は重要な箇所だと理解すれば,その付近を拡大して勉強することによってふるいの目合いを小さくしていくことができるでしょう.
青本は物語を読むように頭から順番に読まなければシナリオが不明になる類の本とは違います.
重要だと考えるところから理解し知識に集積していけば良いのではないかと思います.
そのためには全体像を予め把握しておくことが大切なのです.
ですから目次を徹底的に眺め,そしてその理解に努めていただいたのです.
随分と遠回りをしましたが,やっとここで目次理解の効用が明らかになったといったところでしょうか.
【情報管理】レベル1
U−1−22 インターネットの出現によって現れた技術,社会現象に関する(ア)〜(オ)の記述のうち,不適切なものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) ウェブアクセシビリティとは,高齢者や障害者をはじめ誰でも,ウェブで提供される情報にアクセスし利用できることである。 (イ) B to Bとは,Business to Businessの略であり,一般に企業間取引のことである。 (ウ) 総務省のICT政策大綱などで用いられるICTとは,Internet and Computer Technologyの略であり,インターネットとコンピュータ技術のことである。 (エ) VoIPとは,Voice over IPの略であり,音声データをアナログ信号のままインターネット上でやりとりする技術である。 (オ) デジタルデバイドとは,コンピュータを使いこなす能力の有無によって生じる情報格差のことである。 @ 0 A 1 B 2 C 3 D 4 |
【解答】 3
出ました〜
「情報管理」分野特有の用語解説問題です.
青本外から出題された場合,知らなければ手も足も出ません.
さぁ今回の出題はどうでしょうか?
(ア)○青本p120「(15)ウェブアクセシビリティ」に“まんま”の文章が記載されています.
(イ)○青本p118「(4)B to B」に“まんま”の文章が記載されています.
(ウ)×青本外 ICTとはInformation and Communication Technologyの略語です.
(エ)×青本p119「(11)VoIP Voice over IPの略であり、デジタル化された音声データをインターネット上でやりとりする技術のことを指す。」と記載されており,アナログ信号のままという表現が誤りです.
(オ)○青本p120「(14)デジタルデバイド/デジタルオポチュニティ」に“まんま”の文章が記載されています.
青本からの引用ばかりで,比較的簡単な問題ばかりだったですね.
点数稼ぎをするにはありがた〜い一問でした.
情報管理分野の専門用語については,過去,次のようなものが出題されました.
H13:問8 情報の用語。対(つい)になる2つの用語があって、その違いを説明した文で間違っているものを選べ。
@LANとWAN:主として電気通信事業者の電話回線を利用した狭い範囲に作ったネットワークがLAN、全国的に張り巡らした自社回線網がWAN
Aインターネットとイントラネット:いわゆるインターネットの仕組み(TCP/IPプロトコルなど)を使用し一般者を対象とした世界規模のネットワークを(固有名詞としての)インターネットといい、インターネットの仕組みを用いた社内限定のネットワークをイントラネットという。
Bサーバーとクライアント:クライアントサーバモデルにおいて、ユーザが作業するための端末をクライアント、サービスを提供する側の装置をサーバという。
Cオペレーションシステム(OS)とアプリケーション(AP):コンピュータの基本的な制御プログラムがOSで、利用者が要求したデータ処理そのものを行う適用業務プログラムがAPである。
Dデータベースとファイル:コンピュータで扱うことのできるように格納又は処理された名前を持つデータの集合をファイルといい、コンピュータでの情報検索を容易にした目的に利用可能とする統合化されたデータの集まりをデータベースという。
H14:問19 コンピューターネットワークに関連して使用される次の英語の略号で間違えているものはどれか答えよ。
(1) IT : Information Technology
(2) EC : Electronic Commerce
(3) FTTH : Fiber to the Home
(4) ADSL : Asynchronous Digital Subscriber Line
(5) B2C : Branch and Bound Computing
問20 コンピューターに関連して使用される次の英語の略号で一般的でないものはどれか答えよ。
(1) CAD : Computer Aided Design
(2)
(3) GIS : Groval Information System
(4) XML : Extensible Markup Language
(5) DM : Digital Map
H15:問17 インターネットで,電子メールやホームページを利用する場合に,安全性を確保するための方法として,ふさわしくないものは次のうちどれか。
(1) 暗号化 (2) パスワード (3) ファイアウォール (4) クラッキング (5) ワクチン
問21 以下に述べる用語の説明の中で最も不適切と思われるものを選び答えよ。
(1) デジタルデバイド:コンピュータを使いこなす能力の有無によって生じる上方格差
(2) ナレッジマネジメント:知的財産権を守るために,主要製品の関連特許を戦略的に取得していくマネジメント手法
(3) ビジネスモデル特許:主としてインターネット上におけるビジネス方法に関連する特許
(4) データマイニング:コンピュータを利用し,膨大なデータの中から役に立つ情報パターンを発見する予法
(5) デファクトスタンダード:市場の競争の結果として定まる事実上の標準
問22 インターネットで最近よく用いられる次の用語の説明のうち,最もふさわしくないものを選び答えよ。
(1) VoIP:画像などを送るデータ通信回線と同じ回線に電話などの音声データの送信を統合するネット技術
(2) ブラウザ:ホームページを閲覧するソフトウェア
(3) TCP/IP:現在最も普及しているインターネットのプロトコル
(4) ポータルサイト:WWWブラウザを利用する場合,入り口となるWebサイト
(5) スパムメール:電子掲示板への書き込みメール
H16:問19 次の用語の解説で誤っているものを選び答えよ。
(1) ASP(Application
Service Provider):アプリケーション・ソフトウェアの受託開発を専門におこなっているソフトウェア会社。
(2) GPS (Global Positioning System):複数の人工衛星と地上の制御局、利用者の移動局から構成されるシステム。
(3) IP電話:デジタル化された音声データをインターネット上でやりとりする技術。
(4) ネットバンク:支店を持たずにインクーネット上で取引を行う銀行。
(5) デジタルデバイド:コンピュータを使いこなす能力の有無によって生じる情報格差。
問23 インターネットに関するア〜力の用語について、英語名称や意味が正しくないものの個数を(1) 〜(5) の中から選び答えよ。
ア. e-mail:インターネット上で送受信する手紙
イ. WWW:Wide World Web
ウ. VoIP:Voice over IP
エ. HTTP:ハイパーテキストを通信するためのプロトコル
オ. TCP/IP:インターネット上の通信プロトコル
カ. B to C:企業間商取引
H17:問17 次の情報処理関連用語の説明のうち、適切と思われるものを選び答えよ。
(1) 「グループウェア」とは、構内ネットワークを意味する。
(2) 「デジタルデバイド」とは、あるメモリの数値を別のメモリの数値で割った値のことである。
(3) 「ポータルサイト」とは、コンピュータをおくために設置した専用の施設の呼称である。
(4) 「ファイヤウォール」とは、外部からの不正侵入を防ぐセキュリティ対策のためのシステムである。
(5) 「公開鍵暗号」とは、暗号を解く鍵が公開されてセキュリティが脆弱化した暗号のことである。
問19 CRM(Customer Relationship Management)の一手段に用いられるインターネットを利用したマーケティング手法の要素技術として、一般的でないものは次のうちどれか選び答えよ。
