意見¤はじめに
第部 問題発見力が問われる
第1章 問題発見力が問題解決のクオリティを決定する
1.筋の良い解決策は的確な問題設定から
1-1 問題とは「あるべき姿」と「現状」の「ギャップ」である
●問題(ギャップ)=あるべき姿−現状
●ハーバートA.サイモン(ノーベル経済学賞)『意思決定の科学』(1979)
・問題解決は、目標の設定、現状と目標(あるべき姿)との差異(ギャップ)の発見、それら特定の差異を減少させるために、適当な記憶の中にある、もしくは探索による、ある道具又は過程の適用という形で進行する。
●到達可能な「あるべき姿」と「現状」にギャップがあるから「問題」が存在する
●「あるべき姿」が見えないために問題を発見できない
●問題は立場によって大きく変化する
●問題発見の最初のステージが重要である
1-2 問題が明確になれば、解決策の精度は大幅に向上する
●的を得た問題設定 ð 解決策の方向性、クオリティ
●ビジネス・リーダーの重要スキル=将来直面し積極的に取り組むべき新たな問題設定能力
●『Know-How』から『Know-Why』へ
・Know-Howは過去形のスキル
2.問題発見ができない4つの理由
@問題を定義する前提の「あるべき姿」を明確化が困難
A「現状」の認識・分析力が低く、正確な把握が困難
B「ギャップ」構造を解明し、問題の本質の具体化・優先順位づけが困難
C実行可能な「解決策」から逆順で短絡的な問題アプローチにより拡がりを喪失
2-1 問題を定義する前提となる「あるべき姿」を、的確に描けない
●ビジョン構想力・目標設定力が欠如し、「あるべき姿」をイメージできない
・あるべき姿=ビジョン、目標
・ビジョン、目標が× ð ギャップ認識不能 ð 問題が見えない ð 問題顕在化 ð 受動的事後処理対応 ð 問題の先送り
ex.バブル崩壊よる飛島建設、熊谷組、ハザマ等ゼネコンの債権放棄
ex.目標・ビジョンの無い転職
ex.目標・ビジョンの無い受験
ex.ビジョン・戦略を持たないマツダのリストラ
●パラダイム変化の認識力が欠如し、「あるべき姿」が間違っている
・「あるべき姿」はパラダイムの変化に従って変化する
・パラダイム=問題の前提となる構造・枠組み
・問題はパラダイムの変化に合わせて設定し直す
・時間軸で自らと環境との相対関係を冷静に分析
・成功の復讐=思考停止 ð パラダイム変化を無視 ð 過去の「あるべき姿」の継続
ex.勝者のジレンマ ï 強すぎる企業
ex.ミッドライフ・クライシス・・・急成長 ð 低迷
ex.ダイエーとイトーヨーカ堂
2-2 「現状」の認識・分析力が低く、正確な把握ができていない
●Will:「現状」を直視する問題意識の欠如
・「現状」の正確な把握 ð 問題解決意思
・「現状」直視の意識(Will)欠如 ð 問題の正確な把握不能
・「あるべき姿」が強い ð 「現状」直視不可能 ð 「将来の自分」直視不可能
ex.雪印乳業の食中毒事件 ï HACCP(危害分析重要管理点)の過信
ex.三菱自動車の欠陥車リコール隠し ï 三菱ブランド&販売日程優先
ex.糖尿病・・・3大生活習慣病(高脂血症,高血圧) ð +肥満 ð 死の4重奏 ð 将来の問題に理解が不足する ð 放置
●なぜ「現状」を直視しないのか
・問題の隠蔽 ï 問題は認識but意図的に解決しない ï 「あるべき姿」が強すぎる
・当事者は明確と思っていても、客観的には「現状」認識が曖昧な場合 ï ありえないとの思いこみ
・「あるべき姿」はあるが、「現状」を把握せず、問題回避=問題の先送り ï 「あるべき姿」の曖昧性、ビジョン構想力の欠如
・本質的な問題からの回避 ï 問題回避志向 ï 現状維持志向
●Skill:「現状」を把握する分析スキルの欠如
・「現状」のマニュアルへの当てはめ ï 処理発想
ex.車庫入れの苦手な奥さんの小型車購入 ð 路面の段差で車輌大破&むち打ち症
・「現状」分析の暇を与えない ï 目先の成果優先
●WillとSkillは相互補完関係 ï ゼロベースで「現状」把握
2-3 「ギャップ」の構造を解明して、問題の本質を具体化・優先順位づけすることができない
●問題の捉え方:表面的 ð 問題解決の具体的ステップへの進展困難
●問題解決の具体的ステップへの進展:ギャップ原因 ð 優先順位づけ不可能 ð 解決策が散漫
●問題のギャップが曖昧なまま解決を試みるケース×
・問題解決の妥当性が十分評価されない
・具体的な解決策ほど問題と解決策の関連性が議論されず実行される
・問題の本質 ð 具体化 ð 真の解決策
・混ざり合った問題 ð マクロ的視点 ð 問題の本質 ð 把握困難
・混ざり合った問題 ð バラツキ・分布の歪み ð 無視 ð 平均値把握 ð 問題の本質 ð 把握困難
ex.総額7,000億円の地域振興券
・目に見えるギャップの解決 ð 真の解決にはならない
・根深い問題 ð 洗い出し ð 検討 ð 解決策 ð 実行 ï 長時間を要する ð 我慢
●問題原因の多様性 ð 優先順位づけ ð 困難 ð すべての解決を図る×
・モグラ叩きゲーム
・大組織に多い ð 問題把握が部門によってバラつく ð 収拾不能
・解決しない問題への挑戦 ð 新たな問題の発生&新たなチャンスの喪失
・問題解決が困難 ï 問題の捉え方の間違い
・問題解決が困難 ï 取り組むべき問題の優先順位づけが不定
・「拡がり」「深さ」で問題の深堀り ð 優先順位の重みづけ
2-4 実行可能な「解決策」から逆順で短絡的に問題をとらえるために、拡がりを見失う
●問題の逼迫 ð 実行可能な解決策 ð 優先 ð 問題本質のアプローチ ð 回避
●仮説思考・・・時点結論でアクションを起こすこと
・限定時間、限定情報 ð 結論 ð 実行 ð 検証 ð 次のステップ ï スピード重視
・アクションを起こすことが目的ではない
・結論背後の理由とメカニズムの検討が優先
・ベストよりベターを
●解決策優先 ð 思考の枠 ð 狭 ð 手詰まり&大きなモレ
●問題と解決策の分離
・ゼロベース思考
第部 問題発見構想編
第2章 戦略的問題発見の構想力を高める
1.「あるべき姿」を構想する戦略的問題発見力
1-1 オペレーション的問題発見の限界
・的確な問題発見が困難 ï 「現状」を見失う ï 「あるべき姿」の誤り
ï 時代の変化に取り残される 「あるべき姿」=大前提
・オペレーション的問題発見・・・固定された「あるべき姿」と過去の枠組みで捉えた「現状」との差
・オペレーション的問題発見 ð 「あるべき姿」 ð パラダイムシフト困難
ð 「現状」を見る枠組みが過去のまま
●効率性がゼロベースの発想を阻害する
・日本:マニュアル=「あるべき姿」vs「現実」の差=問題
・PDS(Plan-Do-See)マネジメント・サイクル ð 取組課題の常時付与 ð オペレーションの効率性
・定常反復型、過去・経験値上での問題発見法
・問題の根本性を問うサイクルが欠落 ð 大胆な方向転換 ð 困難
ð ツボにはまれば ð 効率化
・PDS ð 過度な効率性追求 ð 「あるべき姿」をゼロベースで捉えることを阻害
・オペレーション的問題発見 ð 実行継続性向上 ï 重要
・オペレーション的問題発見 ð 革新的発想は困難 ð 新素材・新技術・新方式の発想困難
・オペレーション的問題発見 ð ブレークスルー困難
・分業型大量生産ライン ð 少量多品種生産 ð ラインの迅速な切替え
・人件費1/25の中国製品とのコスト競争 ð オペレーション的問題解決 ð 根本改善 ð 困難
