]問1.以下のカッコ内に入る適切な用語を下の選択肢から選べ。

A)は(B)によって生産する製品全体の製品計画を、最終的に(C)単位に分解する機能である。

B)から(A)へ分解する第1ステップは、(D)単位の生産計画に分解することである。

分解の第2ステップでは、各(D)の生産ロットサイズを均衡させることも重要である。一般的には、(D)毎の生産間隔を可能な限り(E)し、個々の(C)の在庫量を一定量に保持することが重要となる。

(1)

A:MPS

B:総合生産計画

C:製品アイテム

D:製品ファミリー

E:長く

(2)

A:総合生産計画

B:MPS

C:製品ファミリー

D:製品アイテム

E:短く

(3)

A:APP

B:基準生産計画

C:製品ファミリー

D:製品アイテム

E:等しく

(4)

A:MRP

B:APP

C:製品アイテム

D:製品ファミリー

E:長く

(5)

A:基準生産計画

B:資材所要量計画

C:製品ファミリー

D:製品アイテム

E:短く

答)(1) 青本・第2p27

2.TQMに関する以下の記述で、間違っているものを選び答えよ。

(1) SQCから始まった品質管理の潮流は、TQCとして日本で発展し、30年程度の時間経過の中で質的な進化を遂げ、TQMとなった。

(2) TQMとは、顧客や社会の要求に合致した高品質の製品やサービスを経済的に生産すると共に、最適なタイミングで提供するための品質を核とする組織経営手法である。

(3) QCからTQMへ進化を遂げるにしたがって、ControlからManagementに質的変化を生じはしたが、品質という定義自体は不偏なものとして認識されている。

(4) TQMの特徴の一つに、「品質を工程で作り込む」という考え方があり、企画からリサイクルまでの全期間を通じた品質保証体系の整備と品質保証作業の標準化が継続されることがある。

(5) TQMでは、品質方針に基づく品質計画、品質管理、品質保証、品質改善といったステップがあり、PDCAサイクルとして運用される。

答)(3)品質という定義も変化した。 青本・第2p31

3.財務会計に関する以下の記述の中で、正しいものを選び答えよ。

(1) 財務会計は、主として組織内部の経営者が経営判断を行うための基礎資料として作成されるものである。

(2) 財務諸表とは損益計算書と賃借対照表を言い、前者は資産と負債+資本を一致させるように作成されるものであり、組織の健全性を分析する基礎資料となるものである。

(3) 財務諸表は、企業会計原則に基づき作成されるものであり、一般的に7つの原則があると言われている。この中には、真実性・明瞭性・継続性・保守性・単一性・要件性といった原則がある。

(4) 減価償却費は、費用でありながらも支出を伴わないことから、外部保留される効果があり、定額法と定率法という二つの減価償却方法がある。

(5) 資本とは、資本金・資本剰余金・利益剰余金・土地再評価差額金・株式等評価差額金・自己株式からなる。

答)(5) (1)財務会計は、主として組織外部者に対する報告が主体です。

(2)損益計算書は、一定期間における収益・費用・利益の内容を経営成績として明らかにするものです。

(3)原則は8つです。

(4)外部保留ではなく、内部保留です。

青本・第2p52

4. 工程管理に関する以下の記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 工程管理の主な目的は、事業計画に沿った生産を実現することと納期を遵守することにあり、製造品質の確保やコストの低減は別な管理技術を適用するのが一般的である。

(2) 工程管理では、納期遵守・生産活動の安定化・設備や人員の稼働率向上・生産期間短縮・操業度合維持と生産量の達成が主な役割である。

(3) 工程管理とは、オーダが投入されてから複数の作業部署を経由して完成するまでの流れを時間的側面から管理することと言える。

(4) 生産活動における最小単位は付加価値の源泉であり、これを設計・計画・実施・統制・評価していくことが、工程管理の重要な視点と言える。

(5) 工程管理には、手順計画・負荷計画・日程計画や進行管理が主要機能として含まれる。

答)(4)工程管理ではなく、作業管理の説明です。 青本・第2p39

5.以下に示す図について、名称の組み合わせとして正しいものを選び答えよ。

    

      (a)               (b)               (c)

  

      (d)               (e)

(1)

(a)PDPC

(b)系統図

(c)パレート図

(d)連関図

(e)ヒストグラム

(2)

(a)連関図

(b)マトリックス図

(c)ヒストグラム

(d)製品アイテム

(e)パレート図

(3)

(a)系統図

(b)連関図

(c)CPM

(d)アローダイアグラム

(e)層別

(4)

(a)特性要因図

(b)親和図

(c)TOC

(d)SCM

(e)グラフ・管理図

(5)

(a)層別

(b)マトリックスデータ解析

(c)PERT

(d)CPM

(e)ヒストグラム

答)(1)  青本・第2p34

6.ある作業iの所要時間の楽観値を4時間、悲観値を6.2時間、最可能値を4.8時間とする時、これらからこの作業の期待値、分散を下記から選び答えよ。

(1) 期待値=4.7時間 分散=0.146

(2) 期待値=4.8時間 分散=0.140

(3) 期待値=4.9時間 分散=0.134

(4) 期待値=5.0時間 分散=0.128

(5) 期待値=5.1時間 分散=0.122

答)(3)期待値=(44×4.86.2)/64.9時間 分散=(6.242360.134 青本・第2p61

7.TPMに関する記述の中で、正しいものを選び答えよ。

(1) TPMとは、生産システムのライフサイクル全体を対象とした、あらゆるロスを未然防止する全社的小集団活動のことである。

(2) TPMの階層軸は、戦略的経営問題を扱う経営階層レベル、生産保全問題全般を扱う中間階層レベル、日常生産に伴う下位階層レベルに分類される。

(3) 生産システムのライフサイクルにおけるコスト最適化には生涯過程の視点が必要で、設計段階で予防保全、実施段階で保全予防など、保全方式を計画的に実行する必要がある。

(4) 保全活動には、エイジング効果に伴う劣化進行の遅延を促す劣化防止、劣化の進行程度を把握する劣化診断、あるべき状態に戻す活動である劣化回復の3つの活動がある。

(5) TPMの基本思想は、自主保全である。

答)(5) (1)全社的ではなく、重複 

(2)生産保全問題ではなく、組織構造問題

(3)設計段階は保全予防、実施段階では予防保全 

(4)劣化診断ではなく、劣化測定 

青本・第2p58

8.設備計画に関する記述の中で、過っているものを選び答えよ。

(1) 設備計画は、本来経営戦略の一環として事業計画に基づいて策定されるものであり、個々の設備計画は、経済性分析に基づいた設備投資計画の立案が最も重要である。

(2) 改良投資とは、製造中の製品を改良し品質向上や原価引き下げを行う場合の投資のことである。

(3) リスク減少投資とは、組織の存続を脅かすリスクを減少させるための投資で、防衛的投資と攻撃的投資に分類される。

(4) 製品投資とは、老朽化もしくは陳腐化した設備を同レベルの能力を有する新設備に取り替え、コスト低減を図るための投資のことである。

(5)厚生投資とは、福利厚生施設への投資や環境保全などへの投資のことである。

答)(4)製品投資ではなく、取替投資です。青本・第2p56

9.負荷計画に関する記述の中で、過っているものを選び答えよ。

(1) 負荷不足の場合は、オーダ投入時間の後倒し、能力不足の場合は、オーダ投入時間の前倒しを行う。

(2) 負荷工数=標準時間×生産数+段取り時間

(3) 能力工数=運転時間×(1−故障率)×機械台数

(4) 負荷不足の場合は、生産部署を他から振替、能力不足の場合は、生産部署を他へ振替する。

(5) 生産計画の実行は、リードタイムの安定が重要であり、リードタイムの中で最も長いのは停滞時間である。

答)(1)対応が逆です。負荷不足はオーダ投入の前倒し。能力不足はオーダ投入時間の後倒し。 青本・第2p41

10.最適化手法に関する記述の中で、過っているものを選び答えよ。

(1) 遺伝的アルゴリズムは、数理計画法には属さない。

(2) ニュートン法は、数理計画法の中で非線形計画法に属し、制約条件が無い場合に該当する。

(3) 内点法は、数理計画法の中で線形計画法に属する。

(4) ペナルティ法は、数理計画法の中で非線形計画法に属し、制約条件が無い場合に該当する。

(5) 切除平面法は、数理計画法の中で整数計画法に属する。

答)(4)制約条件アリです。 青本・第2p64

11.フィージビリティ・スタディについて間違っているものを選び答えよ。

(1) プロジェクトを実施する際に必要となるコストと需要予測を比較し、事業の収支を検討すると共に、資金の調達方法の検討を行い、予算規模を決定するのがフィージビリティ・スタディの目的である。

(2) 事業目的を基本とする事業フレームの具体化に基づく関係者の合意形成は、フィージビリティ・スタディにとって重要な課題である。

(3) ビッグ・プロジェクトでは、予備設計に基づいて概略のスケジューリングやコストの予測が事前に行われるが、規模の小さなプロジェクトでは、実際に試作することにより時間やコストを見積もることが行われることがある。これもフィージビリティ・スタディの目的の一つである。

(4) 既存資料に基づく調査やマーケット・リサーチにより事業化した場合の需要予測は、フィージビリティ・スタディに欠かすことのできない要素である。

(5) 情報の収集・分析に基づく実行可能性の評価がフィージビリティ・スタディの基本的スタンスであり、概略の事業計画の次に発生するフェーズとして重要である。

答)(5)フィージビリティ・スタディは、事業計画よりも前のフェーズです。青本・第2p25

12.JIT生産方式に関する次の記述の中で、過っているものを選び答えよ。

(1) JIT生産方式は、生産時間の短縮と部品や仕掛在庫の削減に対して効果が大きく、これはプル型生産方式とプッシュ型生産方式のバランス調整によって成立するものである。

(2) 従来の生産方式は、プッシュ型生産方式と言われ、需要予測に基づいて生産が行われるため、実際の需要と生産の間にタイムラグを発生する可能性があり、無駄が多く効率が低くなる側面を持つ。

(3) かんばん方式とは、引き取りかんばんと生産指示かんばんを用いた生産方式で、両者の合計数しか仕掛在庫もしくは部品在庫を持たない方式である。

(4) JIT生産方式は、仕掛在庫や部品在庫を可能な限り減少させるために、日本の自動車製造業が開発した生産方式であり、現在では世界中のあらゆる製造業に普及している。

(5) JIT生産方式は、需要に一番近い最終工程から必要生産量を前工程に指示を出す生産方式であり、「かんばん」を用いたプル型生産方式と言われる。

答)(1)JIT生産方式はプル型生産方式です。 青本・第2p44

13.シミュレーションに関する記述の内、間違っているものを選び答えよ。

(1) シミュレーション・モデルとは、抽象・拡大・縮小という概念に基づく擬似的なもので、コンピュータを利用したシミュレーション・モデルには論理モデルがある。

(2) 連続型シミュレーションは、微分方程式や差分方程式で表現されたモデルのシミュレーションで、特に微分方程式の境界値問題に利用される。

(3) モンテカルロ・シミュレーションは、乱数による積分値を求める方法として広く利用されていて、各種シミュレータが準備されている。

(4) 離散型シミュレーションは、状態変化をイベント起動型モデルとして捉えるシミュレーションで、性能評価に用いられるシミュレーション方法である。

(5) 連続型シミュレーションと離散型シミュレーションは、共に時間変化を捉えたシミュレーション方法である。

答)(2)境界値問題ではなく、初期値問題です。 青本・第2p62

14.進行管理に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 進行管理は、作業手配と実績管理に分類される。

(2) POPシステムは、コンピュータ上で行う進行管理手法であり、品質管理や生産計画なども同時にリアルタイムで行うシステムである。

(3) 余力管理は、実績管理として行われ、能力と負荷のバランス管理が主たる目的である。

(4) 小日程計画レベルにおける生産活動の統制が、進行管理である。

(5) 作業手配は、オーダ毎の納期達成と作業能率向上を同時に配慮することが重要で、これを差立てと呼ぶ。

答)(4)小日程計画ではなく、中日程計画です。 青本・第2p43

15.原価計算に関する次の記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 標準原価は、正常標準以上で理想標準以下に設定することが求められる。

(2) 製品別計算における予定原価計算は、将来目標・予定に対する積極的な原価計算手法で、ここで用いる予定原価は、標準原価を基本とする。

(3) 費目別計算は、原材料費、労務費など形態別の要素に分類して行う。

(4) 原価計算は、組織活動に伴う経営資源の消費額の計算であり、その結果は、組織活動の報告や経営判断に活用される。

(5) 部門別計算は、組織上の各分類部門毎に行う原価計算であり、費目別計算の結果を用いる。

答)(1)正常標準ではなく、現実的標準です。 青本・第2p47

16.経済性分析手法の分類について、過った組み合わせを以下から選び答えよ。

(1) 収益性指数法(PI)=原価比較法(経済性工学による方法)

(2) オールドMPI法=原価比較法(経済性工学による方法)

(3)(初期投資額)÷(初年度利益)=資金回収期間法(財務会計による方法)

(4)(毎年同額利益)÷(初期投資額)=資金回収期間法(経済性工学による方法)

(5)(初年度利益)÷(平均投資額)×100=投資利益率法(財務会計による方法)

答)(1)収益性指数法は投資利益率法(経済性工学による方法)です。青本・第2p56

17. 以下の文章の空欄を補う用語の組み合わせで、最も適切なものを選び答えよ。

SCMでは、(a)を最大化するよう数学的モデルを組み上げ、(b)の各種手法を用いて解析することによって最適計画を策定する。

この時、基本的な考え方となるのが、(c)である。これは、(d)を発見し、これより前の工程を(e)方式とするものである。

(1)

(a)収益

(b)オペレーションズ・リサーチ

(c)前提条件

(d)ボトルネック

(e)プッシュ型生産

(2)

(a)顧客満足

(b)オペレーションズ・リサーチ

(c)制約条件の理論

(d)ボトルネック

(e)プル型生産

(3)

(a)収益

(b)シミュレーション

(c)TOC

(d)コントロール・ポイント

(e)プロセス型生産

(4)

(a)環境利用

(b)線形計画

(c)前提条件

(d)コントロール・ポイント

(e)プッシュ型生産

(5)