(1) パーソナライゼーション技術
(2) カスタマイゼーション技術
(3) リコメンデーション技術
(4) データマイニング技術
(5) URLフィルタリング技術
問20 次の情報システム構築のプロジェクトマネジメントに関する記述の中で、最も不適切なものを選び答えよ。
(1) PMBOK(A Guide
to the Project Management Body of Knowledge)はプロジェクトマネジメントの事実上の国際標準となっている。
(2) WBS(Work
Breakdown Structure)はプロジエクトを遂行するのに必要な作業を所要のレベルまで分割し構成したツリー構造である。
(3) FP(Function
Point)法は情報システムの規模を工数の積み上げにより見積る手法である。
(4) Contingency
Planning はある特定されたリスク事象が起きた場合でも、プロジェクトを成功させるための代替戦略となる計画を策定することである。
(5) Concurrent
Engineering はプロジェクトの要員配置方法の1つで、システム開発フェーズの実施担当者をシステム設計フェーズから参画させることなどである。
H18:問24 次の情報処理関連用語の説明のうち,最も不適切なものを選び答えよ。
(1) 「スパイウェア」とは,コンピュータ利用者のホームページへのアクセス履歴や入力した個人情報を利用者が気付かないうちに収集するソフトウェアである。
(2) 「侵入検知システム」とは,不正アクセスがないかネットワーク及びサーバを監視し,パターン照合により不正アクセスと思われるパケットを検知して管理者に通報するシステムである。
(3) 「HUB(ハブ)」とは,異なるネットワーク間のルーティングを行う装置である。
(4) 「グリッド・コンピューティング」とは,ネットワークを介して複数のコンピュータをシームレスにつなぎ合わせ処理性能を高める技術である。
(5) 「VPN」とは,公衆回線をあたかも専用回線であるかのように安全に,かつコストを抑えて利用できるサービスやある。
H19:問24 ア〜オに示す情報処理関連の用語の説明のうち、適切でないものの数を(1)〜(5)から選び答えよ。
ア.ボット(Bot)とは、コンピュータを遠隔操作することを目的に作成されたソフトウェアで、ウイルスのように他のコンピュータに感染する機能はない。
イ.VoIPとは、デジタル化された音声データをインターネット上でやりとりする技術のことである。
ウ.オープンソース・ソフトウェアとは、無償のソフトウェアのことをいう。
エ.イントラネットとは、インターネット標準の技術を用いて構築された、組織内限定の情報ネットワークである。
オ.スパムメールとは、コンピュータウイルスなどパソコンに有害なプログラムを含んだメールのことをいう。
H21:問20 次の記述のうち、1つの処理を複数台のコンピュータで処理する分散処理に最も関連性が低いものを選び答えよ。
@ エンドユーザーコンピューティング
A グリッドコンピューティング
B クラウドコンピューティング
C クラスタリング
D クライアントサーバシステム
問21次の記述のうち、SaaS(Software as a Service)の説明として最も適切なものを選び答えよ。
@企業の各種情報システムを互いに連結し、素早い意思決定や効率的な企業経営を実現する方法
A企業の経営を効率化するために、基幹業務を統合的に管理する方法
Bソフトウェアを部品化し、サービスの組み合わせとして情報システムを構築する方法
C企業内の膨大なデータを、経営者や社員が分析して、企業の意思決定に役立てる方法
Dユーザが必要とするソフトウェアの機能だけをネットワークを介してサービスとして配布し、利用できるようにしたソフトウェアの配布方法
問21 ITサービスの提供者が、一定の基準値を守ってユーザにサービスを提供することを保証する契約であるSLA(Service Level Agreement)の構成要素には、サービス用件やSLA評価項目などがある。SLAで規定されるSLA評価項目に当てはまらないものを@〜Dの中から選び答えよ。
@ 同時接続可能端末数
A 障害復旧時間
B 稼働率
C ネットワーク内遅延時間
D オンライン応答時間遵守率
情報管理分野に関する過去の用語関連設問は,青本ばかりからの出題でないことが良くご理解いただけるでしょう.
また,重複出題される用語も見てとれますね.
【情報管理】レベル1
U−1−23 情報システムのセキュリティポリシーに関する(ア)〜(オ)の記述のうち,不適切なものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) セキュリティポリシーとは,情報セキュリティに関する活動を行うための基準であり,これに従って具体的な対策が検討され実施される。 (イ) 情報や情報システムに関するセキュリティ対策は,組織全体に関わる問題であり,組織全体として取り組む必要がある。 (ウ) セキュリティ対策をどこまで行うかは,セキュリティレベルとコストの視点などから判断する必要がある。 (エ) 組織によって守るべき情報の種類や対処すべき情報リスクの種類も異なり,さらに経営環境も異なることから,他の組織を真似したものが自らの組織に適したものとは限らない。 (オ) 策定されたセキュリティポリシーを基に具体的な対策が検討され,行動基準やマニュアルの作成,ハード対策が行われる。 @ 0 A 1 B 2 C 3 D 4 |
【解答】 1
(ア)○青本p122「セキュリティポリシーとは、情報セキュリティに関する活動を行うための基準であり、セキュリティポリシーに従って具体的な対策が検討され実施されることとなる。」と記載されています.
(イ)○青本p122「(1)組織の長が深く関与しなければならない 情報や情報セキュリティ対策は、組織全体に関わる問題であり、組織全体として取り組む問題と考える必要がある。」と記載されています.
(ウ)○青本p122「(1)組織の長が深く関与しなければならない セキュリティ対策をどこまで行うかは、セキュリティレベルとコストの視点、及び市場競争における差別化(信用失墜を防ぐ手段)の視点から判断する必要があり、組織の長が決める必要がある。」と記載されています.
(エ)○青本p122「(2)既成のものの真似ではなく自ら策定する必要がある(自主作成) 組織によって守るべき情報の種類や対処すべき情報リスクの種類も異なり、さらに経営環境も異なることから、真似したものが自らの組織に適したものとはならない。」と記載されています.
(オ)○青本p122「策定されたセキュリティポリシーを基に具体的な対策が検討され、ダウンロードの禁止やFDの持ち出し禁止などといった行動基準やマニュアルの作成、バックアップ装置の整備や回線の二重化などのハード対策が行われる。」と記載されています.
出ましたね!
全設問オール○のひっかけ問題
一言一句を完全に記憶しているわけではありませんから,と〜っても不安になってしまいます.
ですからこうした設問は,まず絞り込みだけを行いファイナルアンサーを後回しにするのが得策です.
この効用については先の設問で書いたとおりです.
頭を切り換えつつ,多様な視点から俯瞰しつつ確実に押さえていくことが取りこぼしの防止に役立ちます.
普通のペースで行えば時間は十分残るはずですから,慌てる必要はありません.
総監の視点にはボトムアップのプロセスよりもトップダウンのプロセスを重視した書きっぷりが目立ちます.
それは全体を見渡してバランス良くプロジェクトを進行させ,QCDの最適化を図ることがプロジェクトマネージャーの大きな役割だからです.
また,情報管理のセキュリティ分野にはインターネットというツールが必ず絡んできます.
この特殊技術についてSEレベルの知識までも習得しようとすれば,時間がいくらあっても足らないことになります.
したがって,基本的な事項だけを知っていれば十分だと思います.
それだけである程度択一問題はこなせるはずです.
100点満点を取る必要はまったくありません.
それよりも限られた時間を有効に活用し合格レベルのスキルを習得することこそが,総監技術士に求められている技術だとお考えください.