ex.携帯電話 ð ライン製造 ð 商品改良スピードのアップ ð 生産スピードが追いつかない
オペレーション的問題解決 ð 商品改良スピード>生産スピードð 生産量減少or短期間での生産方式
コンサルタント ð ゼロベース問題発見 ð ライン製造の問題 ð ひとり屋台方式
●「あるべき姿」がすでに過去のものになってしまった
・オペレーション的問題発見 ð 「あるべき姿」がクリア ð 現場指針として優秀 ð オペレーション・マニュアル
・「あるべき姿」 ð 間違っている場合 ð オペレーション的問題発見 ð 限界的 ð 頻発
・経済の安定成長 ð アメリカが「あるべき姿」 ð ベンチマーク ð 競合同士のベスト・プラクティスの模倣 ð 護送船団的環境 ð オペレーション的問題発見 ð No Problem
・バブル崩壊 ð オペレーション的問題発見 ð 限界
・オペレーション的問題発見 ð (戦略計画) ð 戦略構想プロセス ð 企業淘汰
・新たな「あるべき姿」 ó 過去の「あるべき姿」 ð 解決困難
・オペレーション的問題発見 ð 沈下業界 ð 金融業界、建設不動産業界、百貨店業界、鉄鋼業界
・企業の明暗 ð トヨタ、ホンダó三菱自動車、マツダ,イトーヨーカ堂óダイエー
・失われた10年 ó 新たな「あるべき姿」を考えずに流された10年
1-2 ゼロベースから「あるべき姿」を構想する戦略的問題発見
●「あるべき姿」と「問題」は切り離すことはできない
・「あるべき姿」 ð 目標・枠組み ð 問題把握が困難
・先入観 ð 「あるべき姿」 ð 歪む ð 問題も歪む
・(間違った問題解決論) ð 前提条件としての「あるべき姿」 ð 「あるべき姿」と「問題」が切り離される ð オペレーション的問題発見 ð 「あるべき姿」の議論が欠落
●「あるべき姿」を自ら構想する時代
・問題=「あるべき姿」−「現状」=ギャップ
・「あるべき姿」 ð 定まっていない ð 問題発見作業 ð 難 ð スキル&マインド・セット ð 高
・「あるべき姿」をゼロベースで構想
●「オペレーション的問題発見」と「戦略的問題発見」
・所与の場合の問題発見 ð オペレーション的問題発見
・「あるべき姿」の構想 ð 戦略的問題発見
●戦略的問題発見の構想力は、ビジネス・リーダーの条件
・オペレーション的問題発見と戦略的問題発見の大きな違いに気づいていない
・オペレーション的問題発見 ð 既存の枠組み内,与えられた役割・ミッションがベース
・戦略的問題発見 ð 枠組み自体の創造
・戦略的問題発見 ð パースペクティブ ð 拡大
・戦略的問題発見 ð 視点の変化 ï 誰の問題か?
・戦略的問題発見 ð 時間軸を変化
・オペレーション的問題発見能力 ≠ 戦略的問題発見能力
1-3 戦略的問題発見に必要な4つのスキル
●観察力・・・事実を基に、現状を客観的かつ正確に認識・把握する能力
●判断力・・・ミッションの責任当事者として主観も含めて選択・判断・決定する能力
●分解力・・・具体的レベルにまで論理的に分解・分析する能力
●統合力・・・限られた現状認識・把握から全体像を組み立て、構造化・構想する能力
・観察力 ó 判断力
・分解力 ó 統合力
・構想力・発想力 ï 主観・意思
・オペレーション的問題発見 ï 観察力・分解力
・戦略的問題発見 ï 4つの総合力
2.あるべき姿を構想する戦略的「問題発見の4P」
●子供の頃に描く「あるべき姿」は、希望にあふれ実現可能
・子供の夢 ð 実現可能 ï 「あるべき姿」と「現状」のギャップ≒ゼロ
・子供の「あるべき姿」 ï 目標との出会い
・大人の「あるべき姿」 ï 現実から離れない解決策思考 ï 目指しても無理なことを自然に排除 ð ゼロベース思考 ð 困難
●客観性と論理性を土台にし、主観と感性をコアに「あるべき姿」を構想する
・「あるべき姿」の構想 ð 効率的&効果的企業活動 ð 客観性&論理性
・客観性&論理性=(土台) + 主観性&感性=(コア) ð 「あるべき姿」の明確化
・客観性&論理性 ï 観察力&分解力
・主観性&感性 ï 判断力&統合力
●問題発見の主語の視点によって「あるべき姿」は大きく異なる
・問題発見の主語=人間
・主語の視点 ð 「あるべき姿」&問題の捉え方 ð 大きく変化
●「あるべき姿」を構想し、問題を発見するための4つのP
・Purpose(目的軸)
・Position(立場軸)
・Perspective(空間軸)
・Period(時間軸)
ビジネス上の目標設定の大前提となるもの。 企業レベルでは経営理念そのものであり、直面する個別の問題レベルであれば「何のために行うのか?」という方向を定める目的そのものである。
|
問題解決の全体集合を捉える空間的視界の拡がり。 枠組みの拡がりの捉え方や切り口の角度によって、 問題が大きく変化する。 |
|||
ビジネスには常に上下関係や利害関係など の立場が交錯するため、問題を捉える時の 視点をどこに置くのかによって問題の捉え 方が大きく変わる。 |
問題を時間軸上のどの地点・時期で捉える のかによって問題解決は変化する。 過去・現在・未来、そして未来といっても、 近い未来なのか、遠い未来なのか。 また、期間の長さの捉え方によっても問題が変化する。 |
・Purpose&Position ð 主観 ð 問題 ð 固有性
2-1 Purpose:そもそも「何のために」大前提の「目的軸」をとらえ直す
■目的・・・(広辞林)実現し、または到達しようと目指す物事、目標
■目的・・・(新明解国語辞典)行動する目標として考えられた、そうしたい何事か
■Purpose・・・(ランダムハウス英和大辞典)@目的、用途、A意図、ねらい、趣旨、目的、目標
■目的 ð 何のために
●いつの間にか「目的」が忘れられてしまう
自己目的化 目的喪失
・行動・活動の定常化
・同一反復化
●本来の「目的」を見失うと、間違った問題発見・解決をしてしまう
・「目的」の忘却 ð 自己目的化 ð 狭い領域の問題発見
●顧客の「目的」を深く考えることが、顧客ニーズの理解につながる
解決不能
・「目的」が不明
・手段の目的化
●「目的」をよく考えると、別な解決策が見えてくる
・「目的」の固定化 ð 問題のスコープ ð 狭小 ð 「目的」の喪失
●数値目標の「目的」としての限界
・ホッケー・スティック型計画・・・達成不可能な意味のない計画
・目標=目的の下位概念
●目的意識・意図を持つ:目線を上げて発想を現状の範囲から拡げる
・目的=そもそも何のために? ð 視点を上げる
・目的の意識=俯瞰 ð 視界の拡大
・「あるべき姿」の構想に最も重要なのが「目的」
●目的が見えない場合は、「そもそも何のために?」をどこまでも問い続ける
・目的からゴールを設定する
2-2 Position:いったい「誰にとって」の問題なのか「立場軸」を明らかにする
■Position・・・(ランダムハウス英和大辞典)@場所、位置、A情勢、立場、B地位、身分
■Position・・・どの位置から事象を見ているかという場所、立場
■Position・・・役職、目線
■立場・・・(新明解国語辞典)立っている場所、置かれている境遇・地位・役割、行動を支えるものの見方・考え方
●立場軸によって問題は大きく変化する
・立場を考える=誰にとっての問題かを考える
・視点の変化 ð 問題が180゚変化 ð 利害関係発生
●地価の下落はグッドニュースかバッドニュースか?