(a)顧客満足

(b)シミュレーション

(c)TOC

(d)特異点

(e)プル型生産

答)(2)  青本・第2p45

18.生産計画におけるインプット・アウトプットに属する組合せで正しいものを下記より選び答えよ。

(a)正規労働時間 (b)生産ロット (c)使用資材 (d)労働力水準 (e)目標労働時間 (f)時間標準

(1) インプット:(a)(c)(e) アウトプット:(b)(d)(f)

(2) インプット:(c)(d)(f) アウトプット:(a)(b)(e)

(3) インプット:(a)(d)(f) アウトプット:(b)(c)(e)

(4) インプット:(d)(e)(f) アウトプット:(a)(b)(c)

(5) インプット:(a)(b)(c) アウトプット:(d)(e)(f)

答)(2)  青本・第2p24

19.品質管理に関する記述の中で、間違ったものを選び答えよ。

(1) 品質計画とは、品質管理活動全体の基本方針である品質方針に基づいた計画のことであるが、固定的なものではなく、随時改善を図るべきものである。

(2) 品質計画書は、組織活動やプロジェクトの効率性・確実性向上のためのものであり、現状の問題点やリスク、活動目的も明確に示す必要がある。

(3) 品質計画書においては、活動項目や作業工程毎の担当者を明らかにし、責任の所在を明確化する必要がある。

(4) 品質計画では、品質要求事項を明確化し、目標と方策を定めると共に、品質管理システムの適用方法を定めることが必要となる。

(5)品質計画は、品質管理システム及び品質方針と合致している必要があるが、不確定要素がある場合は必ずしもこれに拘らず段階的に詳細化していく姿勢が重要である。

答)(5) 完全一致が必須です。青本・第2p32

20.最適化手法に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 非線形計画問題の解法は、線形計画問題に比べ飛躍的に困難となるが、二次計画問題、凸計画問題、半正定値計画問題などは効率的な解法が得られている。

(2) 制約条件下において複数の目的関数を同時に最大化もしくは最小化する最適解は一般的に存在しないため、パレート最適解が用いられる。

(3) メタヒューリスティック近似解の代表として、遺伝的アルゴリズムやニューラル・ネットワークがある。

(4) 最適化問題とは、システムの最適性尺度として評価関数を導入し、これをいくつかの制約条件下で最大化或いは最小化する変数を探索する数理計画問題として定式化が行われる。

(5) パレート最適解は、有限個の解が得られるため、意思決定者は前提条件と制約条件を考慮して合理的な結論を導きやすいと言える。

答)(5) パレート最適解は無限個存在するため、意思決定者は妥協解を選択しなければならない。

青本・第2p63

21.PERT及びCPMに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 複雑なCPMの計算は、線形計画アルゴリズムとして、コンピュータによる解法が行われる。

(2) クリティカル・パスは、トータル・フロートがゼロである。

(3) CPMの基本的な考え方は、一連の工程に関する遂行費用を説明関数とした最適化を行うことである。

(4) フリー・フロートは、他の作業に影響を及ぼさず、該当の作業のみに許された余裕である。

(5) 最早終了時刻と最遅終了時刻は一致する場合がある。

答)(3) 説明関数ではなく、目的関数です。 青本・第2p60

22. 設備保全における記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 改良保全とは、故障の再発を防止する視点で設備上の弱点を補強するもので、事後保全を含む概念である。

(2) 保全予防とは、計画段階で導入される保全概念であり、他の保全活動とはフェーズが異なる概念である。

(3) 予知保全とは、設備の劣化傾向を診断し、保全時期や修理方法を予め決定する保全方法で、予防保全に属する概念である。

(4) 計画事後保全とは、設備が故障した場合の代替案を準備した保全方法で、予防保全を行うよりもコスト低減が図れる場合に採用される保全方法である。

(5) 設備保全は、生産性向上の管理活動の一環であり、小停止問題を含む概念と考えられている。

答)(1)有害な故障に至った後に対処するのが事後保全で、改良保全は故障の再発防止を目的とするため、別な概念と

言えます。 青本・第2p57

23.VEに関する下記の記述の中で、カッコに適する用語の組み合わせとして適切なものを選び答えよ。

VEにおいて、価値は、(a)÷(b)として表され、(c)の選定、(c)の(d)分析、(e)の抽出・評価をVE質問として展開する。

(1)

(a)機能、効用

(b)コスト、費用

(c)評価尺度

(d)MOT

(e)改善案

(2)

(a)費用、機能

(b)コスト、効用

(c)課題

(d)損益分岐

(e)評価案

(3)

(a)効用、コスト

(b)費用、機能

(c)損益分岐点

(d)PQ

(e)VE

(4)

(a)コスト、費用

(b)機能、効用

(c)アイデア

(d)SWOT

(e)基準案

(5)

(a)効用、機能

(b)費用、コスト

(c)テーマ

(d)機能

(e)代替案

答)(5)  青本・第2p51

24.品質改善に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 抽象概念や感覚的観念ではなく、具体的な観測手続きに基づく事実を重視することが品質管理の基本である。

(2) 品質改善活動は、継続的活動が必須であり、PDCAサイクルとして運用することが重要である。

(3) 品質改善とは、品質管理を行う過程で明確化した品質不良を改善する活動である。

(4) 統計的品質を確保するためには、プロセスの解析・標準化・遵守などが不可欠であり、統計的方法の適用が必須である。

(5) 品質改善のためには、設計品質不良、工程品質不良、製品品質不良の観点から把握することが重要である。

答)(5)工程品質不良ではなく、製造品質不良です。青本・第2p36

25.以下の英語表記の用語とその対訳の組合せで、間違っているものを選び答えよ。

(1) Entire Resource Planning:統合業務システム

(2) Process Decision Program Chart:過程決定計画図

(3) Point Of Production System:生産時点情報管理システム

(4) Activity Based Costing:活動基準原価計算

(5) Analytical Hierarchy Process:階層化意思決定法

答)(1)Entireではなく、Enterpriseです。青本・第2p28

26.製造物責任に関する下記の記述について、間違っているものを選び答えよ。

(1) コンシューマリズムとは、買い手の権利保護を目的として、市民と政府によって組織化された運動のことである。

(2) SGマークを表示するためには、ロット認定を必ず受けなければならない。

(3) 製品の安全性を確認する方法には、ロット確認と工場等登録・形式確認の二つがある。

(4) 消費生活用製品の中で特定製品は、PSマークの表示がないと販売できない。

(5) PL法により消費者が証明すべきことは、製品に欠陥があったことと、欠陥によって損失を受けたことである。

答)(2) ロット認定かもしくは工場等登録・形式確認です。 青本・第2p37

27.賃借対照表に関する下記の項目が、それぞれどのようなグループに属するか、正しい組合せを選び答えよ。

(a)資本剰余金 (b)繰延資産 (c)流動資産 (d)利益剰余金 (e)無形固定資産

(1)

(a)貸方(資本)

(b)借方(資産)

(c)借方(資産)

(d)貸方(資本)

(e)借方(資産)

(2)

(a)貸方(資本)

(b)貸方(資本)

(c)貸方(資本)

(d)貸方(資本)

(e)貸方(資本)

(3)

(a)貸方(資本)

(b)借方(資産)

(c)借方(資産)

(d)借方(資産)

(e)貸方(資本)

(4)

(a)借方(資産)

(b)借方(資本)

(c)貸方(資本)

(d)借方(資産)

(e)借方(資産)

(5)

(a)借方(資産)

(b)借方(資本)

(c)借方(資産)

(d)借方(資産)

(e)借方(資産)

答)(1)  青本・第2p53

28.原価企画に関する流れについて、以下の文章のカッコ欄に適する用語の組み合わせを示すものを選び答えよ。

(a)段階→目標原価設定→(b)→(c)→(d)検討→製造→(e)

(1)

(a)企画

(b)構造展開

(c)部品展開

(d)原価低減

(e)改善

(2)

(a)計画

(b)VE

(c)VA

(d)機能

(e)WBS

(3)

(a)可能性調査

(b)フロート

(c)スラック

(d)CPM

(e)山崩し

(4)

(a)市場調査

(b)選好決定

(c)手順・負荷計画

(d)日程計画

(e)変更管理

(5)

(a)需要調査

(b)コスト展開

(c)機能展開

(d)日程計画

(e)マーケット・リサーチ

答)(1)  青本・第2p50

29.手順計画に関する記述の内、間違っているものを選び答えよ。

(1) 生産方法の標準化は、手順計画の目的の一つである。

(2) 最適な生産方法の決定は、手順計画の目的の一つである。

(3) 手順計画は、工程計画と作業計画の両面から検討することが必要となる。

(4) 工程編成の目的は、リードタイム最小化であり、このため作業者数最小化やサイクルタイム最小化などを、作業標準と標準時間を参考に決定するものである。

(5) 作業の適正分担は、手順計画の目的の一つである。

答)(4)リードタイム最小化ではなく、稼働率最大化です。 青本・第2p40

30.以下の文章のカッコ内に入れるべき適切な用語の組み合わせを下記から選んで答えよ。

生産活動は、人・設備・(a)・金のいわゆる「生産の4M」をインプットとし、3要素である(b)に生産量・安全・(c)を加えた6要素をアウトプットとする活動であると言われる。

しかし、6要素すべてについて理想的なアウトプットを実現することは困難な場合が多く、特に(d)問題は生産活動そのものに大きな影響を及ぼす問題である。

(b)がより良い状態となるよう(e)の最適配分を考え、結果の指示を適切に行うことが、総合技術監理技術者に求められている。

(1)

(a)原材料

(b)QCD

(c)意欲

(d)トレードオフ

(e)要員

(2)

(a)方法

(b)TQM

(c)機能

(d)トレード

(e)資機材

(3)

(a)管理

(b)QCD

(c)コスト

(d)二率背反

(e)資本

(4)

(a)方法

(b)TQM

(c)コスト

(d)二率背反

(e)資機材

(5)

(a)原材料

(b)CDQ

(c)モラル

(d)トレードオフ

(e)リソース

答)(5)  青本・第2p21

─────────────────────────────────────────────

 

 


]問1.人の行動モデルに関する次の記述について、間違っているものを選び答えよ。

(1) マグレガーは、必ずしもX理論かY理論のいずれかを優れているとしたのではなく、状況に応じた使い分けが重要としている。

(2) 20世紀初頭に誕生した科学的管理法は、「人間は生来仕事が嫌いである」との考え方に基づいており、今日の効率的な生産方式の基礎となる画期的な考え方である。

(3) 人の管理を考える時、人の特徴をある程度単純化したモデルとして捉える必要があるものの、あまりに単純化しすぎると人間関係など大きな影響を与える要素を排除する結果となり、現実への適応性が低下する。

(4) マグレガーのY理論は性善説に立ち、現代の組織運営はY理論に基づいた、やる気を引き出す管理が適していると言われる。

(5) 科学的管理法は、人を機械の一種のように捉える一面があり、現代では人間関係論や行動科学的アプローチの重要性が認識されている。

答)(1)マグレガーは、科学的管理法から行動科学的アプローチへ、つまりX理論からY理論への発展的シフトを考え

ていたようです。 青本・第2p70

2. 職務分析・設計に関する記述について、正しいものを選び答えよ。

(1) 職務の過度な分割により、組織の官僚化という弊害が生じ、職務記述書を如何に壊すかが、今アメリカでは問題となっている。職務記述書を基本としたポイントファクター型職務給により、顧客配慮より評価者優先の弊害が生じている。

(2) 職務分析は、観察などにより特定組織の性質に関する適切な情報から職務情報を決定し、報告する手続きであると定義される。

(3) 職務記述書は、職務分析結果の報告に記載された記録から得られる特定の職務の体系的な概要で、職務に必要な人的特徴を要約したものであることから、企業への採用、配置にあたっての人物選考の資料として用いられる。

(4) 職務設計の中核的5次元としてハックマンが規定したのは、自律性、仕事の連携性、技能の多様化、フィードバック、仕事の一貫性である。

(5) 組織目的から必要機能へ、さらに細分化される職務分割において重要なことは、職務遂行義務、人的資源活用の権限そして結果説明責任の明確化である。

答)(1) (2)特定組織から職務情報を決定するのではなく、特定職務自体からです。因みに、分割された職務を統合し

た結果が組織編成です。

(3)職務明細書の説明記述です。

(4)連携性ではなく、有意味性です。

(5)人的資源ではなく、経営資源です。

青本・第2p80

3. 労働時間管理に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 企画業務型裁量労働制は、事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務に従事し、業務遂行手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的指示をしない労働者について、労使委員会の決議により時間労働したとみなす制度である。

(2) 専門業務型裁量労働制は、法定の20業務を対象とする専門業務従事労働者について、労使協定書で定めた時間労働したとみなす制度で、労使協定書には業務遂行手段及び時間配分の決定に関し具体的指示をしないこと、健康・福祉確保措置、苦情処理措置等の定めを要する。

(3) フレックスタイム制とは、就業規則等により始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねることとした労働制度で、清算期間内を平均し週40時間を超えて労働させる場合は、36協定の締結届出及び割増賃金の支払いが必要となる。

(4) 労働基準法第32条の5に基づく、規模30人未満の小売業、旅館、料理店及び飲食店の事業を対象とした、1週間単位の非定型的変形労働時間制は、日ごとの業務に著しい繁閑が生じることが多く、かつ、その繁閑が定型的でない場合に、就業規則で特定された所定労働時間によらずに、週ごとに各日の労働時間を指定することができるという制度である。

(5) 変形労働時間制は、週平均40時間以内の範囲で、36協定届によらず、割増賃金を支払うことなく、特定の日・週に法定労働時間の原則を超えて労働させることができる制度で、1年単位の変形労働時間制を採用するためには、労使協定が必要となる。

答)(2)法定の19業務です。 青本・第2p76

4. ホーソン実験に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 人間の心理的側面、内面的側面の重要性が組織論において初めて指摘されることになり、機械的人間観に基づかない新たな経営理論、管理論を構築する必要性が高くなり、科学的管理法へとつながっていった。