【情報管理】レベル1
U−1−24 コンピュータウィルスに関する(ア)〜(エ)の記述のうち,適切なものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) 知り合いから届いたメールに添付されたファイルであれば,開く前にウィルスチェックを行う必要はない。 (イ) メールをプレビューしただけで,あるいはインターネットにつないだだけではウィルスに感染することはない。 (ウ) 最新のウィルス定義ファイルを利用すれば,ウィルスに感染することはない。 (エ) USBメモリを挿入しただけでは,ウィルスに感染することはない。 @ 0 A 1 B 2 C 3 D 4 |
【解答】 1
(ア)×青本p127「(7)コンピュータウィルスによる被害 E不審な送信元からの電子メールや添付ファイルは不用意に開かない。」と記載があるものの,知り合いの方がウィルス感染を自覚していない場合もありますから,ウィルスチェックは情報リスク対策として通常の対応だと言えます.
(イ)×青本外 オペレーティングシステムやアプリケーションのセキュリティホール (脆弱性とも言われる)を狙ったウィルスが増加しています.パソコンに、これらのセキュリティホールが残っていると、メールをプレビューしただけで感染したり、インターネットにつないだだけで感染してしまう危険性があることはよく知られています.
(ウ) ×青本外 ウィルスは最新の定義ファイルで防げると思ったら大間違いです.定義ファイルの更新が追いつかなかったり,ウィルススキャンエンジンをくぐり抜ける巧妙なウィルスの存在も知られていますから,この選択肢の表現は不適切だと言わざるを得ません.
(エ)×青本外 CDやUSBメモリをパソコンにセットすると,自動起動が働いてブラウザやソフトのインストール画面が勝手に開くという便利な機能があります.ところが,これを悪用してウィルスを自動起動させて広がるUSBメモリ感染型ウィルスです.このため,USBメモリの使用を制限する組織が増加しています.
まさか!
連続して該当なしになっているとは・・・
これは新手ですね.
今までの禁じ手?を破ってきましたね〜
大半が青本外の選択肢ですが,常識で判断できる問題だと思います.
さて,ここまでで情報管理分野の設問が終わります.
今年の情報管理は過去に比べて相当に簡単だったと感じます.
経済性管理から情報管理までがそれほど手強くなかったことが,この後の安全管理と社会環境管理の難しさを暗示している気がします.
出題者もきっとレベル分けを行って設問を作成しているはずです.
仮に択一試験で高得点を取ってしまえば,論文試験は及第点に満たなくても良いということになってしまいます.
しかし,総監用語だけを熟知した総監技術者が期待されているわけではありません.
むしろ,論文試験で総監の何たるかを明確に示せる技術者こそが総監に相応しいと考えるのはヤマトの独善ではないと思います.
ですから目指すべきは,総監用語を駆使した総監思想をもつ論文を作成できる資質を備えることなのです.
総監キーワードだけを知識として習得することをけっして目標にしないでくださいね.
ところで,情報セキュリティ関連では以下のサイトが有用です.
是非一度ご覧ください.
(独)情報処理推進機構の「情報セキュリティサイト」は比較的有用 http://www.ipa.go.jp/security/isg/virus.html
【安全管理】レベル1
U−1−25 次の(ア)〜(ウ)のリスクアセスメント活動は通常どの順序で行われるか,最も適切なものを@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) リスクが顕在化する確率と被害規模の推定 (イ) リスクマトリクス等によるリスクの評価 (ウ) 事故等不都合事象へ進展するシナリオ分析 @ ア→イ→ウ A ア→ウ→イ B イ→ア→ウ C ウ→ア→イ D ウ→イ→ア |
【解答】 4
青本p132図5-1リスク管理システムの例
リスクアセスメント リスク解析 シナリオ分析 リスク算定(発生確率・被害規模) 弱点分析 対策効果算定(必要な場合) リスク評価 (対応方針の決定) 保有 回避 低減 移転 (ア) (イ) (ウ)
青本p137 5.1.4リスクアセスメントを読む必要はありますが,もっとも分かり易いのは上図だと思います.
設問に対する正答は上図から明らかです.
『安全管理』分野において青本p132の図5-1は基本中の基本ですから,徹底的に記憶するよう心がける必要があるでしょう.
また,総監全体に亘ってもこの概念はとても重要です.
まず図を記憶し,次に本文中の文面を理解するようにすると記憶領域への定着が確実になると思います.
もちろん,これに拘る必要はありません.
ご自身に合った記憶方法で,海馬記憶に止めず,大脳新皮質まで記憶できるよう心がけましょう.
ヤマトは海馬レベルに止まっていた可能性が高く,反省しているところです.
今年は特に東日本大震災を受けた年であるだけにリスクマネジメントに関する出題は筆記試験で不可避のように感じます.
リスクマネジメントと危機管理を重点的に習得しておくことが,今年のテーマに対応するためにはたいへん重要な気がします.
もちろんこれは安全管理分野としてのスキルだけに止まらず,総監スキルの全体を通して言えることです.
是非ともじっくりと習得に励み,実践的スキルにまで高めていただきたいと思います.
【安全管理】レベル3
U−1−26 自然災害をもたらす自然現象に関する(ア)〜(オ)の記述のうち,正しいものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) 日本に襲来する台風は,その進行方向の左側の方が右側より風速が大きくなる。 (イ) 地震波のうち横波(せん断波)の方が,縦波(粗密波)より伝播速度は大きい。 (ウ) 長周期地震動は,震源から遠く離れたところまで伝わりやすいという性質がある。 (エ) 気象庁の震度階級は10階級あり,最も大きい震度は「震度8強」である。 (オ) 津波は,最初の波よりも高い波が後で来る場合がある。 @ 1 A 2 B 3 C 4 D 5 |
【解答】 2
(ア)×経験から判断して,設問文は正反対の記述となっています.
(イ)×地震により震源からP波(粗密波(縦波))とS波(せん断波(横波))からなる実体波(Body Wave)が放出されます.文字どおりP波,S波の順に伝播していきますから,設問文は正反対の記述となっています.
(ウ)○
(エ)×日本では震度を、「0,1,2,3,4,5弱,5強,6弱,6強,7」の10階級で表すのだそうです.
(オ)○
経験的に,あるいは常識として知っていること以外の設問文は,考えても分からないものは分かりません.
地震関連は東日本大震災の影響により随分と知識が増えましたが,こういう風にして知識が増えるのは絶対に歓迎できません!
被災地の方々の一日も早い復旧・復興を心からお祈りいたしております.
こういう時こそ総監技術が役に立ちます.
平時の才だけでなく,有事や緊急時などに大切なスキルが醸成されるのが総監技術の特長です.
技術士とはそもそも資格自体に価値があるのではなく,社会のために使って初めてその価値を立証できます.
そうした意味で東北関東大震災後の政府対応には目を覆いたくなります.
ヤマトが総理であったならどうしているだろうか.
危機管理において使いうる資源は限定されます.
また,時間との勝負という側面も平時に比べ際だちます.
何を優先するのか,フェーズの特徴を的確かつ瞬時に判断し,全方位的に理想状態を構想しつつ段階的に近づけていく.
こうした時に役に立つのが分野は違いますが,PDPCではないでしょうか.
第1章の記述内容はその他の分野共通に適用できるスキルの集合体となっています.
是非,関連づけて理解していってください.