・地価の下落 ð (不動産所有者)資産価値下落 ð バッドニュース
・地価の下落 ð (不動産非所有者)新規不動産購入者 ð グッドニュース
●顧客の視点を徹底するMKタクシー
・旧来タクシーのポジション・・・自分たちにとって
・MKタクシーのポジション・・・顧客にとって 近距離乗車で嫌な思いをさせない、運転手の態度に気をつける、車を清潔に
●立場を超える:問題を客観的にフェアにとらえるには、今の立場から離れてとらえる
・問題の真相の客観的把握 ï ゼロベースでとらえる ï 立場を離れる
●自分と異なる視点を複数持つ
・問題をとらえるのは人間
・立場を離れて、ゼロベースが困難
・目線を上げる ð 空間スペース拡大
2-3 Perspective:問題を俯瞰する領域の拡がりを押さえる「空間軸」を考える
■Perspective・・・(ランダムハウス英和大辞典)眺め、視野、全体像・大局観、見通し
■Perspective=Scope
●東京から日本を見る石原慎太郎知事のパースペクティブ
・東京から国の政治を変える
・都政を預かり、都民の暮らしを良くする ó 国の中心都市である東京の政治を変えること ð 国の政治を変える
・問題 ð 複雑化 ð 本質が見えにくい ï 視野拡大
●パースペクティブを変えられない道路行政
・全国土面積当たりの高速道路距離 ð 先進国並み
・国土可住面積当たりの高速道路距離 ð 異常に長い
・料金プール制 ð 利用可能性の低い地方高速道路網が発達
・日本道路公団の事業継続 ð 2047年国民負債が44兆円↑
・道路行政4P
(1)Purpose:総延長距離の最大化 ï 公共性・収益性の欠如
(2)Position:政治家、旧建設省・道路公団関係者、土木建設業者 ï 一般住民の視点欠如
(3)Perspective:非可住エリアを含む国土全体の高速道路網
(4)Period:償還起算点の先延ばし ï 料金プール制
・高速道路へのフォーカスが問題 ð 100万kmを超える一般道路の問題が重要
・片道2車線以上の国道=10%
・道路行政のパースペクティブ ð 地域住民の利便性の高い交通ネットワーク ð 高速道路 ð 一般道路
●パースペクティブを変えたファイザー製薬のバイアグラ開発
・心臓治療薬 ð バイアグラ開発 ð 勃起不全治療に効果 ð 対象疾病変更 ï パースペクティブ変更
●どこまでパースペクティブを拡げるのか
・パースペクティブ不明確 ð 解決策優先
・パースペクティブ不明確 ð 現実離れ
・視野の拡大 ≠ パースペクティブの拡大
●視界のスペースを拡げる・変える:とらえる空間の広さや切り口を柔軟に変える
・問題のモレ・バイアス防止 ð 発想・構想空間の拡大 ð 枠組みの柔軟な変更
・パースペクティブ拡大 ð 思考空間を広く切り取る
・拡大空間での思考を狭小空間でとらえ直す ï 漠然把握からの脱却
・枠組みの柔軟化
●「目的」の抽象度や視点を上げてみる
・思考空間の拡大 ð 「目的」の抽象度向上、視点の高度化
・思考空間の枠取りを変える
・フレームの枠取り ï 「目的」変更
・思考空間の拡大 ï 全体構想の発想力 ó 細分化発想・分解発想はNG
2-4 Period:「どの時点」での問題とするのか「時間軸」を明らかにする
■Period・・・(ランダムハウス英和大辞典)@期間、時期、A段階
■どの「時点」の問題か?、どの「期間」の問題か?
■過去、現在、近い将来、遠い将来 ð 問題は大きく変化する
●問題をとらえる時間軸にズレがあると、問題は解決しない
・総論賛成・各論反対 ï Purposeの違い・Positionの違い・Perspectiveの違い
・Periodの先延ばし ð 問題の急拡大 ð 解決不能
・ハード・クラッシュのリスク覚悟で大ナタ(時間軸=今) ó (時間軸=数年後)問題解決の回避 ð ソフト・ランディング
●ハード・クラッシュ覚悟の伊藤忠のリストラ
・アトラクティブ&パワフル(コンセプト)
・重点事業分野とエリアのフォーカス
●時間軸を独立させる:問題解決のための独立した時間軸を設定してみる
・時間軸を独立 ð 戦略的問題発見に重要 ï 難易度・自由度の制限から時間軸も制約されるが
●時間軸を未来に置いて考える
・近視眼 ð 発想 ð 過去の枠組みにとらわれる ð 問題が不明瞭
・近い未来が最も重要 ï 現在、近い未来、遠い未来
・戦略的問題発見=遠い未来の「あるべき姿」 ð 近い未来と現在を見る
・最も困難でブレの大きいのは、近い将来
3.「問題発見の4P」の相互作用
●「問題発見の4P」は「あるべき姿」を構想すると同時に、現状を分析し問題を浮き彫りにする
・素材なし ð (問題発見の4P) ð 何も得られない
・「現状」分析 ð 「あるべき姿」 ð ギャップ ð 問題の明確化
●「あるべき姿」そのものが的確か、4Pで再チェック
・「あるべき姿」は、4Pで考えることにより的確な目標であるかどうかが分かる
●「問題発見の4P」を通して問題を眺めると、全体像が見えてくる
・問題発見の4P=フレームワーク
・4Pは独立した軸ではなく、相互に関連する
・問題発見の4P ð 有機的・総合的活用 ð 全体像の把握
●生命保険の営業は、顧客の「あるべき姿」と「現状」のギャップを正確に認識すること
・生命保険・・・顧客ニーズが顕在化しにくい
・ニーズ=発見より商品設計=解決策が優先される
・営業マン ð 顧客の4P探索 ð 顧客の問題=ニーズの明確化 ð 商品設計へフィードバック
(1)目的軸(Purpose):保険の目的をどう位置づけるか
・何のための保険?