(2) 非公式集団の集団規範が企業の組織目標をサポートするのであれば、生産性の向上につながる。

(3) 物理的作業条件と作業能率との間には、従業員の感情や意欲といった主観的な態度が介在し、これが大きく影響することが明らかとなった。

(4) 非公式集団内の人間関係の良し悪しや集団規範の内容は、管理者の管理行動の良し悪しに大いに依存する。

(5) 従業員の主観的な態度は、自然発生的に生じる非公式な人間関係、いわゆる非公式集団の集団規範の影響を大きく受ける。

答)(1)科学的管理法ではなく、行動科学的アプローチです。 青本・第2p83

5. 人的資源開発プロセスに関する記述のカッコに入れる適切な用語の組み合わせを選び答えよ。

組織形態や(a)の分析、(b)分析と個人分析に基づき特定の教育・訓練の必要性を決定する。次に、組織や成果の(c)を設定し、対象分類に応じた(d)と(e)を行い、プログラムを実施する。最後にプロセス・プログラムの評価を行い、次の人的資源開発へつなげることにより(f)として運用する。

 

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

(f)

(1)

非公式組織

職能

目的

開発手法選択

メディア選択

PDCA

(2)

人的組織

業務

指標

メディア選択

開発手法選択

QCD

(3)

公式組織

要求技術

目標

開発手段選択

実施組織選定

PDCA

(4)

技術組織

機能

目的

開発レベル設定

実施主体選定

QCD

(5)

組織文化

職務

目標

開発手法選択

メディア選択

PDCA

答)(5) 青本・第2p86

6. リーダーシップに関する次の記述について、間違っているものを選び答えよ。

(1) 組織を代表し、他組織との協調関係を形成し、成果を得るため組織目標の優先順位づけを行い構成員に対する周知徹底を図るのは、リーダーの重要な役割である。

(2) PM理論とは、組織の目標達成や課題解決に関する機能と組織の維持を目的とする機能を指し、両者のバランスを保つことがリーダーに求められる資質である。

(3) リーダーの影響力は、優れた実績、評判、公式の権限や必要諸資源の収集ネットワーク力などが源泉となる。

(4) 市場動向や競合相手の技術力比較、或いは職場の雰囲気に対する洞察力は、リーダーシップの機能として欠かすことのできない機能である。

(5) リーダーシップには6つの機能が要求されており、下部組織とのコミュニケーションや同階層の他組織と協調関係を築く機能はその内の一つである。

答)(5)下部組織ではなく、上位組織です。 青本・第2p72

7. 教育訓練管理に関する記述の中で、正しいものを選び答えよ。

(1) 教育訓練の実施主体は、教育訓練スタッフ、組織管理者、本人であり、大組織では教育訓練スタッフが専門部署を構成することがあり、主に社内のOFF-JTに責任を持つこととなる。

(2) 教育訓練方法は、職場における職務遂行過程で上司などによって行われる教育訓練のOJT、職場を離れ外部組織が実施主体となって行われるOFF-JT、通信教育など評価的インセンティブをトリガーとする自己啓発が挙げられる。

(3) 知育教育は、教育訓練の重要な柱で、専門的な情報や仕事の手続きを理解させることを目的として実施され、講義や見学などが具体的な方法である。

(4) 職場の同僚と協力する姿勢、仕事に対する積極的な取り組み姿勢を向上させる目的で実施される教育訓練方法は、対人教育と言い、討議やロールプレイングにより行われる。

(5) 教育訓練体系は大別して4つあり、職能別教育訓練、職務別教育訓練、課題別教育訓練、階層別教育訓練である。

答)(1) (2)評価的インセンティブではなく、自己実現インセンティブでしょうね。

(3)知育教育とは言いません。知識教育です。

(4)教育訓練方法ではなく、教育訓練手法であり、対人教育ではなく、態度教育です。

(5)体系は3つで、職務別教育訓練はありません。

青本・第2p87,88

8. QCサークル活動に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) QCサークル活動の基本理念は、人間の能力発揮、人間性の尊重、組織体質の改善・発展への寄与であり、サークル編成に当たっては、顧客価値の視点での活動であるため固定的で長期に亘ることを原則とする。

(2) QCサークル活動の問題点は、成果・発表への偏重、過小評価に基づく経営層の無関心、問題認識や手法理解のレベル低下、活動の形骸化などがあり、経営層はこうした事態を改善する必要がある。

(3) 小集団活動は、現場を信頼した自主的改善、現場中心主義に基づく継続的改善が重要で、従業員の動機付け、自己実現などインセンティブ付与に貢献する。

(4) QCサークル活動の人的資源開発に対するメリットは、若年層知識と熟練層経験の融合や異職務のスキル交流の促進がある一方、重要課題への挑戦やビジネスモデルの構築などにも大きな影響をもたらすものと考えられている。

(5) 小集団活動には、QCサークル活動を始めとし、無欠点運動や改善提案活動などが含まれる。

答)(1)編成は流動的で、短期編成を原則としています。 青本・第2p90

9. SA8000に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) SA8000制定のトリガーは、多国籍企業の発展途上国における工場の運営実態にあった。有名なナイキでは、工場での労働条件が悪く、低賃金労働や児童労働など過酷な労働環境に対する多くの抗議が寄せられ、不買運動が行なわれたことなどがきっかけと言われている。

(2) SA8000は、児童労働の撤廃や労働時間の管理やマネジメントシステムなど全9項目に及ぶテーマが掲げられている。

(3) 日本の小売業では2004118日、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」のサプライヤー管理とイオン株式会社の本社業務において国内初のSA8000認証を取得した。

(4) SA8000Social Accountabilityつまり会社説明責任を意味し、1997年に制定された基本的な労働者の人権の保護を定めた国際的な規格である。

(5) SA8000は、ISOと同レベルの国際規格であるため、認定された認証機関の監査を受けることにより、事業所毎にSA8000の認証を取得することが可能で、定期的な監査により適切な運用管理に対する実行確認が行われます。

答)(5)ISOと同規格との記述はありません。 青本・第2版 記述無し

10. 人事用語に関する記述の中で。間違っているものを選び答えよ。

(1) 組織の3要素として、組織には共通目的、協働意思、コミュニケーションが必要であると提唱したのは、バーナードである。

(2) ニートとはNot in Employment Education or Trainingで米国の労働政策から出てきた言葉である。フリーターは就職意欲のある人たちだが、ニートは就職意欲のない人たちのことを指す。

(3) ハロー効果とは、人事考課管理を行う場合、一つ良いことがあるとそのことに引っ張られて、全てがよく見える傾向のことで、全体的印象で判断し、部分的特性や能力を正しく判断できない傾向のことを指す。

(4) ハックマン−オールダムの職務充実理論は、仕事の質や特性を変えることで動機づけ、仕事への意欲や満足度を高めていくという理論であり、仕事への意欲に大きな影響を与える意義実感、責任実感、成果実感の3つの心理状態を提唱した。

(5) 組織構造には、大きく分けて統制型、市場型、ネットワーク型の3種類があるといわれている。企業組織は従来ピラミッド型の統制型組織が中心であったが、多層構造で意思決定が現場から遠くスピード感に欠けることから、顧客により近い現場に権限を委譲し、意思決定を迅速化させるフラットで分権型のネットワーク型組織が注目された。

答)(2)米国ではなく、英国です。 青本・第2版 該当無し

11. 人事用語に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) ERG理論は、マズローの要求5段階説をアルダファーが修正したもので、人の欲求は、生存欲求、関係欲求、成長欲求の3階層であるとしている。一見マズローの5段階説を簡略化したように見えるが、上位階層の欲求の満足度が低い場合には、下位の欲求に対する重要度や強度が増す、としたことで決定的に異なる。

(2) ゴールデンクエスチョンは、問題解決手法の一つで、テーマの現状を点検する際に有効と考えられている。テーマは応用範囲が広く、質問は (1)うまくやれていること (2)うまくやれていないこと(3)新たにやってみたいこと(4)障害になっていることなどが構造的に構成され、現状の点検で漏れを少なくすることができる。

(3) コンティンジェンシー理論は、ある組織の構造が有効か否かは、環境によって条件付けられるとする理論である。バーンズ=ストーカーの研究から、技術革新の早い環境では有機的組織が採用されているのに対し、技術革新が比較的緩やかな安定した環境では官僚組織のような組織構造が採用される傾向があることが発見された。

(4) サーバント・リーダーシップは、グリーンリーフによって提唱されたリーダーシップのあり方で、ビジョンに向かって邁進する人達に対して奉仕するリーダーのことである。上司が現場に権限を委譲し、最も力を発揮できる環境を整え、部下を主体に上司も共に働くスタイルである。

(5) CSRは、企業の社会的責任を意味し、法令順守はもちろん、倫理実践や環境配慮、社会貢献まで含む概念として扱われる。法整備のなされていない国等でも自ら律して行動しようとする考えであり、ISOによって標準化されている。

答)(5)ISOによる標準化の動きはあるが、未だ制定されていない。 青本・第2版 記述無し

12. 雇用保険に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 取締役は原則的には被保険者の扱いを受けることはできないが、労働条件によって労働の指揮監督を受けるような立場にある者は被保険者となることが認められている。

(2) 雇用保険は、労働者が失業状態となった時に各種の給付を行う保険であり、労働者自身の生活及び雇用の安定と求職活動を容易にし、就業を促進することが目的である。

(3) 事業主・代表者は法人との雇用関係が無いため被保険者になることはできない。しかし、事業主と同居している親族は被保険者になることは認められている。

(4) 65歳以上の人の場合は65歳以前から雇用されている場合は雇用保険の適用になるが、65歳を超えてから雇用された場合は雇用保険の対象とはならない点に留意が必要である。

(5) パートタイマーは、1週間の所定労働時間が20時間以上で、1年以上引き続き雇用される見込みがあること、及び 年収が90万円以上見込めることを条件として雇用保険の適用となる。

答)(3)事業主と同居の親族も被保険者にはなれません。 青本・第2版 記述無し

13. 人間関係管理に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 人間関係の円滑化は作業能率の向上に不可欠な要素であるが、人的インセンティブ以外のインセンティブも重要であり、行動科学的アプローチの持つ意味が明らかとなる。

(2) 組織は、技術的組織と人間関係組織の二面性を持ち、後者は公式組織と非公式組織からなると考えられている。非公式組織は、業務を通じて自然発生的に生じる組織であるため、管理側組織の積極的なアプローチは控えるべきである。

(3) 人的インセンティブの源泉は、非公式組織にある場合が多く、人的資源の育成環境は非公式組織の形成と共にあると言える。

(4) 非公式組織は、一つの単位として同じ働きをするため、力の源泉となり組織の力関係が決定される。

(5) どの程度働くべきか、どの程度規律を守るべきかなどの職場における行動規範は、非公式組織の中で決定される場合が多い。

答)(2)管理側組織の積極的なアプローチが重要です。 青本・第2p83

14. 労働関係法に関する次の記述の中で、正しいものを選び答えよ。

(1) 労働関係調整法は、団結権の労働条件基準を規定している。

(2) 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、5年を超える期間について締結してはならない。

(3) 労働基準法は、労働条件権基準を規定し、他の労働条件基準を規定する法律の上位法令である。

(4) 労働組合法は、団結権であるが、関連法律が労働権にもある。

(5) 常時10人以上の労働者を使用する組織の使用者は、就業規則を作成し、労働基準局に届け出る必要がある。

答)(3) (1)労働条件基準ではなく、団結権に属します。

(2)5年は特例措置で、通常は3年です。

(3)労働条件基準を規定します。

(4)労働権に労働組合法の関連法律はありません。

(5)労働基準局ではなく、労働基準監督署です。

青本・第2p75

15. 日本における労使関係管理について、次の記述の中で間違っているものを選び答えよ。

(1) クローズドショップ制とは、組合員資格を持っていることが従業員資格を得るための前提条件となっており、職能別組合がこれに当たる。

(2) 団体交渉権に基づく交渉には法的な規制が無く、労使対立の発生が避けられないが、交渉がまとまり結果を明文化すれば労働協約となる。

(3) ホワイトカラーとブルーカラーが同一組合に組織されるのは、企業別組合の特徴の一つである。

(4) ユニオンショップ制とは、正社員となれば必ず強制的に企業別組合に加入しなければならず、産業別組合の特徴の一つである。

(5) 労働委員会の裁定が拘束力を有するのは仲裁で、非公式に仲介するのは斡旋である。また、労働委員会が調停案を作成し受諾勧告を行うのは調停である。

答)(4)産業別組合ではなく、企業別組合です。 青本・第2p78

16. 雇用管理に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 部長、課長、係長などは、役職資格区分と言われ、仕事の重要度に応じて決定されるものである。

(2) 産業の成熟化に伴い、雇用調整の必要が生じ、長期雇用の維持が困難となってきており、終身雇用制崩壊の原因となっている。

(3) 長期雇用を維持するためには、長期勤続者に地位とポストを準備する必要があるが、これは企業コストの高騰を招き、同時に若年労働者の機会を奪う結果となる。

(4) 年齢や勤続年数、能力、技能の視点から決定される区分として、職能資格区分があり、参事、主事などがこれに当たる。

(5) 日本における雇用の特徴は、年功序列・終身雇用・産業別組合が挙げられるが、近年はこの特徴が壊れてきている。

答)(5)産業別組合ではなく、企業別組合です。 青本・第2p82

17. 組織の形態と文化に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 組織文化のうち、思考様式の均質化の傾向が強まると、変化への対応が困難となり、自己保存本能という傾向が強まると、組織自体ではなく組織文化の存続を優先させる恐れが生じる。

(2) 組織文化は、価値観、信念、行動規範の3要素からなるもので、組織形態をハードとすると、組織文化はソフトに相当する。

(3) 組織文化には様々なタイプがあり、変化を機会と考える挑戦タイプや、合議制による安定的組織ではあるが、変化への対応のレスポンスが鈍くなる可能性のある巨漢タイプなどがある。

(4) 組織形態とは、分業と調整の体系を指し、分業関係、部門分化、権限分化、伝達・調整関係・公式ルール化の5要素を明確化する必要がある。

(5) 単一事業型の大企業は、職能別組織を採用しているケースが多く、複数事業を運営する企業は、事業部制組織を採用するケースが多い。また、マトリックス組織は、職能別組織と事業部制の組織の2つを併せた組織であり、二次元的な組織編成を行うものである。

答)(4)権限分化ではなく、権限関係です。伝達・調整関係ではなく、伝達・協議関係です。 青本・第2p71

18. プロジェクト(PJ)管理の構成要素の組み合わせで正しいものを選び答えよ。

(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)

 

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

(f)

(1)

戦略策定

PJ外部との調整

スケジュール調整

コスト調整

経営資源調整

要員調整

(2)

組織戦略決定

スケジュール調整

コントロールフェーズ把握

制約条件把握

リスクマネジメント

コスト調整

(3)