【安全管理】レベル2
PDCAサイクル (ア) 安全衛生目標の設定 安全衛生計画 の作成 緊急事態 への対応 安全衛生計画の実施等 日常的な点検,改善等 労働災害発生原因の調査等 改善 (イ) 基本要素 体制の整備 労働者の 意見の反映 明文化 明文化 事業者による安全衛生方針の表明 システムの見直し
|
【解答】 5
青本p146「具体的な手続きの内容は、次の通りである。(1)安全衛生方針を表明する。(2)機械、設備、化学物質などの危険または有害要因を特定し、それを除去または低減するための実施事項を特定する。(3)安全衛生方針に基づき、安全衛生目標を設定する。(4)安全衛生目標を達成するため、(2)で特定された実施事項などを内容とする安全衛生計画を作成する。(5)安全衛生計画を実施及び運用する。(6)安全衛生計画の実施状況などの日常的な点検及び改善を行う。(7)システム監査を実施し、必要な改善を行う。(8)定期的にシステムの全般的な見直しを行う。(9)(7)〜(8)を継続的かつ連続的に実施する。」
以上の内容を図化したものが設問に示されたものです.
以下のサイトにまさしくそのものの図を掲載してあります.
安全衛生情報センター http://www.jaish.gr.jp/yougo/yougo02_1.html
しかし,PDCAサイクルの中の説明ですから,Plan-Do-Check-Actionがそれぞれどう位置づけられているかを考えれば正答にたどり着くことは可能でしょう.
但し,これまで出題がそれほど無かった範囲から行われていますので,対策不足のある方には少々厳しい設問となった可能性を否定できませんね.
【安全管理】レベル1
U−1−28 危機管理活動の各段階に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。 @ 準備段階では,危機管理チームを組織し,その組織の責務,活動方針,社会的な要請などを検討していく。取組み開始に当たってはトップの強い意思を示すことが重要である。 A 事前作業段階では,想定される危機と影響度合を検討する。考えられる危機を網羅することと最悪の事態を想定することが重要である。 B 事前作業段階では,必要な資機材の備蓄,緊急時対策組織と連絡体制の確定,各種マニュアルの作成,教育訓練の実施などを行う。 C 緊急事態対応段階の意思決定では,迅速さよりも正式なルールや手順によって行うことが重要である。 D 事後復旧段階では,実施した危機管理活動の効果を測定・評価し,計画の有効性,手順の適性を検証して,次の危機に備えることが重要である。 |
【解答】 4
@○青本p157「(1)準備段階 組織において危機管理を行うためには,組織トップが自ら直接実行する強い意思を示す必要がある。・・・危機管理の作業を実行するチームを内部に選定もしくは外部に作る必要がある。このチームでは、何のためにどのような作業をするのかの観点から、組織の方針、社会的な要請、組織の責務などを検討していくことが重要な業務である。」と記載されています.
A○青本p157「(2)事前作業段階 危機を特定し、どのようなことが起きるかを想定する。不測事態のカテゴリーに対して危機を一つ一つ検討する。危機の特定では、危機管理の作業を実行する順序が決まった段階で、情報収集と被害想定を行う。どの危機に遭遇したときにどのような災害が発生するか、どのような被害になるかを検討し、また過去の事例も調査することである。被害想定は、後の対策や準備、備蓄などに影響するが、最悪の場合を想定することによって段階的に準備の程度を高くしていくことが可能である。」と記載されています.
B○青本p157「(2)事前作業段階 資機材の備蓄、教育訓練、連絡先や緊急時対策組織の確定などである。組織毎、危機毎に資機材の準備は異なることになる。教育訓練も実際に被害を減らすためには重要な事項である。」と記載されています.
C×青本p157「(3)緊急事態対応段階 発生した危機に対して、意思決定者は迅速な情報処理、適切な緊急意思決定が求められる。つまり、意思決定過程において、正式なルールや手順によって行うことが難しい場合もあり、非公式なプロセスによって迅速化することも許容しなければならない。」と記載されています.
D×青本p157「(4)事後復旧段階 危機管理体制を直ちに解除することなく、危機管理活動の効果を測定・評価し、計画の有効性、手順の適性を検証する必要がある。問題があれば、修正を行うことにより、次の不測事態に備える。」と記載されています.
一度目を通しておけば,十分正答を得ることができるでしょう.
印象に強くないので,以前も出題があったとは思いますが,記憶に残っていません.
常識で判断できる設問だと思います.
少し疲れてきたので,深く掘るのがおっくうになってきてしまいました.
実際の試験でも同様だと思います.
残り10問前後になってくると疲労感を感じやすい場合があります.
そうした場合は無理をしないで,深呼吸をしてみたり,或いはお茶を飲んでみたりして若干の休憩をとりましょう.
甘みのある飲み物があればさらに良いでしょう.
脳の活性化には糖分が不可欠だからです.
近視眼になることなく最後まで俯瞰的視点を忘れずに一つづつ問題をこなしていきましょう.
【安全管理】レベル1
U−1−29 ヒューマンエラーに関する次の記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。 @ ヒューマンエラーとは,目標から逸脱した人の行動である。 A ヒューマンエラーによる事故では,複数の要因が複雑に絡んでいることが多いので,多角的な観点から分析することが重要である。 B ヒューマンエラーによる事故では,当事者の責任追及が最も重要である。 C ヒューマンエラーの解析には,認知過程や置かれた状況に注意しないと解析自体の信頼性を損なうことになる。 D トライポッド理論では,ヒューマンエラーの要因を複数のグループに分類して考えている。 |
【解答】 3
@○青本p167「目標から逸脱した人の行動、つまり人のミスであるヒューマンエラー(人的過誤)に起因する事故の割合は高く、設備などのハードの技術進歩が進めば進むほどヒューマンエラー対策の重要性は増している。」と記載されています.
A○青本p167「ヒューマンエラーを考える場合、例えば単一のミスだけで事故などの原因を完全に特定できることは希であり,通常は複数の要因が複雑に絡んでいる。つまり、多角的な視点から分析することが極めて重要である。」と記載されています.
B×青本に記載は見られませんが,犯人捜しが目的でないことは明らかです.例えば,青本p152ヒヤリハット活動では,「(2)報告者の保護 報告内容によって責任追及を行うことをせず、安全活動のみに使用する。」と記載されています.
C○青本p167「原因には危険関知ミス、判断ミス、対応行動失敗などがあるが、認知過程や置かれた状況に注意しないと解析自体の信頼性を損なうことになる。」と記載されています.
D○青本p167「エラーマネジメント手法の一つであるトライポッド理論では、ヒューマンエラーの要因を11個のグループに分類して考えている。」と記載されています.
ヒューマンエラーに関する出題でいつも困るのは,ヒューマンエラー分析手法に関わるものです.
記憶しようとしてもちっとも出来ないのです.
中身が分からない解析手法の解説だけを記憶するのはと〜っても難しいものです.
何か良い工夫があれば,逆にヤマトの方が教えて欲しいくらいです.
【経済性管理】レベル2
U−1−30 消費生活用品の長期間の使用に伴い生ずる経年劣化により,特に重大な危害を及ぼす事故を未然に防止するため,平成21年4月1日から「長期使用製品安全点検制度」が始まった。この制度の施行日以降に製造・輸入された製品に関する次の記述のうち,誤っているものを選び答えよ。 @ 対象製品は屋内式ガス瞬間湯沸器など,ガス,石油,電気を使用する9品目である。 A 点検時期は,製品やメーカーによって違う。 B 所有者はメーカーなどにユーザー登録を行う責務を負う。 C 点検時期がきたら,メーカーなどは所有者に連絡する。 D 所有者は決められた時期に点検を受ける責務があるが,点検費用の負担はない。 |
【解答】 5
この設問はどう見ても経済性管理ですよね.