・35歳男性+妻・小1長男・3歳長女 ð 家族の生活保障
・40歳男性+妻 ð 医療保険,リビングニーズ
・目的によって商品選択肢は変化する
(2)立場軸(Position):誰にとっての保険か
・「目的軸」と重複する部分が多い
・35歳男性 ð 家族にとっての保険
・40歳男性 ð 自分にとっての保険
・誰にとっての保険?
(3)空間軸(Perspective):将来どう生きていくかという人生設計
・40歳男性 ð 生きているうちにお金を受け取れる商品
・50代後半夫婦 ð 子供の独立 ð 終身医療保険
(4)時間軸(Period):保障期間をどうするか
・生命保険 ð 保障期間は重要
・時間軸と支払い保険料は重要な要素
・理想的時間軸 ð 解決ステージ ð 支払い可能コスト ð 時間軸の変更
・4Pの1要素の変更 ð 他の3Pにも影響発生 ð 「あるべき姿」の把握 ð 「現状」とのギャップ ð 解決
●百貨店の売り場は、「あるべき姿」と「現状」が乖離している
・百貨店の4P ð ゼロベース思考
・目先の問題解決 ð 明るい未来はない
●百貨店の「あるべき姿」を4Pで整理する
(1)目的軸(Purpose)
・百貨店・・・社会生活に必要なすべての商品を集めて売る、大資本に基づく小売店(新明解国語辞典)
・百貨店 ó 大型量販店 ð 差別化
・百貨店の目的=厳選された良いモノが取り揃えられ、ステータスのある暮らしを満足させる商品・サービスを提供する店
・顧客の要求=モノ+楽しい「サービス」
・業績評価の目的関数=「売り場効率」 = 大型量販店
・顧客満足度 < 売り場効率
(2)立場軸(Position)
・ワンランク上のライフスタイル志向やシーン
・顧客視点
(3)時間軸(Period)
・顧客満足度の高い継続的関係の維持 ð モノ以外のサービス ð レベル↑
(4)空間軸(Perspective)
・顧客層のセレクト ð 富裕層にフォーカス
・ライフスタイル全体のコーディネート ï グランド・デザイン ó 高級ブランド店のテナント管理不動産業
・パースペクティブ拡大 ð 顧客層セレクト ð 店舗設計→ショールーム
ð マン・トゥ・マン販売
ð 外商的店内販売
●パラダイム・シフトが取組課題を変質させる
・大京(マンション・デベロッパーの最大手)
・破格な報奨金・徹底した成果主義 ð バブル崩壊 ð 多額の不良債権 ð 業績悪化 ð 利益率低下
大京の4P |
従来方針 |
改 善 後 |
Purpose (目的軸) |
契約数の最大化 |
顧客満足度の最優先 住まいとしての「品質・性能」 |
Position (立場軸) |
営業マン>会社>顧客 |
顧客>会社>個人 |
(Perspective 空間軸) |
営業成績 |
顧客の用地仕入れから商品企画・建築・販売に至るすべてのニーズ |
Period (時間軸) |
短期間で図面や基礎工事の段階で営業(青田売り) |
現地物件の品質・性能を十分に確認した上で販売(現場売り) |
|
ò |
ò |
取り組むべき問題 |
生業マンの成績向上 |
顧客満足度の向上 |
・目的軸・立場軸の明確化 ð 空間軸・時間軸大きく変化 ï 4Pの1つor2つのPが変化すれば、他のPに影響を及ぼし全体がシフトする
●企業の「あるべき姿」とは、ビジョンを含む経営理念にある
・経営理念・・・企業固有の新たな価値を創造するため、どのような方向にどのように進むかという意思と行動を示す指針
・経営理念 ð 企業・個人の士気向上 ð 存在の拠り所
・経営理念 ð 短期的環境変化に影響されない ð 経営戦略の根幹 ð 企業行動・倫理の規範
・経営理念=企業固有の価値観
・売上高・利益 ð 投資の原資にすぎない
・企業の目的≠利益
・売上げ・利益≠新たな価値創造の価値基準
・経営理念 ð 基本理念・ビジョン・行動規範
・経営理念=Purpose
・ビジョン=戦略策定のゴール,ドメイン(事業領域)と方向性 ð 「あるべき姿」
・Purpose ð Perspective(事業領域) ð Period(いつの時点で達成するか) ð Position(誰のビジョンか)
・行動規範・・・基本理念に基づく企業ビジョンの達成における実践的判断基準
・経営理念は各行動においてリマインドされるべきもの
・経営理念とは前向きなチャレンジのサポーター
第部 問題発見分析編
●「拡がり」「深さ」「重さ」の視点
・Perspective,Purpose ð 「拡がり」「深さ」
・Position,Period ð 「重さ」
・「あるべき姿」−「現状」=「ギャップ」 ð 「拡がり」「深さ」「重み」 ð 問題の構造化 ð 問題の共有化 ð 解決策 ï 思考のフィードバック ð 構造把握の有効性検証
●「拡がり」の中から、「ギャップ」を生み出す重要原因を見出す
・「拡がり」=スコープ
●「深さ」をとらえ、問題を構造的に把握し、具体化する
・「深さ」=問題の構造化&具体的本質に迫る ð 筋の洞察
・業績・パフォーマンスの評価 ð タイムラグのある数字 ð 問題発見は困難
・数字の意味と原因を科学する
・問題の本質に迫れない ï 頭で考えない ï 情報量の増加・調査体系や情報システムの発達
・「思考と情報のパラドクス」・・・情報量の増加 ð 情報への過度な依存 ð 脳で考えない
●「重み」づけを行い、取り組むべき問題の優先順位をつける
・「重さ」=問題・解決策の評価、フォーカス対象の決断 ð 選択と集中
・「重み」づけ ð 取り組み課題の優先順位
・有限の資源・有限の時間 ð 解決策の実行 ð 効率化・最大インパクト効果
・重要な問題のフォーカス不能 ï 重要でないことの判断不能・廃棄不能 ï 廃棄評価軸の不在・変動
・捨てる ð 小さな機会損失 ð リスク保有困難
・TQC・・・改善の質が重要 ó ×改善の数
第3章 仮説思考と分析力は車の両輪
■「ゼロベース思考」&「仮説思考」 ï 問題解決の重要な基本的思考
・「仮説思考」・・・常に結論をもってアクションを起こす ó 「状況説明思考」・・・自らの結論をもたず、状況や事実の説明に終始する