組織目標策定

PJ外部との調整

制約条件把握

経営資源調整

要員調整

ステークホルダー把握

(4)

PJ目標の決定

リスク把握

経営資源調整

フェーズ調整

コスト調整

制約条件把握

(5)

PJ目的の決定

要員調整

コスト調整

コントロールフェーズ把握

リスクマネジメント

経営資源調整

答)(1) 青本・第2p84

19. 非公式組織と関係が深い用語の組み合わせはどれか選び答えよ。

 

(a)

(b)

(c)

(1)

物質的インセンティブ

物質的欲求

テーラー

(2)

評価的インセンティブ

周囲の尊敬欲求

サイモン

(3)

人的インセンティブ

連帯欲求

バーナード

(4)

自己実現インセンティブ

自己実現欲求

メイヨー

(5)

理念的インセンティブ

連帯欲求

ミンツバーグ

答)(3) 青本・第2p70

20. 組織文化に関する記述の中で、最も不適切なものを選び答えよ。

(1) ピーターズ=ウォーターマンは、キャッシュフローといった財務面を重視するそれまでの分析的戦略論とは異なり、明確な組織文化を構築し、価値観の共有化を図ることによってマネジメントを行っている企業の優良性を発見した。

(2) シャインは、組織文化の機能を、外部環境への適応、内部統制、組織メンバーの不安除去の3つを挙げている。

(3) 組織文化の共有は、経営理念やビジョン、行動規範などの文書化が第一のステップとなり最も重要であることから、理解しやすく、共感を得やすい表現が求められる。

(4) 加護野は、組織文化の機能を、強い心理的エネルギーの導出、公式的情報伝達とコントロールの負荷低減、組織の弾力的行動性実現、顧客に対する企業イメージと信頼性形成効果という4つを挙げている。

(5) 組織文化が生成される要因は、革新、伝播、内的伝播、統合、選択的排除、社会化の6つがあると言われている。

答)(3)文化の共有は「しつけ」によって行われるとされています。 青本・第2p71

21. 賃金管理に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 基本給の決定方法には職務給、職能給、属人給の3とおりがあり、各配分ルールに従って決定される。

(2) 労働分配率=賃金総額/付加価値額

(3) 労働生産性=付加価値額/従業員数

(4) 諸手当には、通勤手当、家族手当、住宅手当、役付手当、職務手当、技能手当、精皆勤手当などがあり、基本給の補完の役割を果たすが、基本給のもつ処遇序列を大きく乱さない範囲での適用が求められる。

(5) 賃金管理は、総額管理と個別賃金管理で構成され、個別賃金管理は基本給と諸手当など賃金構成要素を決定することである。

答)(4)職務手当は存在しません。そもそも職務に対する報酬が給与です。 青本・第2p77

22. 人事考課管理に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 人事考課の評価要素は、教育訓練と連動させ、評価結果の改善方法の明確化が求められると共に、フィードバックの実施が重要で、査定主義から能力開発重視へとシフトしてきている。

(2) 人事考課管理における評価基準は、能力・姿勢・業績の3領域を対象とし、能力・姿勢をインプット、業績をアウトプットと見る。

(3) 人事考課管理において能力と姿勢の評価を重視すると、業績向上のインセンティブが作用しない。逆に、業績優先の評価では短期成果の要求が高まり能力と姿勢の向上に対するインセンティブが損なわれる傾向がある。

(4) 賞与には姿勢評価と業績評価が専ら用いられ、昇級・昇進には能力評価で行われる場合が多い。

(5) 人事考課管理の中で従業員評価は、客観性、公平性、透明性、加点主義を重視し、従業員の納得を得ることが重要である。

答)(4)昇級・昇進は、姿勢評価と業績評価を中心としながら、能力評価を含めることがあるとしています。 

青本・第2p89

23. 労働基準法に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に一斉に与えなければならない。

(2) 使用者は、その雇入れの日から起算して12箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

(3) 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

(4) 平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。

(5) 使用者が、午後10時から午前5時までの間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の25分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

答)(2)12箇月間継続勤務ではなく、6箇月です。 青本・第2p74

24. 教育訓練管理に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) ケース・スタディや課題研究法などの手法が用いられる問題解決能力開発は、組織が要求する課題設定や問題解決能力の養成を目的としており、教育訓練手法の重要な柱である。

(2) ブレイン・ストーミングやイメージ・トレーニングは、創造性開発を目的とした教育訓練手法として位置づけられており、またコミュニケーション・トレーニングも組織能力開発として有力な教育訓練手法と認識されている。

(3) 新入社員や管理職研修など、組織の階層に応じた対象者に対する研修は、階層別教育訓練として体系の一つに位置づけられている。

(4) 教育訓練には4つの能力が求められており、課題設定能力、職務遂行能力、対人能力、課題解決能力である。

(5) 組織全体に共通した課題を対象として実施されるのが、課題別教育訓練であり、実習形式で仕事に生かす技能のスキルアップを目的とするのが技能教育で、これらは共に教育訓練手法として用いられる。

答)(5)課題解決教育訓練は、教育訓練体系です。 青本・第2p87

25. 雇用管理に関する次の記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 専任職とは、特定分野について能力の高い専門家であり、その分野に限定して業務を担当する人を対象に配置する職種である。

(2) 総合職の一般社員を管理職ではなく、専門職や専任職へ昇格させる昇進や処遇の体系を複線型昇進体系と呼び、管理職ポスト不足の解決策として採用されている。

(3) パートは直用社員でありながら、非正社員として位置づけられ、短期雇用の社員であり、法律的な位置づけはアルバイト同じである。

(4) 雇用管理は、採用条件と選考方法の明確化が重要であり、経営計画と職務設計に基づいた客観性と合理性の確保が必要である。

(5) 総合職は、ホワイトカラーの中で基幹的業務を分担し、補助的業務を受け持つ一般職と区別され、全国、全世界どこへでも転勤させられる。

答)(1)専門職の記述です。 青本・第2p81

26. インセンティブに関する下記の文章について、カッコに入れるべき適切な用語の組合せを選んで答えよ。

マズローは、人間の欲求5段階説と唱え、(a)欲求、安定的欲求、(b)欲求、周囲からの尊敬欲求、(c)欲求とした。

人の行動には3通りのパターンがあるとされ、利己的な行動の(d)行動、集団の雰囲気に影響される(e)行動、組織利益を考慮した合理的思考の(f)行動に対して、適切なインセンティブの付与が必要とされている。

 

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

(f)

(1)

物質的

評価的

共同

個人的

組織的

論理的

(2)

経済的

理念的

論理的

経済的

共同的

集団的

(3)

経済的

共同

評価的

物質的

集団的

組織的

(4)

物質的

連帯

自己実現

経済的

情緒的

管理的

(5)

論理的

情緒的

評価的

物質的

感情的

総合的

答)(4)  青本・第2p70

27. プロジェクト組織に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) タスクフォースの長所は、タスクフォースで獲得された新たな知識・情報が、多様なメンバーの存在から組織全体へ普遍化され易い面である。

(2) プロジェクト・チームとタスクフォースはほぼ同義に用いられるが、プロジェクトチームのほうが比較的長期間にわたる大きなテーマを扱う場合が多く、タスクフォースは緊急性の高い問題の処理にあたる場合が多い。

(3) タスクフォースの長所は、柔軟かつ速やかに問題に対処でき、一定期間にエネルギーを集中するため、高い成果が期待できる点にある。
(4)
タスクフォースの対局は、ビューロクラシーに代表されるヒエラルキー型組織で、今後の組織的知識創造に最も適したマネジメントスタイルとして、ミドルアップダウンを基本とする「ハイパーテキスト型組織」が提唱されている。

(5) タスクフォースとは、特定の課題を達成するために一時的に設置される組織のことで、もともとは軍事用語で「機動部隊」を指し、メンバーは組織内の各部署から横断的に抜擢される。

答)(1)タスクフォース解散と共に有益な情報や知識が消滅する点が短所です。 青本・第2p84

28. 育児休業に関する記述の中で、正しいものを選び答えよ。

(1) 事業主は、育児や家族の介護を行う労働者が請求した場合には、1か月24時間、1150時間を超える時間外労働をさせてはならないが、勤続1年未満の場合など、法令に定める一定の要件に該当する者は請求できません。

(2) 一定の範囲の期間雇用者を除く労働者は、申し出により、子が1歳に達するまでの間、育児休業をすることができる。

(3) 労働者は、申し出により、要介護状態にある対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに1回の介護休業を取得することができる。期間は通算して90日までである。

(4) 小学校就学前の子を養育する労働者は、申し出により、1年に7日まで、病気・けがをした子の看護のために、休暇を取得することができる。

(5) 「要介護状態」とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、3週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態を言う。

答)(1) (2) 一定の範囲の期間雇用者も取得可能です。

(3)期間は通算して93日です。

(4)1年に5日まで取得可能です。

(5)3週間以上ではなく、2週間以上です。 

青本・第2p76

29. リーダーシップに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) リーダーは、組織の仕事を実行し成果を達成する責務を負い、構成員の支持を前提とした明確な指示が求められる。

(2) リーダーは、コンピテンシーを示す必要があり、また近年はファシリテーターとしての役割が求められるようになってきている。

(3) リーダーは、マーケティングの4P3Cを理解し、MECEなどロジカルシンキングに基づく経営戦略的な対応能力を身につけることが求められている。

(4) リーダーは、組織としての経験や知識をストックする仕組みを作り、教育・研修の実施や職場環境の整備など組織の機能維持を果たす能力が求められる。

(5) 近年はマーケティングの4Pから顧客の3Cへ軸足が移行しつつあり、リーダーはこのようなトレンドに対する洞察も行うことが求められている。

答)(5)3Cではなく4CCustomer ValueCost to the CustomerConvenienceCommunication)です。 

青本・第2p72

30. 賃金管理に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 法定労働時間を超えてさせる時間外労働、法定休日にさせる休日労働は、過半数組合等と一定の労使協定書を締結し、届け出しなければ行わせることができない。また、労働基準法第37条に基づき、時間外労働に対し125%以上、休日労働に対し135%以上の割増賃金支払が義務づけられている。

(2) 賃金の考え方は、生産力説、交渉力説、生計費説、需要供給説があり、生計費説はさらに生存費説と労働力再生産費説に区分される。

(3) 賃金支払い5原則は、通貨で・全額を・毎月1回以上・一定期日に・直接労働者に支払うことである。

(4) 個別賃金管理4要件とは、労働時間・労働能力・職務・職務成果である。

(5) 賃金額管理には、総額管理と個別賃金管理があり、賃金制度管理には、給与形態・給与体系・賞与制度・退職金制度がある。

答)(4)労働時間ではなく、生計費です。 青本・第2p75

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]問1.緊急時の情報収集に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 緊急時の意思決定は時間的な制約が大きく、正確且つ迅速な情報が要求されるため、情報収集は可能な限り多くの情報を収集する意識が重要で、収集後のスクリーニングによって正確性を確保する必要がある。

(2) 緊急時の情報収集においては、分析や判断を混乱させる利用不能な情報の氾濫を防ぎ、収集すべき必要情報の種類や内容を事前に検討し、整理しておくことが重要である。

(3) 緊急時の情報管理の特徴は、必要な情報の入手が困難、情報精度の低下、通常時とは異なる心理作用に伴う行動などを考慮して行わなければならない点にある。

(4) 緊急時の情報収集は、何よりも緊急事態の早期発見が第一である。自然災害に比べ発見が遅れる可能性のある事故や事件に対しては、事前に対象事象の検討と早期発見の仕組みを構築することが重要である。

(5) 緊急時には通常時の情報収集方法が使用不可能な場合があるため、情報連絡網の複線化などあらゆる手段の多重化を事前に検討し、迅速且つ確実な情報収集手段を準備しておくことが重要である。

答)(1)多ければ良いという訳ではありません。必要且つ十分な情報の質・量が重要です。 青本・第2p105

]問2. インターネット技術に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) SGMLは、インスタンスDTDSGML宣言3つで構成されたテキストデータであり、これに準拠し応用されたのがHTMLである。

(2) HTMLでは < > 山括弧で囲ってある部分がtagと呼ばれるmarkup命令であり、それらの命令で挟まれている部分が実際の文書内容である。

(3) XMLは、データを記述するmarkup言語を定義するためのメタ言語であり、HTMLから派生した言語である。

(4) markup言語は、視覚マークアップ、手続きマークアップ、意味マークアップの3種類に分類される。

(5) markup言語はコンピュータ言語の一種で、文章の構造(段落など)や見栄え(フォントサイズなど)に関する指定を文章とともにテキストファイルに記述するための言語であり、現代において最も有名なmarkup言語は、World Wide Webの基盤技術の1つであるHTMLである。

答)(3)XMLSGMLから派生したメタ言語です。 青本・第2p118

]問3. ネットワーク社会と関連法規に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 個人情報保護法第23条は、個人情報取扱事業者は、法令に基づく場合や人の生命、身体又は財産の保護などを目的とし本人の同意が困難な場合などを除いて、予め本人の同意を得ることなく個人データを第三者に提供してはならないと規定している。

(2) 10,000件を超える個人情報をDBとして保有する企業は、個人情報取扱事業者とみなされ、情報の取扱に相応の注意が必要である。

(3) 個人情報保護法第26条は、個人情報取扱事業者が保有する個人データについて、本人から本人が識別される個人データについて、内容が事実と相違するとの申し出があった場合、特別な場合を除き速やかに調査を行い、その結果に基づき対応する義務を負うことを明記している。

(4) 情報ネットワークを利用した情報通信においても、名誉や信用の保護を規定する法律として刑法や民法が該当し、損害賠償は民法によって賠償請求が可能である。

(5) 個人情報保護法第15条は、個人情報取扱事業者は、個人情報の利用目的を可能な限り限定しなければならないと規定している。

答)(2)5,000件を超える個人情報を一定の規則に従って整理し、検索を容易に行えるよう体系化したDBとして保有

する場合が、個人情報取扱事業者です。 青本・第2p112

]問4. インターネット技術に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) VoIPは、音声を各種符号化方式で圧縮しパケットに変換した上でIPネットワークでリアルタイムに伝送する技術である。