しかも改正法律関連の出題.
選択肢を読めば読むほどどれもこれも疑わしいものばかりに思えてしまいます.
分からなければ,可能な限り絞り込んだうえで,適当に鉛筆を転がして決めてもやむを得ないところでしょう.
消費生活用製品安全法改正について http://www.meti.go.jp/product_safety/producer/shouan/07kaisei.html
@○青本外 長期間の使用に伴い生ずる劣化(経年劣化)により安全上支障が生じ、 特に重大な危害を及ぼすおそれの多い9品目(屋内式ガス瞬間湯沸器(都市ガス用、LPガス用)、屋内式ガスふろがま(都市ガス用、LPガス用)、石油給湯機、 石油ふろがま、密閉燃焼式石油温風暖房機、ビルトイン式電気食器洗機、浴室用電気乾燥機)について「長期使用製品安全点検制度」が設けられました.
A○青本外 点検期間は、設計標準使用期間の終期を挟んで1年以上3年以内の幅をもって定めることが必要で,点検期間の幅は、各事業者が定めることとなります.
B○青本外 特定保守製品の所有者は、当該特定保守製品について、経年劣化に起因する事故が生じた場合に他人に危害を及ぼすおそれがあることに留意し、特定保守製品の保守に関する情報を収集し、点検期間に点検を行う等その保守に努めるべき責務が課せられています。同時に、所有者は、特定製造事業者等に対して所有者情報を提供する責務があります.
C○青本外 特定製造事業者等は、所有者情報の提供を受けた所有者に対し、点検期間が開始する6か月前から点検期間開始日までの間に、点検すべき旨の点検通知を発信しなければなりません.
D×青本外 点検通知には、次の事項が記載されることが必要です.@特定保守製品につき点検を行うことが必要であることA当該通知が消費生活用製品安全法に基づく通知であることB所有者は点検期間に点検を行うことが同法上求められていることC点検を求める場合の連絡先D点検料金の内訳及び金額の目安
【安全管理】レベル1
U−1−31 機械と人との協調作業において人の安全を確保するための技術に関して,(ア)〜(オ)の記述のうち,適切なものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) 作業場の扉が閉じていることを確認して機械の運転をすることを隔離安全,作業場の扉が開いた時は機械の運転を停止することを停止安全という。 (イ) 隔離安全の確認だけでなく,工学的手段に危険側障害が生じないことを証明しなければならない。更に安全が人の命を扱うという意味で,安全が論理的に扱われるべき必然性として,安全立証の概念を必要とする。 (ウ) インターロックシステムで行う安全確認は,作業場に人がいないこと,機械が完全に停止していることを確認することである。 (エ) 安全確認型インターロックは,安全を確認した時にのみ,機械の運転をし,センサが故障すると安全な状態でも機械の運転を停止する。 (オ) 危険検出型インターロックは,危険の情報を検出し,積極的なブレーキ動作に結びつけるが,センサが故障で危険状態を検出できないと安全な状態でも機械を停止させる。 @ 0 A 1 B 2 C 3 D 4 |
【解答】 5
(ア)○青本「作業上の扉が閉じていることを安全スイッチで確認して機械を運転することを隔離安全、扉が開いた時は機械を停止することを停止安全と言う。」と記載されています.
(イ)○青本「隔離安全を単に確認するだけでなく、工学的手段で危険側障害が生じないことを証明しなければならない。安全が論理的に扱われるべき必然性として、安全立証の概念を必要とする。」と記載されています.
(ウ)○青本「インターロックシステムで扱う安全確認は、作業上に人がいないこと、機械が完全に停止していることを確認することである。」と記載されています.
(エ)○青本「安全確認型インターロックでは、安全を確認したとき機械の運転に許可を与えるための信号を出力し、安全が確認されないときに許可出力を停止する。ここで、危険状態のみならず、センサの故障で安全が確認できないときも機械が停止する点も重要な点である。」と記載されています.
(オ)×青本「危険検出型インターロックでは、危険の情報をエネルギーとして抽出し、積極的なブレーキ動作に結びつける。しかし、センサの故障で危険状態を検出できない場合は安全状態との区別ができないことが欠点として挙げられる。」と記載されており,センサ故障の場合など事故が繰り返し発生することがこのシステムの問題だとしていますから選択肢の文章は誤りです.
“まんま”問題と言いたいところですが,この設問は若干青本とは異なっています.
しかし,原理を理解しておけば,それほど難しい選択肢とは言えないでしょう.
インターロックシステム関連も頻繁に出題される範囲の一つと言えます.
そろそろ本文を丸写しにしてタイピングすることに飽きてきました・・・
しか〜し,この丸写しという行為はとても有用な手段なのです.
その昔,写経とか写本などという方法でコピーが作成されていました.
この過程で多くの知識が移転されたことは想像に難くありません.
それも1回や2回ではなく,何度も何度も繰り返し,繰り返し・・・
ただ,そのためには驚くほどの時間を要したこともまた事実だと考えない訳にはいきません.
私たちにそれほどの余裕時間が存在するとはとても思えません.
したがって,より効率的にエッセンスだけを習得する方法を選択するほか無いのです.
このためには重要なキーワードを起点として,その内容を関連づけるという方法が合理的と言えます.
青本のキーワード一覧はそのために有効活用を図るべきだと考えるのです.
しかし,上記の方法が唯一無二の方法だとは思いません.
したがって是非,最小の時間投資で最大の効果を得られる方法をお試し頂きたいと思います.
【安全管理】レベル1
U−1−32 安全管理における未然防止活動に関する (ア)〜(オ)の記述のうち,不適切なものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) 定期点検活動はマンネリ化しやすいので,実施レベルのムラを無くし,その低下を防止する対策が重要である。 (イ) 小集団活動は,職場内の小集団に,主体的に安全衛生などの目標を設定させ,計画を立てさせ,その達成度で,参加している個人の創造性やグループの一体感を醸成させることにより,安全衛生意識の向上と徹底を図ることを目的とする。 (ウ) ヒヤリハット活動では,可能な限り早期に報告し,報告内容によって個人の責任を追求し,早期の対策を行うと共に,早期に同種の作業を行っている人にその情報を流通することが重要である。 (エ) 故障しない機械はあり得ないので,そのための発見と停止操作や再起動動作は,安全制御の考え方では基本的に人間が行うべき事としている。 (オ) 危険検出型の安全装置の故障が原因となる事故は繰り返されており,安全確認型のアプローチによる体系的検討は重要な観点である。 @ 0 A 1 B 2 C 3 D 4 |
【解答】 3
(ア)○青本p151「定期点検活動では、実施期間が長くなると意識の低下や取り組み方にムラが出来る可能性が高い。実施レベルのムラをなくすとともに、実施レベルを低下させないことが重要である。そのための対策としては・・・」と記載されています.
(イ)○青本p151「職場内に編成される小集団に、主体的に生産技術、改善、安全衛生などの特定の目標を設定させ、かつ計画を立てさせ、その達成過程で、小集団に参加している各自の創造性やグループの一体感を醸成させるような活動を意味している。」と記載されています.