・「仮説思考」 ð 状況の構造的把握 ð 次のアクション ð 結論に結びつける
・「仮説思考」の基本 ð So What?とWhy?のサイクル ð 問題構造の明確化 ð 解決の道筋
・「仮説思考」 ð 「問題」の本質の検証・分析
・So What?(だからどうした?) ð 意味合いを考えて問題抽出
・Why?(なぜ?) ð 真に問題であるかどうかを再検証
●分析にあたってのチャート化のこつ
(1)2次元でとらえる・・・X軸,Y軸の意味を考える
(2)分析から導かれる意味合いを引き出す・・・So What?を考え抜く
(3)定量分析と定性分析を使い分ける・・・問題の構造やメカニズムを解明する
1.2次元でとらえる
◎X軸・Y軸の意味をよく考える
●パイチャート(円グラフ)・・・軸1本 ð 時系列変化が見えない ï 1本の棒グラフと同じ
●時系列把握 ð 棒グラフがbetter
●ソフトウェアに依存してはダメ ð グラフ作成が目的ではない ð 切れ味が大切
●意味合いの読めないチャート ð 誰も評価しない
2.分析から導かれる意味合いを必ず引き出す
◎So What?(だからどうした?)を考え抜く
●意味合い=So What? ð 仮説を作る
●仮説作り&切れ味の良い分析 ð 車の両輪
●仮説−検証のサイクル:仮説(結論) ð Why? ð Fact ð So What? ð 仮説(結論)
3.定量分析と定性分析を使い分ける
◎問題の構造やメカニズムを解明する
●定量分析 ð ベストではない
●デプス・インタビュー、グループ・インタビュー ð 仮説作成に有効
●定量化可能な場合は定量化 ð 実態とのズレがクローズアップ
●数字 ð 1つの結果 ð 問題の本質は読み取れない
●問題の洞察と仮説構築 ð 定性分析と調査が不可欠
●仮説構築のインタビューは自ら実施
●定量的数字の背景 ð 構造・メカニズムの洞察 ð 定性的分析アプローチが不可欠
第4章 「拡がり」の中からギャップを生む重要原因を見出す
●「拡がり」を押さえる ð 枠の大きさ、切り口の設定 ð スコープ ð 第1ステップ
●ザックリと当たりをつける
1.MECE
◎問題の拡がりを押さえるための基本
●何が分かるのか ð モレなく、ダブリなく
・MECE=Mutually Exclusive Collectively Exhaustive
・モレ ð 機会損失
・ダブリ ð 資源の浪費
●分析のタイプ
(1)全体の枠組みの取り方が、問題の拡がりを規定する
・「拡がり」の押さえ方 ð 取組課題が変化する
・ビール+発泡酒 ð キリンビール
・発泡酒を除く真のビール ð アサヒビール ð
・チュウハイまで同一カテゴリーの企業
・真のビール ð +発泡酒 ð +缶チュウハイ、炭酸系低アルコール飲料 ï 新嗜好性、グループニーズへの対応
・枠組みに拘る ð 外側のポテンシャル・ターゲットを見逃す
(2)モレ:気がつきにくいからモレるが、大モレがあると機会損失を招く
・モレに気がつかない ï 習慣がない
・モレの最小化 ð 人に尋ねる
・宅配市場 ð 時間指定サービス ð コンビニ・駅の留置サービス、宅配ボックス
(3)ダブリ:+/−の両面がミラー・イメージとして共存する
・土俵のダブリ
・ダブリ ð プラス・マイナス両面
・マイナス面 ð 資源の非効率、受け手の混乱
・プラス面 ð 領域と競争力の強化
・マイナス面とプラス面は同時発生
・フォーカス ð マイナス面 ð 問題解決 ð プラス面の喪失 ð 問題未解決
●巨人軍のクリーンアップのダブリの功罪
・大勢の4番打者 ð (−)資源の非効率(コスト負担)、受け手の混乱(誰をクリーンアップにするのか)
・大勢の4番打者 ð (+)代替選手の増加、競争性の向上
・ミラー・イメージ ð マイナス面の解決 ð プラス面の消失
●ダブリの問題をとらえるための分析ステップ
(ステップ1)+/−のファクターを明確にする
・プラス・ファクター ð @領域の強化になっているか、A競争力のアップになっているか
・マイナス・ファクター ð @資源の非効率になっていないか、A受け手の混乱はないか
・ゼロベースで具体的に分析
(ステップ2)全体としてマイナス・ファクターが大きければ、解決策の具体案を考える
・位置づけを明確にしてダブリを抹消
・すべて結合
・システム的に解決
(ステップ3)現状と解決策の具体案を比較し、結論を出す
・ステップ2の解決の具体案と現状の比較 ð betterの判断
・マイナスとプラスのミラー・イメージに注意
・ゼロベースでPositionとPerspectiveを克服
●分析の応用
・MECE ð 客観的観察 ð 基本的集合概念
・最後までMECEに拘る必要はない ï 考えるプロセスでMECEは使用すべき
・意図的なダブリは戦略 ð プラス面の最大化・マイナス面の無視
・MECE ð フレームワークの基本
2.トレンド分析
◎時間軸の拡がりから、構造変化をとらえるキッカケをつかむ
●何が分かるのか
・トレンド分析 ð 過去からの長期トレンド ð グラフの傾き・際だった変曲点 ð 構造変化把握 ï 分析の基本形 ð 枠組みの拡がり把握
・目的 ð 背後の理由・メカニズム ð 問題発見・解決の仮説を発見
●分析のタイプ
(1)グラフのパターン
・折れ線グラフ ï 基本形
・4パターン・・・ 実数表示
重ね合わせ ï トータルの売上が重要
パーセンテージ ï シェア比較 ð 競合との相対的パワー差確認
指数化 ï 価格マネジメント ï 商品群毎の価格と物価変動のリンク推移
・グラフにすることが目的ではない ð 言いたいことを明確化
・X軸Y軸の項目に注意 ï グラフ化の目的、分析の目的、表現意図
(2)分析のポイント
@)グラフの傾き(成長率)を見る
・グラフの無機と傾き ð 成長率の数値把握 ï 目盛りの取り方の影響大
・CAGR(Compound Annual Growth Rate)年間成長率を複利計算
A)変曲点を見る
・際だった変曲点 ð So Why?