(2) デジュール・スタンダードは、公的な標準化機関が定めた標準であり、業界標準のデファクト・スタンダードとは性格が異なる。

(3) デジタル・デバイドは、コンピュータの操作能力の高低が生み出す情報格差のことで、デジタル・オポチュニティは、情報化の進展に伴うパラダイム・シフトにより従来の強者が弱者に変わるという意味である。

(4) ウェブ・アクセシビリティは、身体的機能の弱者でも情報へのアクセスが容易なことである。

(5)ユビキタスネットワークは、コンピュータということを人に意識させないで、コンピュータ同士が自律的に連携して動作することにより、人の生活を支援する技術、環境を指す。

答)(3)強者が弱者になるのではなく、弱者が強者に転換する機会を指します。 青本・第2p119120

]問5. ネットワーク社会に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) ネットワーク社会における高度情報通信技術は、世界規模の公共財と見なすべきであり、秩序維持のための法律やルールは、ネットワーク社会のメリットを阻害する要因となる可能性が高いため、厳格な制限は設けるべきではないという見解が支配的である。

(2) 2000年に制定された高度情報通信ネットワーク社会形成推進法の中で、高度情報通信ネットワーク社会をインターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて自由且つ安全に多様な情報または知識を世界的規模で入手・共有・発信することにより、あらゆる分野の創造的な活力ある発展が可能な社会と定義している。

(3) 高度情報通信技術を利用したネットワーク社会では、多数の受け手に対する情報発信が容易であるばかりでなく、コピーや移動も容易で、たとえ重要な情報であっても、組織外と物理的にはつながっている場合がある。

(4) 高度情報通信技術を利用したネットワーク社会で取り扱う情報の種類は文字、音声、画像や映像など多種に亘り、近年ではお金や信用までも交換される情報の中に入ってきた。

(5) 高度情報通信技術を利用したネットワーク社会は、コンピュータの高度利用を前提とし、情報の共有・交換が世界規模で、しかも迅速且つ容易に、そして安価に行える社会である。

答)(1)ネットワークの利便性から他人の権利を侵害することが容易であるため、一定の法律とルールは不可欠です。 

青本・第2p109

]問6. 情報セキュリティに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 不正侵入を防御するファイアウォールやウイルス/ワームなどの対策は、情報セキュリティの一環として対策されるものであり、外部情報管理機能対策に該当する。

(2) 情報セキュリティに要求される要件の一つに可用性があり、この対策にはシステム管理やバックアップなどの仕組みが必要となる。

(3) 情報セキュリティに要求される要件の一つに完全性があり、これは情報が改ざんなどされず、正確、完全である状態を維持することを求めている。

(4) ユーザー認証やアクセス制御、データ暗号化などの対策、或いはシステム管理やバックアップなどの仕組みは、内部情報管理機能対策に該当する。

(5) 情報セキュリティに要求される要件の一つに機密性があり、これはネットワーク上で扱う情報が外部に漏れることなく、許可されたユーザーのみが確実に情報にアクセスできることを要求している。

答)(1)内部情報管理機能の強化です。 青本・第2p121

]問7. 独占禁止法とコンプライアンスプログラムに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 独占禁止法違反かどうかを正しく判断することは、大企業の一般社員レベルでは困難な場合が多く、弁護士など専門家に依頼してコンプライアンスプログラムを導入するケースが増加している。

(2) コンプライアンスプログラムとは、独占禁止法違反などの法令違反に発展しそうな組織活動全般を洗い出し、マニュアルの作成と組織全員に対するコンプライアンスの徹底により法令違反のリスクを回避する活動である。

(3) 市場の私的独占を禁ずるのは、ライセンサーがライセンシーに対して、競争原理の枠を超えて新規開発や新規参入を阻害し、競争秩序に悪影響を及ぼすためである。

(4) クロスライセンスやパテントプールの契約関係を利用して、製品の販売地域を制限したり、販売価格や製造数量を制限したりする行為は、新規参入を阻害する可能性が高く、独占禁止法違反に該当する。

(5) 独占禁止法は、私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法を禁止しているが、クロスライセンスやパテントプールは認めている。

答)(1)大企業ばかりでなく、成長途上の中小企業でも独占禁止法違反に抵触する事業活動の可能性がある。 

青本・第2p103

]問8. オープンソース・ライセンスに関する記述に中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 特定製品に依存せず、技術的な中立を保つこと

(2) 個人やグループの差別や、適用領域に基づいた差別をしないこと

(3) 差分情報の配布を認める場合には、同一性の保持を要求しないこと

(4) ソースコードの入手が可能で、派生物の存在が許可され、派生物に同じライセンスを適用できること

(5) 自由な再配布が可能で、再配布において追加ライセンスを必要としないこと

答)(3)同一性の保持を要求しても構いません。 青本・第2p119

]問9. インターネット技術に関する技術の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) Aさんは自分の秘密鍵で文書とBさんの共通鍵を暗号化し、Bさんへ送信した。BさんはAさんの公開鍵で添付された暗号文書と暗号化された共通鍵を復号した。

(2) AさんはBさんの公開鍵を使って文書を暗号化し、Bさんへメールで暗号化文書を送信した。Bさんは自分の秘密鍵を使ってメールに添付された暗号化文書を復号した。

(3) Aさんは共通鍵を使って文書を暗号化し、同時にBさんの公開鍵を使って共通鍵を暗号化した。そして、Bさんへメールで暗号化文書と暗号化した共通鍵を送信した。Bさんは自分の秘密鍵で暗号化された共通鍵を復号し、これを用いて暗号化文書を復号した。

(4) Aさんは共通鍵を使って文書を暗号化し、Bさんへメールで暗号化文書を送信した。Bさんは同じ共通鍵を使ってメールに添付された暗号化文書を復号した。

(5) Aさんは文書からハッシュ関数を使ってダイジェストを作成し、これを自分の秘密鍵で暗号化する。Aさんは文書と暗号化したダイジェストをBさんへメールで送信した。BさんはAさんの公開鍵でダイジェストを復号すると同時に、添付された文書をハッシュ関数でダイジェストを作成し、両者が一致することを確認した。

答)(1)文書が間違ってCさんへ届いても簡単に開けられてしまいます。(5)は電子署名の概念です。 

青本・第2p118

]問10. データマイニング技術に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) スーパーでビデオを買った人のうち、ガムテープを買う人が多いと判定された場合、両者を同じ場所に置いたり、本Aを買う人は、後に本Bを買うことが多いと判定された場合、購入者に本Bを薦めるダイレクトメールを送るなどといったことは、データマイニング技術の応用である。

(2) クラスタリングとは、同じクラスタのデータならば互いに似ていて、違うクラスタならば似ていないようなデータの集まりとしてデータの集合をクラスタと呼ぶグループ分類する技術であり、Webの閲覧パターンデータから、類似したものをまとめることで閲覧傾向が同じ利用者のグループを発見する場合などに利用される。

(3) データマイニングとは、統計学,パターン認識,人工知能等のデータ解析の技法を大量のデータに抽出的に適用することで知識を取り出す技術の総称で、通常のデータの扱い方からは想像が及びにくい、予見的な知識獲得が可能であるという期待を内包する概念である。

(4) 相関ルール抽出とは、データベースに蓄積された大量のデータから、頻繁且つ同時に生起する事象同士を相関の強い事象の関係、すなわち相関ルールとして抽出する技術であり、POSやインターネットショッピングの購買履歴をアプリケーションとしたバスケット解析が著名である。

(5) データマイニングの発展は、デジタル形式でのデータ収集、リレーショナルデータベースとSQLに基づくオンデマンドで動的なデータ解析、データウェアハウスによるデータの蓄積がトリガーとなっている。

答)(3)抽出的ではなく、網羅的です。また、予見的ではなく、発見的です。 青本・第2p96

]問11. 緊急時の広報に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 外部に対する広報では、情報提供者の視点だけでなく、受け手側の視点を欠くことはできない。無理な自組織弁護や技術的専門用語の多様を避け、通常時とは異なり、問題が無いことを広報することに重要な意味のあることを理解した対応が必要である。

(2) 緊急時には組織内部における情報伝達と共に、外部に対する広報も重要で、緊急時の広報には、大別して三つの目的があり、近年危機広報という新たな概念が出てきた。

(3) 安心のための広報は、社会的信頼性を確保するための広報活動であり、緊急時における社会に対するアカウンタビリティを果たすための情報公開の一部とみなす考えもある。

(4) 安心のための広報に失敗すると、組織の社会的信頼性低下など二次的被害の発生が避けられないため、誤解や不安感を与えない広報を心がける必要がある。

(5) 安全のための広報は、人的被害低減のための広報活動であり、緊急性が高く、迅速な広報の必要性が高い点に特徴がある。

答)(2)三つではなく、二つです。 青本・第2p107

]問12. 知的財産権に関する記述の中で、正しいものを選び答えよ。

(1) 著作権は、著作者の死亡から50年保護され、この権利に限っては出願が不要とされている。

(2) 商標権は、商品・役務に関するマークを対象とし、商標法と不正競争防止法により出願から10年保護される。

(3) 半導体集積回路は登録から10年保護され、育成者権は登録から20年保護される。

(4) 意匠権は、美観・新規性・創作性のある物品の形状・模様・色彩に関するデザインを、意匠法により出願から15年保護される。

(5) 実用新案権は、物品の形状・構造・組合せに関する考案を対象とし、実用新案法により出願から6年保護される。

答)(1) (2)登録から10年保護されます。

(3)育成者権は、登録から25年保護されます。

(4)不正競争防止法も該当します。また、登録から20年保護されます。

(5)出願から10年保護されます。 

青本・第2p100(法改正に伴う)

知的財産権

(関連法規)

知的財産権として対象とするもの

保護期間

工業所有権

特許権

(特許法)

自然法則を利用した新規性のある産業上有用な発明

出願から20

(延長登録があった場合は最長25年)

実用新案権

(実用新案権)

物品の形状・構造・組合せに関する考案(小発明)

出願から10

意匠権

(意匠権、不正競争防止法)

美観・新規性・創作性のある物品の形状・模様・色彩に関するデザイン

登録から20

商標権

(商標法、不正競争防止法)

商品・役務に使用するマーク(文字・図形・記号など)

登録から10

(更新の繰返しで半永久的権利)

著作権

(著作権法)

思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸・学芸・美術または音楽の範囲に属するもの

著作者の死亡から50

(出願は原則不要)

(法人は公表後50年、映画は公表後70年)

 

]問13. 情報リスクに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 情報リスクの診断項目は、ウィルス対策、内部不正対策、教育運営管理、事故・災害対策、バックアップ対策、システム運用管理などがある。

(2) 情報管理機能対策としては、暗号化・誤発信防止、文書や記録媒体などの廃棄手続きの徹底、ハードの転倒防止対策としてUPSの設置、ハードの負荷分散対策、室温管理などがある。

(3) 不正アクセスには、ファイアウォール、適切な権限付与、ソーシャル・エンジニアリング対策に基づくパスワードの適正な管理と利用などがある。

(4) コンピュータウィルス対策としては、不正コピーの防止、ダウンロード規制、ウィルス対策ソフトとその更新、不確かな送信元のメールの取扱などがある。

(5) 情報リスク診断には、シミュレーション診断、直接診断、チェックリスト診断、ヒアリング調査などがある。

答)(2)暗号化・誤発信防止は情報漏洩対策で、UPSは停電時対策です。 青本・第2p126

]問14. ネットワーク社会と関連法規に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 組織内のネットワーク利用規則や通信傍受法に基づく情報の閲覧は、通信内容の秘密やプライバシーを保護する法律の適用から除外され、合法化される。

(2) インターネット上でわいせつな文書や映像などの公開は、刑法第175条により禁じられており、これに違反した場合は2年以下の懲役又は250万円以下の罰金などが科される。

(3) 情報ネットワークにおける通信内容の秘密やプライバシーは、憲法第21条第2項及び有線電気通信法第9条により保護され、第三者が通信内容を不正に閲覧することを禁じている。

(4) 有料のソフトウェアとは異なり、フリーウェアは著作権を放棄しているため、無料で使用できる上にコピーも自由であることから一般に広く普及している。

(5) 著作権法第30条及び32条第1項によれば、著作物の私的利用など限定的な範囲で複製・引用・転載が許可されているが、ソフトウェアの許可ライセンス数以上の使用や容易にダウンロード可能なシェアウェアに対する対価不払いは違法である。

答)(4)著作権を放棄していると、作者がことさら記述しているものを除き、著作権は保有しいると考えるのが妥当で

す。

青本・第2p111

]問15. 情報システムに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 情報システム関連業務のアウトソーシングは、情報管理の視点から、リスク管理や情報セキュリティに十分な配慮が必要であり、契約にあたっては責任の明確化の視点からシステム単位とすることが重要である。

(2) 組織における情報システム統合化の要求から出現したシステムに、ERP,CALS,SCMなどがあり、普及が拡大している。

(3) 1990年代前半、オープンシステムとネットワーク、ダウンサイジング、マルチメディアの頭文字を取って「ネオダマ」と称するコンピュータ業界のキャッチフレーズが存在した。

(4) 情報システム統合は、設計思想からデータ構造に至るまで様々なレベルで違いのあるものを統合する作業となるため極めて困難な作業と言える。このため、今後の情報システムは、共有化、統合化を意識した設計を行うべきである。

(5) 情報システムの運用コストや組織業務の拡大・変化に伴う情報システムの改良・変更要求は増大している。このため、TCOの重要性がますます増大している。

答)(1)責任の明確化も一つの視点ですが、むしろ自社にノウハウの蓄積が必要であるか否かで契約範囲を判断すべき

です。 青本・第2p98

]問16. コンピュータウィルス等に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) ワームは、コンピュータに単独で侵入、感染し、活動を行う不正プログラムを指し、あるシステムからあるシステムに感染しようとする時に宿主となるファイルを必要としない。ネットワークを介して、攻撃先のシステムのセキュリティホールを悪用して侵入する事が多い。

(2) ボットは、ソースコード公開により亜種の作成が容易で、メールや不正アクセス等の手段により広範囲に感染拡大し、バックドア等により悪意を持った者がパソコンを不正に制御できるなどの、複合的で高度な機能を持つ不正ソフトウェアを指す。

(3) コンセプトウィルスは、ある種のセキュリティホールの問題を提起するため、技術的な実証実験に用いられるコンピュータウイルスで、ハードディスクの内容変更やデータの消去などといった、危険な挙動をしないため、悪意のあるウィルスとは区別される良性ウィルスである。