(ウ)×青本p152「ヒヤリハット活動を実施する場合に重要となる観点は以下のようなものである。(1)早期の報告 記憶は時間が経つにつれて薄れていくため、可能な限り早く報告する。(2)報告者の保護 報告内容によって責任追及を行うことをせず、安全活動のみに使用する。そうでない場合、報告が意識的に抑制される可能性がある。(3)早期の改善 報告しても改善が行われなければ参加者の動機付けにも影響が及ぶ。根本原因に立ち返り、早期の対策を行う必要がある。(4)情報の早期流通 ヒヤリハット情報は同種の作業を行っている人に早期に流し、再び同じ事を繰り返さないようにする。」と記載されていて,報告内容によって個人の責任を追求する思想はありません.
(エ)×青本p153「故障しない機械はあり得ないし、そのための発見と停止操作や故障修理と再起動操作は人間の最も重要な仕事とされてきたが、安全制御の考え方では、基本的に人間が行うべきこととは考えていない。」と記載されていて,安全制御の考え方では基本的に人間が行うべき事としていません.
(オ)○青本p155「危険検出型の安全装置の故障が原因となる事故は繰り返されており,安全確認型インターロックによる体系的検討は重要な観点である。」と記載されています.
前問と作成者が相違したのでしょうね.
インターロック関連の設問が続いて出題されるなんてことは普通考えられませんよね.
その代わり,5.3.4機械設計原則(フェールセーフ)や5.3.5システムの高信頼性については設問がありませんでした.
さすがに頻出するのはマズイと感じられたのでしょうか.
また,ETやFT関連も登場しませんでしたね.
来年あたりは再びそうした範囲からの出題が予想されるところです.
気をつけましょう.
【社会環境管理】レベル3
U−1−33 環境省が毎年公表している我が国の温室効果ガス排出量(確定値)に関して,エネルギー起源の部門別二酸化炭素排出量の推移を示した下図について,部門の組合せとして正しいものを@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) (注)エネルギー起源の部門別二酸化炭素排出量は,発電及び熱発生に伴う二酸化炭素排出量を各最終消費部門に配分した排出量。
|
【解答】 2
2008年度(平成20年度)の温室効果ガス排出量(確定値)についてhttp://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/2008ghg.pdf
こればかりは知らなければ正答を得るのは極めて難しい設問だと思います.
しかし,常識的に考えて,CO2の排出が一番多いのは産業部門だろうことが推察できること,次に多いのは運輸部門ではないだろうかと想像できること,家庭部門は予想以上に多いだろうこと,業務その他部門と家庭部門のどちらが多いのかは判断つきませんが,比較的競り合っているだろうことなどから総合して,(ア)産業部門,(イ運輸部門),(ウ)業務その他部門or家庭部門と考えて選択肢を探すと・・・A以外には無いとなります.
これでダメならやむを得ません.
こうしたグラフを見たことがあるとおっしゃる方は,建設部門か環境部門など特定の部門を受検される方々に限定されるように思います.
イヤ!製造業関連の方々も戦々恐々として眺めていらっしゃるのかも・・・
明確に見たと言えないヤマトがお粗末なのかもしれません.
ごめんなさい.
【社会環境管理】レベル3
U−1−34 環境配慮促進法(環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律)に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。なお,「特定事業者」とは本法の規定によるものを指す。 @ 特定事業者は,毎年度終了後1年以内に,環境負荷を示す数値を含めた環境報告書を作成し,公表するように努めるものとする。 A 大企業者は,環境報告書の公表,その他のその事業活動に係る環境配慮等の状況の公表を行うように努めるとともに,その公表を行うときは,情報の信頼性を高めるように努めるものとする。 B 環境報告書の審査を行う者は,独立した立場において環境報告書の審査を行うように努めるとともに,公正かつ的確な実施を確保するために必要な体制の整備及び審査に従事する者の資質向上を図るように努めるものとする。 C 事業者は,その製品等が環境への負荷の低減に資するものである旨,その他のその製品等に係る環境への負荷の低減に関する情報の提供を行うように努めるものとする。 D 事業者は,他の事業者に対し,投資その他の行為をするに当たっては,当該他の事業者の環境情報を勘案してこれを行うように努めるものとする。 |
【解答】 1
「情報管理」分野と「社会環境管理」分野は,これまでも難問奇問が多いことで知られています.
この程度はまだ序の口と言うべきでしょうか.
環境関連の法律問題です.
ここまで社会環境管理の勉強を深めていらっしゃる方はそうそういらっしゃらないでしょう.
もしもいらっしゃったとすると,筆記試験対策は大丈夫ですかぁ・・・
そのように心配してしまいます.
さて,法律関係は以下を参照してください.
環境配慮促進法 http://www.env.go.jp/policy/hairyo_law/law.html
@×青本外 (環境報告書の公表等)第9条「特定事業者は、主務省令で定めるところにより、事業年度又は営業年度ごとに、環境報告書を作成し、これを公表しなければならない。」と記載されていて,選択肢の毎年度終了後1年以内という表現が条文と相違しています.
A○青本外 第11条「大企業者は、環境報告書の公表その他のその事業活動に係る環境配慮等の状況の公表を行うように努めるとともに、その公表を行うときは、記載事項等に留意して環境報告書を作成することその他の措置を講ずることにより、環境報告書その他の環境配慮等の状況に関する情報の信頼性を高めるように努めるものとする。」と記載されています.
B○青本外 第10-条「環境報告書の審査を行う者は、独立した立場において環境報告書の審査を行うように努めるとともに、環境報告書の審査の公正かつ的確な実施を確保するために必要な体制の整備及び環境報告書の審査に従事する者の資質の向上を図るように努めるものとする。」と記載されています.
C○青本外 第12条「事業者は、その製品等が環境への負荷の低減に資するものである旨その他のその製品等に係る環境への負荷の低減に関する情報の提供を行うように努めるものとする。」と記載されています.
D青本外 (事業者の責務)第4条「事業者は、その事業活動に関し、環境情報の提供を行うように努めるとともに、他の事業者に対し、投資その他の行為をするに当たっては、当該他の事業者の環境情報を勘案してこれを行うように努めるものとする。」と規定されています.
この問題は捨ててかかるべきものだと思います.
間違って正解だった場合はラッキーとしましょう.
【社会環境管理】レベル2
U−1−35 グリーン購入,グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)及び同法に基づく基本方針(環境物品等の調達の推進等に関する基本方針),エコラベルに関する次の記述のうち,最も適切なものを選び答えよ。 @ グリーン購入法の基本方針に定める特定調達品目の判断の基準は,エコマークの基準より厳しい基準となっている。 A グリーン購入法の基本方針に定める特定調達品目の判断の基準を満たす製品については認定制度がある。 B エコマークはいわゆるトップランナー制度により基準の作成が行われており,ISOのエコラベル規格のタイプUに分類されるものである。 C 都道府県,市町村及び地方独立行政法人は,毎年度,環境物品等の調達方針を作成し,当該方針に基づき物品等の調達を行うよう努めるものとする。 D グリーン購入法の基本方針に定める特定調達品目の判断基準を満たす製品は,従来の製品と比較し安価であるが,ライフサイクル全体で考えると高価なものが多い。 |
【解答】 4
連続して法律関連問題ですね.
@×青本外 エコマークはいわゆるトップランナー制度により基準の作成を行っていますが,グリーン購入法は全国で調達可能なことが前提であることから、エコマークの基準よりやや緩やかな基準となっているため,設問文の記述は逆でなければなりません.