・変曲点 ð 構造変化の示唆
B)面積で見る
・面積変化 ð 比較対象との差を読み取る
●分析の応用
・「あるべき姿」のイメージが重要
3.+/−差異分析
◎ギャップを生み出す+/−の変化・発生要因を特定する
●何が分かるのか
・要素のギャップ発生原因解明
・現在と過去のパフォーマンス比較や競合とのパフォーマンス比較だけでは問題が不明確
・ギャップには+と−両方がある。 ï MECEで要因分析
●分析のタイプ
時系列の2地点でのギャップ発生の+/−変化要因分析
・期間における変化要因分析
競合他社や業界平均とのギャップ発生の+/−差異要因分析
・ベンチマーキング・・・自社と競合他社、業界トップ企業や業界平均とのパフォーマンス・ギャップなどの比較
・原因仮説の策定が重要
・比較上の注意点 ð 同一基準、同一前提条件
●分析の応用
(1)オペレーション・プロセス
・ベスト・プラクティスとの比較・・・X軸にオペレーション・フロー、Y軸に対象指標
・オペレーション上のリスク・マネジメントが要求される製品・サービスの問題点把握
(2)稼働分析
・活動に対する実績時間の把握
・既存製品・新製品開発 ð 顧客への直接アプローチが重要
・自社比較 ð 過去と現在の比較
・対他社比較 ð 過去or現在の同時期基準比較
・インパクト・シミュレーションへの応用 ð 現在を起点、前提条件に基づく変化予測
4.集中・分散分析
◎ズレとバラつきからマネジメントのコントロール力をチェックする
●何が分かるのか
・ギャップ → ナシ ð 目標適合、規則的結果
アリ ð 目標から外れた「集中=ズレ」「分散=バラツキ」
・組織活動 ð 同じベクトルに向かうべき ï ビジョン・戦略の共有化
↑理想 ï 個別施策・背景の共有化
ï 社員全員に伝達・共有・理解
・現実は? ð 必要な情報が伝わらない。
階層間の伝言ゲーム・マネージャーの思いの付加による情報の歪み
実行者の個人的判断が付加される。
・施策理解・実行レベル ð ズレ・バラツキ ð 全体ベクトルの混乱 ð 成果未達成
・経営管理=マネジメント・・・規則性・標準化
●分析のタイプ
・マネジメント事象について、相関関係の項目をX軸Y軸に選定し散布図を作成する。
分散=バラツキの把握
・判断基準の欠如 ð 実行者の判断はバラつく
集中=ズレの発見
・ルール・施策設計の不適切 ð 結果にズレ発生
・上記の見直しがタイムリーでない、手遅れ ð 目標からのズレ発生
・ズレの分析 ð 散布図に目標を補助線として追加
◎「レベルの標準化」が目的
・X軸Y軸の相関関係 ð 即、標準化は困難
・マネジメント・・・ ○「質的レベルの標準化」
×「形式的数字の画一化」
●分析の応用
(1)ベンチマーキング
・業界中のポジション分析
(2)セグメンテーション
・バラツキの中の複数の集中 ï 固有の特徴・属性 ð セグメント
・セグメント=クラスター(統計学) ð プロフィールの特定と考察
5.付加価値分析(コスト分析)
◎顧客の視点からコストを正当化できるか
●何が分かるのか
・付加価値・・・経済活動により生み出される価値 ð 企業側の利益を含むトータルコスト
・付加価値分析・・・企業の経済活動におけるプロセス発生コストの分析的把握
・GDP・・・経済活動のマクロ指標 ï 1国内の付加価値総額
・顧客訴求力・・・製品・サービスの顧客満足レベル
・訴求力(顧客満足度)=顧客にとっての価値(バリュー)−顧客にとってのコスト(付加価値)
・付加価値分析 ð ×コスト管理ツール
無駄なコストの削減 ï 顧客バリューの視点
戦略的是非判断 ï 訴求力向上
●分析のタイプ
・ビジネスシステム・・・付加価値の流れを時間軸でMECEに捉える。(マッキンゼー社)
@)固有のビジネスシステムの記述
A)段階毎のコストの積み上げ
B)自社利益の足し込み
C)顧客にとってのコスト=価格 ð OK
・第1ステップ・・・ どこにコストがかかっているか
顧客にとってのバリューを生み出しているか
付加価値の高い部分を自社の経済活動として取り込めているか
・競合他社とのコスト構造比較 ï 必要
・意味の発見
(1)コスト競争(コストダウン→訴求力向上)
・コスト ð 顧客から見て重要ではない
競争上強みのない分野への投資は無意味
・無駄なコストの削減 ð コストの再配分・活用 ï バリューの向上
(2)価値創造(コストアップ→価値向上)
・アウトソーシング ð (コスト面)有効な方法
(バリュー面)委託先のマネジメントが重要
・重要な価値部分のアウトソース ð 品質の著しい低下
コア・コンピタンス喪失
訴求力喪失
●分析の応用
・GDPは国民の価値(バリュー)と等しいか?
・(米国)’50〜’90GNPは年率2%成長、バリュー成長率は0.7%
→ 特に’80のバリュー成長はマイナス ð バリュー・ベースは頭打ちの米国経済
・日本も同様な傾向
6.CS/CE分析(バリュー分析)
◎顧客にとって現在そして将来の価値を高める
●何が分かるのか
・CS(Customer Satisfaction)・・・(製品・サービス利用後の)実感としての顧客満足度
・CE(Customer Expectation)・・・(製品・サービスを購入・利用前に持つ)顧客の期待値
・CS≧CE ð OK
・CS<CE ð NG
◎CS/CEとKBFの関係
・KBF(Key Buying Factors)・・・顧客の購買要因
・KBFに沿ってCS/CE分析を行う必要がある。
・KBFをモレ無く抽出 ð ビジネスシステムに落とし込む ð 要改善項目の重み付け
●分析のタイプ
・自社評価とベンチマーキング
(1)自社製品・サービスそのものを評価
・CS/CEをマトリックスに ð 重要分野を抽出
・CEが高いのに、CSが低い項目は大至急改善が要求される項目である。
(2)自社のパフォーマンスをベンチマーキング
・顧客視点からの競合他社との相対的ポジショニングを知る。
・経年調査と時系列比較
(3)自社社員の意識調査
・年功序列 ð 能力本意のキャリア選択 ð 転職
・ハイパフォーマー(CE:高,CS:高) ð 視点が外へ ð ターンオーバー(離職率)増大
・CE:高,CS:低(キャリアビルド) ð ターンオーバー予備軍 ï 「ここにいても自分は成長できない」
・CE:低,CS:高(要注意) ð 生産性に寄与せず、コストだけかかる社員 ï 「居心地が良いからいる」
・CE:高,CS:高(ハイパフォーマー) ð 組織にとって有用な社員
|
要注意 「高コスト」社員となる おそれのある層。 |
ハイパフォーマー 会社と共に成長 していける人材。 CSを適度に維持している。 |
再定義 会社側・社員共に 目指すものを 再定義する必要がある。 |
キャリアビルド より高いレベルの チャレンジを求めて 転職への期待が高い社員。 |
|
|
|
|
●分析の応用
・株価の形成 ð キャッシュフロー
・投資家の視線 ð 将来生み出すであろうキャッシュフローに対する期待値
第5章 「深さ」をとらえ、問題を構造的に把握し、具体化する
●問題の「拡がり」を押さえる ð 問題の根本を探る
●表面化した数字の本質 ð 分析の「深さ」が必要
●「深さ」を押さえる = 事象の構造を論理的に押さえる
●クリティカル・マス = 損益分岐点
●論理の徹底 ð 筋を考え、筋を通し、筋を徹底する。
1.ロジック
◎深さを追求する論理の基本回路により、因果関係を掌握する
●何がわかるのか
・ロジック ð 構造化 ð 問題の深掘 = 「なぜ?」の繰り返し
・×「なぜ?」 ð 「すると?」に逆転
・ロジックによる予測 ð 「なぜ成功したか」「なぜ失敗したか」を再現可能 ð 学習可能
●分析のタイプ
・風が吹けば桶屋が儲かる。
0.5 ×0.01×0.001×0.05 ×1.0 × 1.0 × 1.0 × 0.1 × 0.5 ×1.0
=
・ロジックの筋は良いか?