(4) コンピュータウィルスは、生物学的なウイルスと同様に「他のプログラムに寄生して自分自身の複製をつくることのできるコンピュータプログラム」であることに加え、「ユーザの意図と無関係に自己複製を行い、多くの場合不利益をもたらす」プログラムのことをさす。

(5) ロジックボムは、メールの添付ファイルの閲覧、及びWeb上のプログラムのダウンロードを介して、コンピュータに侵入するプログラムを指し、指定時刻の到来など、システム上における条件が満たされると自動的に動作を開始し、データの破壊、盗用などを行った後、最終的に自分を消滅させる。

答)(3)コンセプトウィルス自体は良性ですが、これを利用して派生種が作成される危険性があります。 

青本・第2p125

]問17. 組織における意思決定と情報に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 緊急時においては、開示基準が重要な意味を持ち、組織が社会的信頼性を喪失するような事態に陥らないことを優先に情報開示を行うべきであり、情報セキュリティの範囲における情報も例外ではない。

(2) 開示情報には、アカウンタビリティのための組織活動報告や広告・宣伝などのPR情報があり、開示の可否については従来灰色の情報は非開示と扱うケースが多かった。

(3) 組織活動は組織内外の情報を活用し様々なレベルでの意思決定が行われる。このため情報の質・量を含む体系化と組織内の意思決定課題に関する内容と種類の体系化が、機能的にインターフェースされることが重要となる。

(4) 組織外に発信する情報には、開示情報と非開示情報があり、その区分は意思決定問題と言える。財務諸表などはアカウンタビリティ情報と言え、市場競争力や顧客情報は非開示情報と言える。

(5) 情報公開は、組織としての戦略手段の一つとして活用できることから、組織内の開示基準と開示の手続きを明確化し、適切に運用することが重要である。

答)(1)組織の社会的信頼性喪失と情報セキュリティのどちらのプライオリティが高いかは一概に決定できません。 

青本・第2p96

]問18. セキュリティポリシーに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 情報セキュリティポリシーは、継続的な情報収集及びセキュリティ確保の体制を構築しておくこと、また「いかに破られないか」のみならず「破られたときどうするか」についての対策も適切に規定し、当該規定に基づいた対策を十分に構築しておくことが重要である。

(2) 情報セキュリティポリシーは、策定することによって完結する一過性の取組みではなく、情報セキュリティポリシーの策定及びそれに続く日々の継続的な取組みによって確保される性質のものであることを十分に認識するべきである。

(3) 情報セキュリティポリシー及びこれに関連する実施手順等の規定類を早いサイクルで見直すことによって、情報資産に対して、新たな脅威が発生していないか、環境の変化はないかを確認し、継続的に対策を講じていくことが必要である。

(4) 情報セキュリティとは、情報資産の機密性、完全性及び可用性を維持することであり、そのポリシーは、どのような情報資産をどのような脅威から、どのようにして守るのかについての基本的な考え方並びに情報セキュリティを確保するための体制、組織及び運用を含めた規定である。

(5)情報セキュリティポリシーは、組織のトップが深く関与し、電磁気的に記録された情報資産に対して自ら策定すると同時に実行可能性の高いものを策定する必要がある。

答)(5)電磁的に記録されたものだけでなく、すべての情報資産が対象となります。 青本・第2p122

]問19. ネットワーク社会と関連法規に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 不正アクセス禁止法において、特定のアクセス制御を有する端末に関して、認証情報(ID・パスワードなど)をその端末利用者や管理者以外の人間に漏らしたり流布することは、不正アクセスを助長する行為として犯罪とみなされる。

(2) 不正アクセス禁止法において、なりすまし以外の攻撃手法を用いて、認証サーバをだまし、それに従属する目標の端末を利用可能にする行為は犯罪である。

(3) 不正アクセス禁止法において、目標の端末を利用可能にするために、その端末の属するネットワークのゲートウェイ端末のアクセス認証をだまして、その内部ネットワークの目標に達することは犯罪である。

(4) 不正アクセス禁止法では、システム管理者は担当するシステムが不正アクセスに遭わないよう、常に適切な管理措置を講じる必要があると努力義務を規定している。

(5) 不正アクセスが発生した場合、緊急的な対応として、まず最初に行うべきことは、サーバをネットワークから急いで切り離すことである。

答)(5)まずすべきことは、コンソールから管理者でログインし、状況を確認します。この場合、絶対にログアウトし

てはなりません。2度とログインできなくなることがあります。電源も切断してはなりません。 

青本・第2p112

]問20. 知的財産権に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 特許権、実用新案権、意匠権、商標権及び育成者権は、客観的内容を同じくするものに対して排他的に支配できる「絶対的独占権」と言われ、著作権、回路配置利用権、商号及び不正競争防止法上の利益は、他人が独自に創作したものには及ばない「相対的独占権」と言われる。

(2) プロパテント政策とは、「特許を重視する政策」であり、特許権などの知的財産権の保護を強化することにより、研究の価値を創出させようとするものである。そして、新規技術開発や権利利用を促進させ、産業の活性化に基づく科学技術創造立国を実現しようとするものである。

(3) 知的財産権のうち、特許権、著作権、実用新案権、意匠権及び商標権を産業財産権と言う。

(4) 知的財産権は、特許権や著作権などの創作意欲の促進を目的とした「知的創造物についての権利」と、商標権や商号などの使用者の信用維持を目的とした「営業標識についての権利」に大別される。

(5) 日本では先願主義を採用しているが、米国では先発明主義を採用している。先発明主義は、特許成立後に新たに先発明者の存在が明らかになることがあり、権利の不安定化を招いたり、発明日の確定が困難なため、先発明者の確定手続において多大な費用、期間及び労力を要するなどの問題がある。

答)(3)著作権は産業財産権に含まれません。 青本・第2p100

]問21. 情報ネットワーク技術に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) LAN上では、すべてのパケットがLAN上で接続されたすべてのパソコン等のノードに届いている。

(2) MACアドレスはMedia Access Controlアドレスのことで、工場出荷時に世界中でユニークになるような MACアドレスが振られていて、1バイト目から3バイト目までが国別コード、4バイト目から6バイト目までが国毎の連番と規定されている。

(3) パケットの宛先が、あるLAN上にあると分かっている場合は、パケットをそのLANから外へは送出しないのが、TCP/IPの原理である。

(4) 10進数で「10」は、2進数では「1010」、16進数では「A」である。

(5) WANは、LANを通信事業者の通信回線を用いて接続したもので、これを世界規模に拡大したものがインターネットである。

答)(2) 1バイト目から3バイト目までがベンダーコード、4バイト目から6バイト目までがベンダー毎の連番となっ

ています。 青本・第2p116,117

]問22. インターネット技術に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 電子商取引では、SSLなどの暗号化通信を使い、経路途中でのデータ盗聴がされても内容がわからないように設定されている。

(2) 電子商取引には、B2B,B2C,C2Cなどがあり、それぞれ企業間取引、企業対消費者間取引、消費者間取引の意味である。

(3) 電子商取引における消費者保護については、オンラインマーク、JADMAマーク、個人情報保護マーク、プライバシーマークなどがあるが、十分これらが機能しているとは言い難い現状にある。

(4) 電子商取引上における情報の漏洩は、概ねシステムのセキュリティに関する問題と言うよりもヒューマンエラーに起因するものが大半である。

(5) 電子商取引では、商品の売り手側には、実店舗を持つコストが低価格で実現でき、資金が少ない人でもビジネスチャンスの可能性が拡大するメリットがある一方、商品の流通段階が省略できるため、消費者にとって、低価格で商品が購入できるメリットがある。

答)(5)電子商取引では基本的に実店舗は必要ありません。 青本・第2p118

]問23. 情報管理に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 職能別分類において財務・会計に属する原因の確認は、問題別分類では管理レベルに該当する。

(2) 職能別分類において生産に属する問題発見と対策は、問題別分類では戦略レベルに該当する。

(3) 職能別分類では生産に属する日程管理は、問題別分類では業務レベルに該当する。

(4) 職能別分類において技術管理に属する他の特許との比較は、問題別分類では管理レベルに該当する。

(5) 職能別分類において人事・労務に属する優れた人材の獲得は、該当し、問題別分類では戦略レベルに該当する。

答)(2)管理レベルの問題です。 青本・第2p95,97

]問24. インターネット技術に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) ソフトウェア型電子マネーは、PCのハードディスク上に特別のセキュリティソフトをロードして、電子マネーを蓄積し、使用するものである。

(2) 電子マネーには、オープンループ型とクローズドループ型の2種類があり、現在発行されている電子マネーはほとんどがオープンループ型である。

(3) カード型電子マネーは、磁気カードでの支払機能しかないプリペイドカードと違い、何度でも入出金もできる点が特徴で、いわば電子的な財布のような役割を果たす。また、多機能、多目的に使えるのも優れた特徴で、ユーザーに応じたさまざまなサービスアプリケーションの搭載が可能である。

(4) 現在急速に実用化されつつあるのが、クレジットカードによる電子決済で、ネットワーク上での決済をより安全に行うための規格、すなわちSETSecure Electronic Transaction)が世界標準になりつつある。

(5) 電子マネーは、使用するメディアにより、ICカード型、ネットワーク型に区分される。フランスではICカードをベースとしたICカード型電子マネーが実用化され日常的に使用されている。

答)(2)現在発行されているのはほとんどがクローズドループ型で、オープンループ型はモンデックスマネーだけです。 

青本・第2p119

]問25. ネットワーク社会に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) プライバシー、言論の自由、文化的背景などを尊重すべきことは、ネットワーク社会も従来の社会も同様で、他人が不愉快に感じる行為を慎むといった従来の社会における共通理解としての常識がネットワーク社会にも求められている。

(2) データの盗難は財産の侵害、中傷メールは名誉・信用の侵害、違法コピーは知的財産権の侵害などは、無意識のうちに他人の権利を侵害している場合があり、法律による罰則規定があるため注意が必要である。

(3) ネットワーク社会におけるルール違反は現実感が乏しいため罪悪感が希薄となりやすい特徴がある上に、ルール違反の痕跡を従来社会より消去しやすく、追求しにくい点もネットワーク社会の特徴である。

(4) 従来の社会とネットワーク社会では、守るべきルールや問題となる事項が基本的に異なり、その点が社会に広く浸透していない現状があるため、無意識に他人の権利を侵している場合があることに注意が必要である。

(5) ネットワーク社会における権利侵害は、法律と倫理の相乗効果によって防止を図るべきであり、組織内の情報ネットワークにおける運用規定はこの視点が重要である。

答)(4)従来の社会とネットワーク社会で、守るべきルールや問題となる事項は基本的に同じです。高度情報通信技術

を利用していることが原因して社会に浸透していない現状があります。 青本・第2p109110

]問26. 情報ネットワークに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) データの共有が部分的であったり、不一致が大きな問題にならない場合、処理は個別的に行うことが組織の情報リスクに大きな影響を及ぼさないことから、分散処理型のシステムが採用される。

(2) ARPAnetに端を発したインターネットは、分散処理思想に基づく自立分散処理システムであり、全体の管理者が存在しないシステムである。

(3) 分散処理型のシステムは、複数のコンピュータにより機能、負荷、リスクが分散され、集中処理システムよりも経済性に優れたシステムと言える。

(4) 銀行や生命保険会社など、データの不一致や多数の拠点で同一データをリアルタイムに取扱しなければならない業態や組織では、ホストコンピュータを置く集中処理思想が採用される。

(5) 分散処理システムには、垂直分散処理システムと水平分散処理システムの2種類があり、クライアント・サーバシステムは水平分散処理システムに該当する。

答)(5)クライアント・サーバシステムは垂直分散処理システムです。 青本・第2p115

]問27. ナレッジ・マネジメントに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 暗黙知から形式知へ、或いは形式知から暗黙知への変換が重要で、それが困難な場合は暗黙知の所有者を明らかにしておく必要がある。

(2) ナレッジ・マネジメントの構築・運用に当たっては、組織のトップのリーダーシップが不可欠で、専門の担当部署を配置し、組織全体に重要性の認識と積極参加を促す仕組みを作ることが重要である。

(3) 埋設知は、業務処理プロセスや製品形状などについて、明確な文章化や図表化が行われていないものの、そのプロセスや形状を克明に分析すれば、先人達の意図が見出される知を指す。

(4) ナレッジ・マネジメントは、既定の問題解決を目的とするエキスパート・システムとは異なり、個人が自ら問題を発見し解決方法を創造する、知の創造を目的とした管理手法である。

(5) 暗黙知から暗黙知への変換を共有化、暗黙知から形式知への変換を視覚化、形式知から形式知への変換を類型化、形式知から暗黙知への変換を埋設化という。

答)(5)共有化ではなく、共同化(socialization)です。視覚化ではなく、表出化(externalization)です。類型化

ではなく、連結化(combination)です。埋設化ではなく、内面化(internalization)です。 青本・第2p99

]問28. 料金請求に関する記述の中で、情報に法的信頼性があるものを選び答えよ。

(1) 金融機関等が融資等の審査のため個人信用情報を照会する機関が、消費者に直接支払い請求を行うことは認められている。

(2) 第三者がパソコンや携帯端末を用いて有料アダルトサイト等を利用した場合には、電話会社との間で電話の加入契約を締結した場合の通話料などと同様に、端末所持者に利用料の支払い義務が発生する。

(3) 当社は債権管理回収会社です。平成11年よりサービサー法が成立し、これにより民間企業にも債権の回収業務ができるようになったため、あなたの利用した有料出会い系サイトの閲覧料金○○○○○円の債権を当社が買い取りました。

(4) 有料アダルトサイト等の情報提供サービスの利用契約は、事業者と消費者との間の「消費者契約」に該当し、消費者契約法の適用があるため、消費者契約法で、年14.6%を超える延滞料金を支払う必要はない。