A×青本外 判断の基準を満たすか否かは,サプライヤーの自主宣言によるものです.環境省運用のデータベースへの掲載も同様となっています.したがって,認定制度は存在しません.
B×青本外 エコマークはトップランナー制度に基づき作成されていますが,エコラベルではタイプT(青本p185)に分類されますから,設問文は誤りです.
C○青本外 (地方公共団体及び地方独立行政法人による環境物品等の調達の推進)第10条「都道府県、市町村及び地方独立行政法人は、毎年度、物品等の調達に関し、当該都道府県、市町村及び地方独立行政法人の当該年度の予算及び事務又は事業の予定等を勘案して、環境物品等の調達の推進を図るための方針を作成するよう努めるものとする。」と記載されています.
D×青本外 従来品と比べ安価とは言えず,またライフサイクル全体で考えると安価な場合が多いため,積極的な使用を促進していると理解すべきですので,設問文は誤りです.
以上の問題を考える場合,参考になるのは青本p185の6.2.5グリーン購入です.
ここに記載された内容から推測して設問文を判断しようとした場合どうなるかを考えてみましょう.
@については,グリーン購入法とエコマーク基準の関係性が問題です.
P185を読むと,最上位にグリーン購入法が位置づけられていて,その中でエコマーク制度が運用されていることからある程度推測できるのではないかと思います.
Aについては,グリーン購入法に認定制度があれば,各種の認定制度が林立する状態にはならないと考えられます.
Bについては,エコマークはエコラベルのタイプT,これだけで設問文の正誤が明らかとなります.
Cについては,法律の条文のようで食いつけるキーワードが見つかりません.諦めて不明のまま次へ進みます.
Dについては,キーワードとしてライフサイクルがあります.ライフサイクル・コスト最小化の思想がなければグリーン購入法に準拠した製品等を調達する意味は無いと考えられます.
といった具合になるのではないでしょうか?
なお,法律関係については以下をご参照ください.
なお,この設問では以下に示したQ&Aをかなり引用していることを付加させていただきます.
国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H12/H12HO100.html
環境物品等の調達の推進等に関する基本方針 http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/archive/bp/h19bp.pdf
国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(Q&A) http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/q&a.html
【社会環境管理】レベル3
U−1−36 PRTR(化学物質排出移動量届出制度)及びPRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)に関する次の記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。 @ PRTRとは,有害性のある化学物質の環境への排出量及び廃棄物に含まれている移動量を登録して公表する仕組みである。 A 第一種指定化学物質等取扱事業者は,その事業活動に伴う第一種指定化学物質の環境中への排出量と廃棄物に含まれている移動量を把握し,毎年度,前年度分を国に届け出なければならない。 B 国は,届出データを集計するとともに,届出の対象にならない事業所や家庭,自動車などから環境中に排出されている対象化学物質の量を推計して,2つのデータを併せて公表する。 C 指定化学物質等取扱事業者は,化学物質管理指針に留意しつつ,指定化学物質等の管理を行うとともに,その管理の状況などについて国民によく理解してもらえるよう努めなければならない。 D 指定化学物質等取扱事業者は,指定化学物質やそれを含む製品を他の事業者に出荷する際に,その相手方に対し,その化学物質に関する情報を提供するためMSDS(Material Safety Data Sheet)を交付するよう努めなければならない。 |
【解答】 5
@○青本p186「有害性のある化学物質の環境への排出量及び廃棄物に含まれている移動量を登録して公表する仕組みである。」と記載されています.
A○青本外 第一種指定化学物質の排出量と移動量を,毎年度4 月1 日〜6 月30 日,前年度分を国に届出することになっています.
B○青本外 経済産業省及び環境省は共同で、本法の届出義務対象の排出量と対象外の排出源(家庭、農地、自動車等)からの排出量を推計して集計し、併せて公表することになっています.
C○青本外 (事業者の責務)第4条「指定化学物質等取扱事業者は、第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質が人の健康を損なうおそれがあるものであること等第二条第二項各号のいずれかに該当するものであることを認識し、かつ、化学物質管理指針に留意して、指定化学物質等の製造、使用その他の取扱い等に係る管理を行うとともに、その管理の状況に関する国民の理解を深めるよう努めなければならない。」と記載されています.
D×青本p186「PRTR法第14条では、第一種指定化学物質、第二種指定化学物質及びこれらを含む一定の製品について、MSDSの提供を義務付けている。」と記載されており,努力目標ではなく義務である点で設問文は誤っています.
いやはや・・・
本当にこうしたアプローチで良いものか.
甚だ疑問ですが,上記のような考えで結論を求めるしか方法がありませんでした.
こんな微妙な表現の間違い探しをしなければならないのでしょうか.
総監本来の資質に求めるものとは異質な気がするのはヤマトだけでしょうか?
確かに重要な要素を含む内容について問う設問だと思いますが,アプローチが少し違うのではないかと言いたくもなります.
受験者の皆さまの心中をお察しいたします.
なお,法律関係につきましては以下をご参照ください.
化学物質排出把握管理促進法 http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/index.html
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO086.html
【社会環境管理】レベル1
U−1−37 環境アセスメントの項目と現況調査又は予測手法に関する組合せとして,最も適切なものを@〜Dの中から選び答えよ。
|
【解答】 3
青本p197 6.4.2環境アセスメントの評価方法
(1)大気汚染:拡散モデルの他に統計的方法や風洞実験、野外実験、さらには類似事例の検討
(2)水質汚濁:定性的評価法並びに水質拡散モデルや水理模型実験
(3)植物への影響
陸上植物:コドラート法
(4)動物への影響
陸上動物:
哺乳類:フィールドサイン調査,トラップ法
鳥類:ラインセンサス法,ポイントセンサス法,テリトリーマッピング法
やっと青本どおりの単純なサービス問題に出合いました.
こういうのが連続すると受験者も楽なのですが,青本も改訂されないままになっていて,青本ベースで出題していると受験者のスクリーニングができませんから,やむを得ないのでしょうね.
この問題で出題された範囲は頻出しています.
ですからヤマトは感覚的に記憶しています.
明確に文字で理解している訳ではありませんが,こんな感じだったのではないかなぁ・・
その程度で十分正答を得ることができます.
内容によってその習熟レベルを設定できることを考えて知識を深めるのも総監技術のうちだと理解し,対応をお考え頂ければ良いのではないでしょうか.
【社会環境管理】レベル2
U−1−38 環境会計ガイドライン2005年版(環境省)に関する記述のうち,最も不適切なものを選び答えよ。 @ 環境会計の構成要素は,環境保全コスト,環境保全効果,及び環境保全対策に伴う経済効果である。 A 環境保全効果は環境負荷の発生の防止等に資する取組による効果とし,物量単位で測定する。 B 企業などが事業活動に投入する資源のうち,総エネルギー投入量は,購入した電力や燃料を熱量に換算して用いる。 C 環境保全対策に伴う経済効果が環境保全コストを上回ることが必要である。 D 環境会計情報の内部管理への利用として,経済産業省の発行する環境管理会計手法ワークブックなどで提案されている環境管理会計手法の活用も重要である。 |
【解答】 4
@○青本p208「このガイドラインで取り扱う環境会計では、環境保全コスト(貨幣単位)、環境保全効果(物量単位)、及び環境保全対策に伴う経済効果(貨幣単位)を構成要素としている。」と記載されています.