・複雑環境下で筋の良い因果関係を見極める目が重要
ビジネスのロジックは、時代の中で変化する
・ビジネスの因果関係は時代環境と共に変化する
・ビジネス上のロジック変化 ï 技術革新、消費者ニーズ、規制の強化・緩和
・ビジネスの筋を見抜く論理回路の構築・鍛錬
●分析の応用
ベスト・プラクティスとベンチマーキングは「演繹法」と「帰納法」の組合せ
・演繹法の三段論法=アリストテレスの三段論法
・三段論法の仮説 ð 一般的構造:大前提 ð 固有の構造:小前提 ð 結論
ex.大前提:人間はいつか死ぬ。 小前提:ヤマトは人間である。 結論:ヤマトはいつか死ぬ。
・帰納法・・・複数の事実から共通性を見出し、ビジネスのメカニズムを推論する。
・過去・経験重視のアプローチのため偏った事実に基づく推論・仮説は結論をミスリードする。
・帰納法は、演繹法の一般的構造(大前提)となる場合が多い。
・演繹法と帰納法の組合せロジック・・・帰納法 ð 一般的構造(大前提) ð 固有の構造(小前提) ð 結論
2.コーザリティ分析
◎悪循環の中から解決すべき真の原因をとらえる
●何がわかるのか
・causality analysis:現象と原因の因果関係を把握し、表面化し悪循環を引き起こしている問題の背景にある根本原因を解明する分析手法
(1)悪循環を構成する因果関係のどこを断ち切るべきかを明らかにすべき
(2)悪循環を引き起こした真の原因は何か。それをどう解決するか
●分析のタイプ
・ビジネス毎に固有のロジックに基づき、客観的な因果関係を明らかにする。
・アプローチ(1):悪循環を特定する方法
・アプローチ(2):良循環をイメージして現状を分析する方法
・アプローチ(1)かアプローチ(2)の選択ではない。 ð 悪循環と良循環の両方の理解が必要
(1)現状分析から悪循環を特定
・具体的原因の解明
・複数の具体的原因と問題の因果関係を矢印で結ぶ。
・因果関係がつながらない場合 ï つなぎ項目の欠落 or 矢印の向きが逆
・上記手順を繰り返す。 ð 因果関係の明確化
・表面化した問題と解決すべき真の原因を整理 ð 真の原因に関する解決の優先順位づけ
・ex.スーパーやコンビニのフッレッシュ・ローテーション型商品の売れ残り ï 無計画な他品種化&精度の低い需要予測
・因果関係を繙くプロセスで「真の原因」追及の手を緩めない。
・解決策の妥協は対症療法となり、時間経過と共に事態の悪化度合いが増大する。
(2)良循環をイメージして現状を分析する
・パフォーマンスがパッとしない ð ベスト・プラクティス(良循環)との比較 ð 相違点把握
・悪循環は良循環の裏返し
・一時しのぎの因果関係切断 ð 良循環へは持ち込めない
・悪循環の論理的整合性チェック ð 言葉の裏返し ð 因果関係の論理性欠如 ð 筋が悪く、誤りのケースが大
●分析の応用
・日本の金融機関・・・護送船団方式
・海外の金融機関参入 ð 多様・有利な金融商品の提案 ð 日本の金融機関が悪循環へ
3.相関分析
◎相関関係からビジネス上の因果関係を推定する
●何が分かるのか
・相関関係・・・一方の変化に呼応して他方も変化する関係
・正の相関・・・一方の変数増加に伴い、他方も増加する場合
・負の相関・・・一方の変数増加に伴い、他方が減少する場合
・相関分析・・・現象に対する原因を仮説に基づき因果関係を検証する。
・Y軸・・・現象,X軸・・・因子,グラフor散布図でプロット
・回帰分析(regression analysis)・・・データ群と相関直線との乖離度
・統計学上ではr≧0.9 ð 相関関係
・経営学上ではr≧0.7 ð 傾向あり
因果関係があれば相関関係は成立する
・因果関係成立3条件
(1)現象と要因の間に相関関係成立
(2)因果順序が論理的で時間的逆転がないこと
(3)現象と要因の間に別な要因が介在する場合、その要因にも(1)(2)の条件が成立すること
・因果関係 ð ○相関関係
・相関関係 ð ×因果関係
・因果関係は問題解決の単なる道具
・インパクトが重要 ð 原因除去により問題の何%が解決可能か
・原因と結果がマクロとミクロに跨るテーマが問題
・マクロの結果は無数のミクロ原因により発生する。
●分析のタイプ
(1)相関分析から、因果関係の強い、感度の高い軸を見つけ出す
・仮説思考と懸賞分析の反復作業 ð 感度の高い「重さ」のある軸の選定
・やみくもなグラフの量産は時間の無駄
・キレの悪い軸に拘っていては因果関係の強い軸は見つからない。
(2)相関関係から打ち手を導き出す
・バリューが同一ならば、価格の低下で訴求力アップ ð 価格弾性値曲線
・価格の低下がバリューの低下を招く場合 ð 利益減少
・ビジネスの性質・企業体質 ð バリューと収益性との相関を考慮
●分析の応用
・Jカーブの罠・・・正の相関があるポイントで変局して負の相関、或いはその逆の形状を示す場合
・どっちつかずの原因により収益が伸びない。 ð 原因のブレークダウン
4.シェア分析
◎ロジックと定量化の連動により構造を深堀りする
●何が分かるのか
・シェア分析の2要素
(1)カバー率・・・市場に対する自社の割合
(2)勝率・・・競合とバッティングした場合のシェア
・シェア=カバー率×勝率=無競争カバー+競合率×勝率
・数字の背景やその構造・メカニズムの深堀が不可欠
●分析のタイプ
・ex.自社シェア=32%,競合シェア=68%,自社の市場カバー率=50%,競合の市場カバー率=90%
・ex.自社シェアを32%(=10%+22%)から50%に引き上げるためには
(1)カバー率一定の場合
○勝率55%ð100%
(2)勝率一定の場合
○カバー率50%ð83%
(2)勝率一定の代替案の方が実際的な選択となる。
●分析の応用
・現象面の数字 ð 一段階深堀り ð 問題発生メカニズムの構造的把握
・マーケットと連動しない「自己満足的指標」の廃棄
・廃棄が困難 ð 一段階深堀り ð 問題の明確化
第6章 「重み」づけを行い、取り組むべき問題の優先順位をつける
●「拡がり」「深さ」 ð 解決すべき問題全体の構造が明確化
●解決すべき問題の同時解決は困難 ï 資源の限界
●問題の重みが重要 ð 重要性・緊急性・独立生・複合生etc
●重みをつける ð 戦略的重点資源配分の明確化
●取組課題明確&優先順位づけ明瞭 ð 問題解決が進展しない場合 ï 問題の共有化が不適切
●重みづけ=優先順位づけ 3つのポイント
(1)立場軸の変化によって問題の見え方・重要度は変化する。フォーカスすべき問題の特定が大切。
(2)組織の問題は複雑多岐
(3)資源と時間の分散は解決策のレベル低下を招く。競合や顧客の訴求力はクリティカル・マスを超えなければインパクトが発生しない。
●「拡がり」「深さ」 ð 問題の具体化 ð 問題の微細化・多岐化 ð 「重み」づけによる選択
1.感度分析
◎影響因子が結果に与える振れ幅を評価し、問題に「重み」をつける
●何が分かるのか
・感度分析・・・影響因子(変動要因)が原因となって結果に影響を及ぼす場合、影響因子の振れ幅が及ぼす結果への影響度合い(sensitivity)を分析する。
・感度分析 ð 問題の「重み」づけ
・影響因子を変化 ð 影響因子の結果に対する影響度評価
・感度分析3つの視点
将来の外的変動要因に伴い、結果に与える影響やリスクを定量評価する。
結果に最も影響を与える要因(=評価軸)を評価・判断する。
戦略案評価において、解決策構成因子どうしの影響を分析し、結果を予測する。
・感度分析の有効条件 ï 影響因子と結果の因果関係成立 ï 因果メカニズムが論理的&影響因子の発生確率・レベルが不確実
●分析のタイプ
(1)外的変動要因の変化による影響やリスクを定量的に評価する
・外的変動要因・・・資源の供給バランスを変動させ、コスト上のリスク発生要因
・まずは因果関係のある要因を洗い出す。
・要因変化の振れ幅に関する感度分析を
(2)結果に最も大きい影響を与える要因(評価軸)を判断・評価する
・要因(評価軸)把握に有効
・変動要因仮説 ð 振れ幅計算
・モニターしたい結果に影響を与える要因を変化させる ð 結果に対する影響度の定量化 ð 振れ幅分析 ð 影響度の大きい要因の明確化
(3)戦略代替案や改善案を評価する
・(1)(2)のミックス
・前提条件 ð 複数の戦略代替案 ð 結果のシミュレーション
●分析の応用
・感度の高い結果を求める ï 変動要因の振れ幅の根拠が重要
・トルネード分析・・・振れ幅80% ï 両極端な分析
・キー・インディケーター ï 確率の導入により信頼性の高い感度分析が可能
2.パレート分析(20-80ルール)
◎貢献度に応じて扱いをどのように差別化すべきか
●何が分かるのか
・全体の結果に対する寄与度の高い要素やその偏りを見る。
・アウトプットの80%は20%のインプットから得られる。
・世界資産の80%は20%の人工に集中している。
・全人口の20%がエネルギーの80%を使用している。
・平準化・平均下が求める目標にならないことに注意が必要
●分析のタイプ
・集中はインプットとアウトプットで発生しやすい。
(1)投入資源の生産性を見る
・ボトムアップか、トップクラスのさらなる強化か
・投入資源に対する結果感度の高さで決まる。
(2)商品アイテムの売上・収益貢献度を見る
・多数のアイテムを抱えていても収益貢献はごく一部
・顧客の真のニーズ ð インパクトある箇所に限定したカスタマイズ
パレート分析は要素の「重み」づけを考えること
・パレート分析 ð 貢献度に応じた差別化
@高貢献度群の維持:ハイパフォーマーとの関係を維持し競合に奪われないように
A低貢献度群の改善:高貢献度の裾野を広げる。低貢献度の原因解明が不可欠。情報収集、改善目標の設定、一定期間での達成度評価が重要
B低貢献度群の整理:要注意。
1)粗利以外の指標での評価は?