(5) 個人情報保護法に基づきお客様のご利用状況について通知を差し上げましたが、本日現在ご返答が頂けておりません。

答)(4) (1) 個人信用情報機関が消費者に直接支払い請求を行うことは通常考えられません

(2) 業者はサイトを利用した第三者本人に利用料(情報料)を請求すべきですので、このような請求に応じる必要は

ありません。

(3) 平成11年から施行されている「債権管理回収業に関する特別措置法」(いわゆる「サービサー法」)により、法務

大臣の許可を受けた場合には、法律で定める「特定金銭債権」(金融機関等の貸付債権等)に限り、債権管理回収業

を営むことが可能になりました。しかしながら、サービサー法に基づいて債権管理回収業者が回収を行うことができ

る債権は「特定金銭債権」に限られており、有料アダルトサイト、ツーショットダイヤル、出会い系サイト等の利用

料は、この「特定金銭債権」には該当しませんので、同法に基づき債権管理回収業者が回収することはできません。

(5)個人情報保護法」においては同法に基づく通知という手続きは存在しません。 

青本・第2p113

]問29. ソフトウェアとビジネスモデルに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) ソフトウェアは、インターネットなど情報ネットワーク技術の普及を背景として、特許権かもしくは著作権のいずれかによる保護の対象となっている。

(2) ビジネスモデル特許は、コンピュータや情報ネットワークに技術的新規性が乏しくとも、活用方法に新規性と進歩性を認め、ビジネス方法や仕組みそのものを権利内容としている。

(3) サービスやマーケティング、チケットの発券、物販の簡易注文などに対しても、新規性と進歩性のある方法には特許権が与えられている。

(4) 特許法により保護対象となるのは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものであることに該当すること、新規性があること、進歩性があることの3つの条件を満足する必要がある。

(5) 従来の特許はハードウェアが中心であり、ソフトウェアはハードウェアを制御するための付属的なものと扱われていたが、現在はCD-ROMなどの電子媒体に記憶されたソフトウェアや情報ネットワーク上で流通するソフトウェアも知的財産権が認められるようになってきた。

答)(1)特許権と著作権の両方がソフトウェアの知的財産権となります。 青本・第2p102

]問30. 緊急時の情報処理・伝達に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 情報判断はトップが行うべきであるが、判断不能の事態を想定して、代替者の順位付けを行っておくことは緊急時の情報判断に不可欠な要素である。また、判断の分散処理を避けるため、判断の役割分担は行うべきではない。

(2) 緊急時の情報処理は、判断のための材料と判断基準の設定が重要で、入手可能な情報から判断をしなければならないこと、及び時間的制約条件下の意思決定という特殊性を十分考慮しなければならない。

(3) 緊急時の情報伝達においては、通常時とは異なる最短経路での連絡経路と連絡網を準備すると共に、連絡手段についても異常時であることを想定し、多重化や代替連絡手段などを検討しておくことが重要である。

(4) 緊急事態の時系列に基づく進展シナリオを作成し、いつどのような判断事項が発生するかを確認しておくことは有益で、この時守るべきものの優先順位を明確にしておくことが重要である。

(5) 緊急時の情報処理は、不確実性を含む情報が多いことを前提に、情報内容と入手方法を事前に定めておくと共に、的確なスクリーニングによる情報の確実性を確保することが大切である。

答)(1)時間的制約条件下の判断という視点から、判断の重要度に応じて役割分担を行うべきとされています。 

青本・第2p106

─────────────────────────────────────────────

 

 


]問1.次の図の(a)から(f)に入れるべき用語の組み合わせで、正しいものを選び答えよ。

 

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

(f)

(1)

リスク回避領域

リスク低減領域

発生抑制

影響緩和

リスクマネジメント

リスク対策

(2)

リスク保有領域

リスク低減領域

発生防止

影響緩和

リスク管理

危機管理

(3)

リスク回避領域

リスク削減領域

発生防止

分散

リスク管理

リスク対策

(4)

リスク移転領域

リスク削減領域

発生抑制

分散

リスクマネジメント

危機管理

(5)

リスク保有領域

リスク低減領域

未然防止

影響緩和

リスクマネジメント

危機管理

答)(2) 青本・第2p135

2.労働安全衛生法に関する特徴について間違っているものを選び答えよ。

(1) 10次労働災害防止計画は、平成15年度を初年度とし、平成19年度を目標年度とする5か年計画であり、労働災害総件数の20%以上の減少を目標にしている。

(2) 事業者は、危険源に対する適切な安全措置を講じることが求められ、9項目に亘る事項が労働安全衛生規則で定められている。

(3) 建設業において100人以上の事業場では、総括安全衛生管理者を配置しなければならない。

(4) 常時使用する労働者1,001人〜2,000人規模の事業場では、衛生管理者を5人配置し、その内一人は専任としなければならない。

(5) 常時50人以上の労働者を使用するすべての事業場で産業医を選任し、常時1000人以上の労働者を使用する事業場では、専属の産業医を専任しなければならない。

答)(4) 衛生管理者は5人ではなく、4人です。 青本・第2p144,145

3.メンタルヘルスに関する記述の中で、正しいものを選び答えよ。

(1) 神経症は、内因性精神障害である。

(2) メンタルヘルスにおける三次予防段階は、再発防止である。

(3) 器質性精神病は、内因性精神障害である。

(4) 躁うつ症は、心因性精神病である。

(5) メンタルヘルスにおける二次予防段階は、早期発見・治療である。

答)(5) (1)神経症は、心因性精神病です。

(2)メンタルヘルスの三次予防段階は、職場復帰です。

(3)器質性精神病は、外因性精神障害です。

(4)躁うつ症は、内因性精神障害です。 

青本・第2p148

4.安全確認システムに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 安全確認型インターロックシステムは、安全を確認した時だけ機械に運転許可を与えるシステムである。

(2) 機械の安全性確保における隔離/停止の原則は、最も基本的な原理であり、機能的安全や停止安全などはこうした一例として納得性が高い。

(3) 危険検出型のインターロックシステムは、危険情報の抽出により積極的な機械の運転停止を行うシステムである。

(4) インターロックシステムには、安全確認型と危険検出型の二つのタイプが存在し、機械と人間の作業環境に基づき、それぞれのタイプの特徴に応じた選定が行われ、システム導入を検討することが重要である。

(5) 人と機械の協調作業においては、人と機械の作業機会が分離して取り扱われるインターロックシステムが重要な概念として用いられる。

答)(4)危険検出型のインターロックは、安全装置の故障に基づく事故が頻発している。 青本・第2p155

5.以下の記述の中でリスク基準決定のために参考とする内容に該当しないものを選び答えよ。

(1) 諸基準や文献などやリスクレベルを勘案したリスク・マトリクス形式での定性的評価に基づく許容限界

(2) リスク発生者とリスク受容者のコミュニケーション

(3) 社会経済及び環境側面

(4) 法律・法令の要求、ステークホルダーの関心やアセスメントに対する優先順位

(5) リスクの種類・認知度並びにリスクレベルやリスク影響の低減や削減のために必要となるコスト及び技術的実現性

答)(1) 定性的評価ではなく、定量的評価です。 青本・第2p137

6.機械設計原則に関する記述について、正しいものを選び答えよ。

(1) ISO/CD12100CEマーキングでは、機械の安全原則について安全防護手段が安全側となる設計を求めている。

(2) 故障の発見や停止操作は、システム的に配慮するものの、確実性の原則から最終的な確認や措置は人間が行うべきとするのが、機械設計原則の要求である。

(3) 災害防止には人間の安全行動、構造安全、安全制御という3つのアプローチが存在し、機械設計原則ではあらゆる機会を捉えて、すべてのアプローチが有効に機能するよう配慮される。

(4) 故障しない機械はありえないため、故障した時に事故や災害を防止できるよう配慮することが機械設計原則の優先すべき事項である。

(5) フェールソフトシステムは、危険側障害に陥らないよう運転を停止するシステムで、安全認識のセンサが故障した場合は安全確保のため機械の稼働を停止させるシステムのことである。

答)(1) (2)人為操作の考えはありません。

(3)人間の安全行動概念は機械設計原則にありません。

(4)故障しない構造安全に対する配慮が優先です。

(5)フェールセーフ概念の説明です。 

青本・第2p153

7.リスク管理に関する次の記述のうち、間違っているものを選び答えよ。

(1) ハザードの把握によりリスク特定を行い、リスクアセスメントに基づくリスク評価を行う。

(2) リスク対策を検討するために弱点分析を行うと共に、リスク対策による効果算定を行う必要があり、これらはリスク解析に属すると考えられている。

(3) リスク対応方針は、安全活動方針と緊急時対応方針に分類される。

(4) シナリオ分析に基づくリスクの見積りを行った後、システム安全工学手法により発生確率と被害規模の観点からリスク算定を行う。

(5) リスク対策は、リスク解析の結果に基づき保有・低減・回避・移転という4つの手段の中から選択されるのが一般的である。

答)(1)リスクアセスメントは、リスク解析とリスク評価からなります。青本・第2p131

8.危機管理活動に関する記述の中で、正しいものを選び答えよ。

(1) 危機管理活動の2番目の段階は、事前作業段階であり、不測事態のカテゴリーに対して危機の特定と被害想定を行う。

(2) 事後復旧段階においては、緊急的な対応が図られた状況下であることから、意思決定者は依然として危機管理体制下にあり、復旧活動を行う必要がある。これは発生した危機の顕在化と潜在化が混在した状況であることに基づくものである。

(3) 危機管理活動は、大別して4つの段階があり、3番目の段階は異常事態対応段階である。

(4) 危機管理活動の準備段階では、組織のトップがリーダーシップを発揮し、直接的に危機管理活動チームを組織運営することによって、チームにインセンティブが付与される。

(5) 危機管理活動には意思決定者の正式なルールや手順などが有名無実化する可能性が高く、非公式なプロセスを許容しなければならないことから、専門的人的資源の確保が重要となる。

答)(1) (2)意思決定者は、この段階では通常業務に復帰します。

(3)異常事態対応段階ではなく、緊急事態対応段階です。

(4)危機管理活動チームの選定・作成までがトップの作業であって、直接指揮することまでは求められていません。

(5)専門的人的資源の要求はありません。 

青本・第2p157

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画) 企業が被災しても重要事業を中断させず、中断しても

可能な限り短期間で再開させ、 中断に伴う顧客取引の競合他社への流出、マーケットシェアの低下、企業評価の低

下などから企業を守るための経営戦略。 トップマネジメントが参画して策定すべき計画で、バックアップシステ

ムの整備、代替オフィスの確保、即応した要員の確保、 迅速な安否確認などが具体策の典型。

http://www.bousai.go.jp/MinkanToShijyou/guideline01.pdf

9.システム安全工学手法に関する次の表において、カッコ内に入れるべき適切な用語の組み合わせを選び答えよ。

手法

概要

長所

短所

(a)

初期事象からスタートし、シーケンスの選択により結果の導出を行う

・事故発生の可能性を論理的に把握可能

・事故発生に至るシナリオの明確化

・(d)の影響評価が可能

・二者択一論理であるため部分的故障を考慮不能

・問題発生時の事故進展シナリオであるため、(e)の把握が困難

HAZOP

設計からのズレを発生する箇所と原因・結果を、プロセス各部の調査から明らかにする

・ガイドワードによる発想性が高い

・系統的把握が容易

・位置的な影響等、系統以外の関係把握は困難

(b)

重大事故原因の問題分析からシステム相互関係における致命的関係を発見する

・システムの相互関係が把握可能

・分析作業のワークシェリングが可能

・ヒューマンファクターや環境条件を考慮しにくい

・複数の故障を検討できない

(c)

複雑なシステムの故障について、要素毎の故障確率と要素間の因果関係からシステム全体の信頼性を分析する

・機能性の見地から複雑なシステム解析に適する

・複合故障も解析可能

・ヒューマンエラーと環境条件を有効に表現可能

・分析に多大な労力を要する

・複雑・巨大なツリー構造となる

・(f)に関する事象展開が困難

チェックリスト

最も古典的な方法

適用対象が広い

・経験則に基づく問題点をまとめることが可能

・精度を要求すれば、無数のチェックポイントが必要となる

 

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

(f)

(1)

ETA

FMEA

FTA

共通モード

全体リスク

時間経過

(2)

FTA

ETA

RBA

多重モード

選択リスク

インシデント

(3)

ETA

FTA

FMEA

非共通モード

総合リスク

時系列

(4)

FTA

ETA

VTA

単独モード

多重リスク

シナリオ

(5)

VTA

FTA

FMEA

重合モード

複合リスク

位置関係

答)(1)  青本・第2p161

10.労働安全衛生管理活動に関する記述で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 安全と判断するための規定の手続きが常にあるとは限らないため、安全と危険の中間領域における取り扱いはケースバイケースで判断しなければならず、総合的な判断が求められる。

(2) 災害原因を安易に処理せず、抜本的対策を実施し、リスクの本質改善を目指す。

(3) 労働安全衛生管理には、ライフサイクル・アセスメントのような安全工学的思想に基づく対策が要求される。

(4) 機械の故障やヒューマンエラーを前提とした安全対策が必要で、安全確認システムやフェールセーフ技術など未然防止技術は重要な手段である。

(5) 安全と判断するためには、正しい手続きに基づく客観的な証明が必ず必要である。

答)(1)安全と危険の中間領域は危険として取り扱います。 青本・第2p143

11.イベントツリー分析に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) イベントツリー分析においては、進展キーにより分岐することとなるが、分岐数はYes/No2分岐に限定していないが、進展キーにおける発生確率の総和は必ず1となるようにしなければならない。

(2) イベントツリー分析は、初期事象の同定、ET図の作成、ETの定量化、対策案の抽出という流れで解析が進められ、ツリーは初期事象毎に作成するため、重要度の高い初期事象の選定がこの分析手法の鍵となる。

(3) イベントツリー分析では、最終事象を論理的に求められ、進展防止対策を計画しやすい一方で、部分的な故障を考慮できない一面や、全体リスクの把握が困難といった弱点がある。

(4) ET図作成において設定する進展キーは、Yes/No分岐においてNoを選択した場合、事故が拡大する内容とし、時系列に従うことが重要なポイントである。

(5) イベントツリー分析における最終事象の発生確率は、初期事象の発生確率と最終事象までの進展キーの発生確率の積として求められ、発生確率の大きな最終事象ほど重要度が高いと考えられる。

答)(5)  青本・第2p165

12.労働安全衛生管理システムのフローについて、カッコに入れるべき用語の組合せで適切なものを選び答えよ。

(a)の表明→危険要因の(b)・(c)の(b)→(a)に基づく(d)の設定→(e)の作成→(e)の実施・運用→日常点検と改善→定期的なシステム見直し

 

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

(1)

安全衛生方針

特定

対策事項

安全衛生目標

安全衛生計画

(2)

安全衛生基準

確認

代替案

安全衛生水準

安全衛生対策

(3)