A○青本p208前項参照
B○青本外 事業活動へのインプットである総エネルギーの投入量に関する環境保全効果は、(J:熱量単位のジュール)を用いて測定することができるとしています.
C×青本外 環境保全コストと経済効果の差額を損益として表示し、黒字であるとか赤字であるとか論議することは意味がないと言い切っています.(「Q&A編」をご参照ください.)
D○青本p208「一方で内部管理の側面においては、企業などが環境保全に取り組んでいくにあたって、合理的な意思決定を行うために利用できる。すなわち、自らの環境保全に関する投資額や費用額を正確に認識・測定して集計・分析を行い、その投資や費用に対する効果を知ることにより、取り組みの一層の効率化を図ることが可能になる。・・・一方、経済産業省が発行している環境管理会計手法ワークブックでは、企業などが環境に配慮した経営の意思決定をする際に使用可能な具体的手法を提案しており、環境配慮型設備投資のマネジメント、環境配慮型原価管理システム、マテリアルフローコスト会計、ライフサイクルコスティングなどの手法や事例が紹介されている。」と記載されていて,設問文のとおりです.
環境会計ガイドラインについては青本であまり字数を割いていません.
最後に付け足されたような感じにしか思えない内容です.
ところが,この設問では細かい部分にまで内容が及んでいます.
ですから,いくら青本を読み込んでいても,必ず正答を得ることができるとは言い切れません.
したがって,この設問は消去法で絞り込みを行い,不確かな部分はエイッ!とばかりに答えを導き出すしか方法がありません.
なお,関連資料については以下をご参照ください.
環境会計ガイドライン2005 年版 http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=6396&hou_id=5722
Q&A編 http://www.env.go.jp/policy/kaikei/guide03.pdf
事業者の環境パフォーマンス指標ガイドライン(2002年度版) http://www.env.go.jp/policy/report/h15-01/all.pdf
【社会環境管理】レベル1
U−1−39 環境価値を測定する手法に関する(ア)〜(エ)の記述とそれぞれの名称の組合せとして,最も適切なものを@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) キャピタリゼーション仮説に基づいて,非市場財の変化による代理市場(地価など)の価格への影響分をその評価値とする方法である。 (イ) 擬制市場の下で実験的に個人の支払意志額や受け入れ意志額を測定する方法である。 (ウ) 環境を構成する属性を詳細に把握したい場合に有効な方法である。 (エ) 環境サービスへの支払意志額をその環境サービスまでのアクセス費用で代替して測定しようとする方法である。
|
【解答】 5
(ア)青本p194 6.3.5顕示選好型評価(2)ヘドニック価格法
(イ)青本p192 6.3.4表明選好型評価 仮想評価法
(ウ)青本p192 6.3.4表明選好型評価 コンジョイント分析
(エ)青本p194 6.3.5顕示選好型評価(1)トラベルコスト法
これはまったくのサービス問題.
こういった設問はけっして落としたくないですね.
自分にとって正答を得るのが難しい問題は,他の誰にでも難しいものです.
そういった正答率の低い問題に時間をかけるのではなく,落としてはならない問題を確実にゲットしていく.
この方が戦略としては確実です.
数問,頭をひねるような問題が続きましたから,こういった問題に出合うと一息つけます.
【社会環境管理】レベル1
U−1−40 LCA(ライフサイクル・アセスメント)に関する(ア)〜(オ)の記述のうち,不適切なものの数を@〜Dの中から選び答えよ。 (ア) ライフサイクルの段階は,一般に@)資源採取,A)素材・部品製造,B)製品製造,C)流通,D)販売・購入,E)使用,F)廃棄・リサイクルの7段階がある。 (イ) ISO及びJISによる標準化では,LCAは,@)目的と調査範囲の設定,A)インベントリ分析,B)影響評価,C)結果の解釈の4要素に大別することができる。 (ウ) LCAにおける目的の設定において,LCA実施の背景や理由,報告対象者,LCA結果の用途,などについて記述する。 (エ) LCAで対象とする環境負荷としては二酸化炭素だけでなく,その他の様々な環境負荷物質や消費資源・エネルギーを対象とすることも可能である。 (オ) ライフサイクル・インベントリ分析では,各段階やサブシステムにおける環境負荷を定性的に把握・整理して表示する。 @ 0 A 1 B 2 C 3 D 4 |
【解答】 2
(ア)○青本p200「一般にライフサイクルの段階としては、@資源採取、A素材・部品製造、B製品製造、C流通、D販売・購入、E使用、F廃棄・リサイクルの7段階がある。」と記載されています.
(イ)○青本p200「ISO及びJISによる標準化では、ライフサイクル・アセスメントは大きく分けると四つの要素から構成されている。第一は調査範囲の設定、第二はインベントリ分析、第三は影響評価、そして第四は結果の解釈である。」と記載されています.
(ウ)○青本p201「通常、LCAにおける目的設定では、@LCA実施の背景や理由、A報告対象者、BLCA結果の用途、などの項目を記述する。」と記載されています.
(エ)○青本p201(3)対象とする環境負荷資源「最も多い対象はCO2であるが、あらゆる環境負荷物質や消費資源・エネルギーを対象とすることが可能である。」と記載されています.
(オ)×青本p202「LCIでは、各段階やサブシステムにおける環境負荷を定量的に把握・整理して表示する。」と記載されています.
なんだか最後の最後まで重箱の隅をつつくような問題でしたね.
しかし,LCA関連の問題はこれまでにもことある毎に出題されてきた範囲ですから,この程度では驚くに値しません.
2年も青本から遠ざかっていたヤマトでさえ正答を得ることができましたから.
LCAについては,体系的に図化して記憶流域への定着を図ることをお薦めします.
と言いながら・・・
ヤマトは頭の中に体系図を作成していたため,大半の情報を喪失してしまいましたけど.
あはは
【後記】
ひととおりH22の総監択一問題にチャレンジしてみた感想は,比較的得点を稼ぎやすかったのではないかということです.
繰り返し書きましたが,2年間も青本に目を通していなかった割には,出来は良かった方だと思います.
7割をゲットできましたから.
但し,これ以上を目指そうとすると,飛躍的に投入時間が増大してしまうことになると思います.
なぜなら,総監の択一試験と筆記試験,どちらに軸足を置くべきかと言えば,明らかに筆記試験だからです.
択一試験で高得点を稼ぎ出しても,それだけで総監の何たるかを理解したことにならないのは間違いありません.
しかし,筆記試験で総監のエッセンスを盛り込んだ論文を書くためには,択一問題で登場してくるキーワードを配置せざるを得ません.
つまり,主は論文試験であるけれど,択一試験に要求されるスキルも従属的に必要になる.
こういう理解が望ましいのではないかと思っています.
H22の択一試験における解説では,知らないことも多く存在しましたから,ネットで随分と検索をしてみました.
しかし,法律の条文に照らしてみようとすると,条文全体を読まなければならなくなりますから,そうした手間は省略させていただきました.
したがって,間違った解釈をしている箇所があるかもしれません.
その節には,もしもよろしければ,ご連絡を頂くことができればヤマトも勉強になります.
長い時間,おつき合いくださってありがとございました.
この『詳解?H22総監・択一問題』が,H23以降に総監を目指される方々の一助につながるならば幸いです.
是非とも総監を取得していただき,明日の社会に役立てて頂けることを心から願っています.