2)過去の動きは?そして今後の見通しは?
3)低貢献度群ではあっても高貢献度群とのシナジー効果は無いか?
●分析の応用
(1)組織の「ワンネス」を考える―アリの組織―
・均一なハイパフォーマーだけで割り切れる組織はあり得ない。
・アリの組織・・・ハイパフォーマーの働きアリ20%、時々働くアリ50%、残り30%は全く働かないローパフォーマー
・30%のローパフォーマーを取り除いても、残った70%のアリの30%がローパフォーマー化した。
・ローパフォーマーにも役割がある。
・ハイパフォーマーの足を引っ張るだけのローパフォーマーは整理。
(2)複数の評価軸を立てる―ロングセラーvsベストセラー―
・書店の利益貢献はベストセラー本ではない。
・ベストセラーの利益は25%。
・ロングセラー本こそが利益貢献度が高い。
(3)20:80ルールは分析だけでなく、「思考」方法にも応用可能
・成果の80%は投入時間の20%から生まれる。
・必要な情報の80%は全体の20%に集中している。
・問題の20%にフォーカスすれば80%は解決可能
3.ABC分析
◎重点分野の中で優先順位づけを行う
●何が分かるのか
・資源配分の重点化 ï 重点分野をABC・・・とランキングし優先順位を明らかにする。
・パレート分析を単一から複数の異なる軸で行い、単純に優先度の高いものから序列をつける。
●分析のタイプ
(1)単一の評価軸によるランキング
・集中度に応じたランキング
・ランキング基準の決定が重要
(2)複数の評価軸によるランキング
・対象を多面的に評価し、ランキングに反映させる場合に有効
・複数軸は相互に独立が原則
・複数軸 ð 複雑な意思決定ほど緻密な結果を提供可能
・評価軸多 ð 複雑化大 ð 複雑化一層大 ð 信頼度低下
ñ重みづけ
●分析の応用
(1)事業ポートフォリオを評価する
・PPM・・・プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス
・X軸:相対市場シェア,Y軸:市場成長率 ð 資源配分の検討
・Star・・・花形事業として資源投資を惜しまない。
・Cash Cow・・・既に投資を終えている金のなる木としてキャッシュはQuestion Markへ振り向ける。
・Question Mark・・・問題児事業としてキャッシュを投入し将来の成長に期待する。
・Dog・・・負け犬として撤退。
(2)ベンチャー・キャピタルの投資案件の評価
・5つの評価軸
@)市場規模・成長率、初期投資必要額・・・足切りライン
A)戦略的価値評価・・・3C(市場・競合・自社)の把握、コア・コンピタンスの有無、収益性
B)ビジネスプランの具体性・実現可能性・・・キー・レバー、数値目標
C)経営陣のマネジメント能力
4.ピーク分析
◎ビジネス活動を集中化すべきか平準化すべきか
●何が分かるのか
・ピーク分析 ð 時間軸における量の変化=ピークの山に着目 ð 資源集中箇所の特定
・ピーク分析・・・トレンド分析とパレート分析の変形版
・需要のピーク・オフピーク ð 供給側の非効率 ï 限りある資源の範囲内
●分析のタイプ
ピーク時に資源を集中すべき場合
@柔軟対応でモレを防ぐ
・ピーク発生要因の分析が重要
・供給側の役割分担や業務プロセスの設計不十分 ð 業務処理非効率
A需要サイクルに合わせて効率的に攻める
・ピーク発生原因の洞察 ï 顧客視点
・ピーク ð 需要者の活発活動期
・効果的な需要喚起 ð ピーク分散
・成熟産業 ð 需要者と供給者は定型的なサイクルで動く ð リズムを壊すキャンペーンは逆効果
ピークを分散・平準化すべき場合
@価格・サービスの多様化で分散誘導する
・公共サービス ð 利用変動 ð 平準化
Aピークを谷へシフトする
・合間時間の有効利用
●分析の応用
・時間軸で生じるピーク対象の分析手法
・価格帯・顧客層に発生するピークのマネジメントに応用
・ピーク形成・谷間の底上げの戦略的判断
5.リスク・期待値分析
◎不確実性の中で意思決定を行う
●何が分かるのか
・意思決定には不確実性がつきもの
・不確実性の世界 ð 1つの行為 ð 複数の結果
・リスク・期待値分析・・・判断基準を提供
●分析のタイプ
・望ましい結果・・・期待値
・望ましくない結果・・・リスク
・リスク・期待値(E)=Σ(予想される結果(Xi)×発生確率(Pi))
但し、ΣPi=1 確立の総和は1(100%)になる
・リスク・期待値は、回避可能なものと不可能なものに二分される。
(1)影響因子をコントロールしてリスクを低減する、または期待値を高める
・リスク発生のメカニズム既知 ð 影響因子のコントロール
・リスク低減のコントロール&期待値向上のコントロール
@リスク低減のコントロール
A期待値を高めるためのコントロール
(2)情報入手してリスク回避する
・リスク発生確率既知 ð 状況のコントロール困難なケース
・リスク・アバース・・・特定代替案が有利な情報がありながら意思決定を思いとどまること
(3)リスク・プレミアムを支払って最悪事態に備える
・リスク・プレミアム・・・確実な状況を得るための代償
●分析の応用
・リスク・期待値の増大 ð 情報ニーズの増大 ï 不確実性に基づく振れ幅の最小化
・積極的・フェアな情報公開 ð 信頼獲得の近道