安全衛生目標

把握

対策可能案

安全衛生規則

安全衛生計画

(4)

安全衛生方針

公表

実施計画

安全衛生要領

安全衛生分析

(5)

安全衛生目標

認識

実現可能性

安全衛生綱領

安全衛生評価

答)(1)  青本・第2p146

13.リスク対応方針に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) リスク管理基本方針は、リスク管理システムの運用によって、どのような結果を目指すのかを明確化するものであり、可能な場合は数値化すべきものである。

(2) リスク管理行動指針において、組織の適切なリスク対応は、ステークホルダーの利益保全に寄与することを表明するものである。

(3) リスク特定には、組織活動・機能の点検・分析に基づく脆弱性・危険性検討が含まれる。

(4) 組織内外の事例調査やブレイン・ストーミング或いはインタビュー・アンケート調査は、リスク特定の有力な方法である。

(5) 顕在化したリスクに対する責任ある対応の組織内外への表明やリスクに対する社会的要請のリスク管理システムに対する反映は、リスク管理行動指針として対応しなければならない課題である。

答)(1)記述はリスク管理目的のものです。青本・第2p136

14.ヒューマンエラー解析に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) トライポッド理論は、ヒューマンエラーを全部で11グループに分類し、この中には手順書、エラー誘発条件、矛盾目標、コミュニケーション、防護といった項目が含まれる。

(2) ヒューマンエラーの要因分類は、多くのカテゴリーに分類することを避けるため、統一的な分類方法を作成することが重要で、事故や労働災害防止を支えてきた4要素の内最も新しいものがヒューマンエラーである。

(3) THERPtechnique for human error rate predictionの略称で、人間の一連の手順作業を成功と失敗に分類し、どのような結果に至るかをイベントツリーにより分析する手法である。

(4) ヒューマンエラー解析手法の中には、管理体制の欠陥を論理ツリーを参照して明らかにするMORTや、ヒューマンエラーの背後要因を明らかにするJ-HPES、フォールトツリーを基本とし正常状態からの逸脱を究明する対策指向型のVTAなどがある。

(5)  ヒューマンエラー解析と対策において、一件ごとに原因を解明し、複数の事例についてヒューマンエラー発生に関する共通性や傾向の分析を行うことは、組織におけるノウハウのストックと共有化を図るという意味で大きな効果が期待できる。

答)(2)統一分類を作ることよりも、対象システムに適用できることが重要です。 青本・第2p167

15.以下に示すシステムの名称を示した上で信頼度を計算し、下記から最も正しいものを選べ。

 

(a)

(b)

(a)の信頼度

(b)の信頼度

(1)

直並列システム

並直列システム

0.93

0.87

(2)

並直列システム

直並列システム

0.88

0.93

(3)

直並列システム

並直列システム

0.95

0.98

(4)

並直列システム

直並列システム

0.90

0.83

(5)

直並列システム

並直列システム

0.85

0.80

答)(1)  青本・第2p169

(a)  Q=1-(1-0.90)(1-0.80)(1-0.70)][1-(0.70)(1-0.60)(1-0.50)=0.934

(b)  Q=1-(1-0.90*0.70)(1-0.80*0.60)(1-0.70*0.50)=0.875

16.以下の文章のカッコ内に入れるべき適切な用語の組み合わせを次の中から選び答えよ。

リスク対策を(a)する場合、対策すべきリスクがある(b)によって低下したとしても、その(b)によって新たなリスクの発生が避けられない可能性がある。このため、リスク対策に当たっては、十分な(c)やモニタリングが重要となる。

リスク対策には、(d)に基づきリスクを受容するリスク保有、被害規模が大きく発生確率が小さいリスクの場合のリスク移転、他にリスク対策が無い場合のリスク回避、(e)と(f)のどちらか、もしくは両者を低減するリスク低減などが代表的なものである。

 

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

(f)

(1)

意思決定

リスク解析

リスク管理

リスク評価

被害規模

発生確率

(2)

合意形成

リスク基準

変更管理

リスクアセスメント

被害レベル

被害範囲

(3)

合意形成

シナリオ分析

リスク管理

リスク基準

発生確率

被害規模

(4)

意思決定

代替案

変更管理

リスク基準

負の影響

発生確率

(5)

実施決定

リスク分析

フォローアップ

リスク評価

リスク原因

リスク影響

答)(4)  青本・第2p139

17.フォールトツリー分析に関する次の記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) フォールトツリー分析においては、図的構造から重要な中間事象の抽出が可能で、共通の原因事象がツリーの複数箇所で現れる場合、この原因事象を共通モードと呼び事象の重要性が高く、解析上で注意が必要である。

(2) フォールトツリー分析は、全部で6つの手順で構成され、2番目に行われるのが評価対象の特性把握で、5番目に行われるのがFTの定量化である。

(3) フォールトツリー分析は、頂上事象を途中で阻止する事象の同定が主目的であり、事故などの進展プロセスを遡及することによって実現する解析手法と言え、ヒューマンエラーなども分析対象とすることができる点に特徴がある。

(4) フォールトツリー分析で用いられる記号は大別して、事象記号と論理記号に分類される。事象記号には、頂上事象を発生させる中間事象や、展開不能な基本的原因の基本事象があり、論理記号にはANDゲートやORゲートがある。

(5) 頂上事象に対する原因事象や中間事象の寄与度を分析し、それらの感度解析を行うことによって、弱点箇所の特定が可能となるが、頂上事象の発生頻度算出を目的としていないことに注意が必要である。

答)(3)フォールトツリー分析は、原因究明を主目的としています。 青本・第2p163

18.労働安全衛生法に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 自主的活動の促進は、責務である。

(2) 総合的・計画的対策の促進は、責務である。

(3) 快適な作業環境形成の促進は、目的である。

(4) 責任体制の明確化は、責務である。

(5) 労働災害防止の危害防止基準確立は、目的である。

答)(5)目的ではなく、責務です。 青本・第2p144

19.小集団活動に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 活動期間を明確にすることが重要で、活動展開のスキームを作り、期限を設けて活動展開することが重要である。

(2) 小集団活動と言え、組織のトップのリーダーシップが不可欠で、全組織的な活動の本質理解を促し、意思を示すことが重要である。

(3) QCサークル、無欠点運動、改善提案活動などが小集団活動と位置づけられ、創造性やグループの一体感が活動過程で醸成される点に特徴がある。

(4) 収集団活動におけるメリットの仮説の設定やその評価測定の実施は不可欠な要素である。

(5) 組織内で信頼の高い人を活動推進者とし、活動展開の仕組みを基に、活動展開に必要な予算計上を行うことにより集団目標の実現を図る。

答)(1)活動展開時間は惜しまないとなっています。 青本・第2p151

20.リスクコミュニケーションに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) リスクコミュニケーションは、注意喚起型と合意形成型の二つに大別され、対人的な媒体は後者に属するとされている。

(2) リスクコミュニケーションの手順には、対応経過やコミュニケーション・プロセスの記録・保存が要求される。

(3) リスクコミュニケーション効果に対する影響要因には送り手要因があり、中立公正な立場からのステートメントは信頼性が高く、専門的・科学的な正確性を重視しなければならない。

(4) リスクコミュニケーションには、バイアス発生に伴う受け手要因やリスク認知の差異を生じるメッセージ要因などがあることに留意が必要である。

(5) リスクコミュニケーションの目的には、ステークホルダーとの誤解や理解不足によるリスクの顕在化防止がある。

答)(3)専門的・科学的な正確性よりも、素人の認識枠組みに適したコミュニケーションを行うことが重要です。

青本・第2p140

21.FMEAHAZOPに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) HAZOPhazard and operability studyの略称で、化学プラントなどにおける危険性を明らかにし、必要な対策を高じるために用いられる手法である。HAZOPは、異常を想起するためにキーワードを用いる点に特徴がある。

(2) FMEAfailure mode and effects analysisの略称で、アメリカのアポロ計画で信頼性・安全性評価に広く用いられた信頼性解析技術である。FMEAは、最小単位の部品から信頼性問題点を解析していき、最終的にはシステム全体の信頼性を確保するためのボトムアップ解析技術である。

(3) FMEAでは通常「FMEAチャート」と呼ばれる一定形式に、対象品目の識別、使用条件、潜在故障モードの仮定、故障の上位品目やその影響、故障等級、対策案などをチームの検討により記入していく。

(4) HAZOPで用いられる異常連想のキーワードには、no(ない)more(より大きく)less(より少なく)as well as(同様に)part of(ある一部に) other than(異なる)などがあり、プラントの設計及び運転の両面における危険性抽出が可能となる。

(5) FMEAでは故障モードの仮定が重要であるが、過去に経験の無い新たなシステム構築などの場合は、試作段階においてFMEAが適用されるケースが多い。

答)(5)FMEAは設計技術の一部と認識されており、試作段階前に行われます。 青本・第2p162

22.リスクに関する記述のうち、間違っているものを選び答えよ。

(1) リスク発生の不確定性から、リスクの影響は正負両面を含めるのが一般的である。

(2) リスクは発生確率と被害規模の積で表されるリスク値により評価され、リスク値の同じリスクは被害規模の大きなリスクが重要視されるのが一般的である。

(3) 日本では、発生確率が低く被害規模が大きい領域の対策を重視する傾向が強く、労働災害やヒューマンエラーの根絶に注力されてきたと言える。

(4) リスクの定義は種々あるが、被害規模と発生確率によって表す場合や、ハザードと安全防護対策の比率によって表す場合があり、対象によって使い分けることが必要である。

(5) 縦軸を発生確率、横軸を被害規模とするリスク図において、リスク基準によりリスク低減領域とリスク保有領域が分類される。

答)(3)日本では、発生確率が大きく、被害規模の小さな領域の対策を重要視してきた。 青本・第2p134

23.災害統計に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 平成16年における建設業の強度率は0.57で、全産業の強度率0.12に比べて高い率となっており、建設業において被災した場合の影響が重度であることを示している。

(2) 平成16年における労働者死傷災害は13万件余り発生しているが、起因別で見ると墜落・転落が24千件余りと最も多い。

(3) 平成16年における建設業の度数率は1.77で、全産業の度数率1.85に比べ、発生頻度がやや低いことを示している。

(4) 平成16年の度数率では、建設業において鉄道又は軌道新設事業が最も高く、また平成16年の強度率でも、建設業において鉄道又は軌道新設事業の災害が最も重たいことを示している。

(5) 全産業における年千人率は、平成7年に3.5であったが、平成16年に2.5と低下傾向にある。

答)(4) 平成16年の強度率では、建設業において橋りょう建設事業の災害が最も重たい。 青本・第2p147

  http://www.jaish.gr.jp/user/anzen/tok/toukei01.html

24.危機管理マニュアルに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 危機管理活動チェックマニュアルは、危機管理計画マニュアルの簡易版であり、実際の危機管理活動においてWhenWhoWhat3要素だけが抜粋され、モレ無く実行できるよう整理したものである。

(2) 危機管理計画マニュアルは、6つのガイドラインが示されており、想定リスクの明確化に基づく対応方針及び対応目標を設定することが重要である。

(3) 危機管理計画マニュアルは、階層別、事象別、想定事態別、初期と緊急時の各フェーズでの合理的な体系に基づくマニュアルでなければならない。

(4) 危機管理計画マニュアルは、新知見などにより素早く更新するべきものであり、マニュアルの周知徹底は教育訓練によって補完すべきである。

(5) 危機管理計画マニュアルには、実施者・判断基準・活動項目・実施方法・使用機材などの要素を網羅し実効性の高い内容にしなければならないが、検索容易性に対する配慮も重要な要件の一つである。

答)(4)マニュアルの更新は必要に応じてとなっており、組織のスキルやマニュアルの周知度合いを考慮して行うべき

ですから、素早い対応は不要です。 青本・第2p159

25.リスクアセスメントに関する以下の記述について、正しいものを選び答えよ。

(1) リスクアセスメントは、リスク解析とリスク対策で構成され、リスク解析にはシナリオ分析と弱点分析が含まれる。

(2) リスク算定とは、リスクの優先順位を決定するため、リスクの顕在化確率とリスク顕在化時の被害想定規模を定量的に把握することにあり、シナリオ分析を含める場合もある。

(3) シナリオ分析手法としては、原因から結果を探索するフォールトツリー分析や結果から原因を探索するイベントツリー分析が代表例である。

(4) リスクの定量的把握においては、精度や初期設定問題のため、最悪ケースシナリオに限定して行われることが多い。

(5) リスク解析は、シナリオ分析とリスク評価から構成され、場合によっては弱点分析や対策効果算定も行われる。

答)(4) (1)リスクアセスメントは、リスク解析とリスク評価から構成される。

(2)定量的評価だけではなく、定性的評価も行います。

(3)フォールトツリー分析とイベントツリー分析の記述が逆です。

(5)リスク解析は、シナリオ分析とリスク算定から構成されます。 

青本・第2p137

26.危機管理活動に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 危機には、危険な機会とチャンスとなる機会の両面があることを認識しなければならず、それぞれタイムリーに資源を集中させることが重要である。

(2) 危機の顕在化によって生じる物質的なダメージは避けられない一面があるが、心理的なダメージは広報活動などにより軽減可能であり、効果的な解決につながることを理解しなければならない。

(3) 組織のトップは、危機管理において悲観予測を基本として最悪予測に備えなければならない。

(4) 危機管理活動により通常業務への復帰を計画立案しなければならないが、近年はBCPを含めて行われることを理解しなければならない。

(5) 危機管理活動は全部で7つの基本要素からなり、再発防止措置までが対象となる。

答)(5) 7つではなく8つです。 青本・第2p158

27.社会的受容に関する記述の中で、正しいものを選び答えよ。

(1) 社会的受容は、時代や価値観など変動的な評価尺度と、生理的要因など属人的ではあっても不変な評価尺度の両面を合わせ持つ特徴がある。

(2) 世の中のあらゆる事象には例外なく一定のリスクが存在し、対象事象や科学技術に関するすべてのリスクを管理することが、社会的受容を高める一つの手段である。

(3) 異常性が個人レベルの範囲内では正常性バイアスが、未経験リスクにはバージン・バイアスが発生し、正常なリスク認知を妨げるため、これを防止する目的として、継続的なリスクコミュニケーションが重要となる。

(4) リスク認知にはバイアスの影響が大きく関与するが、カタストロフィー・バイアスだけは社会的受容に影響を及ぼすことはない。

(5) 効用には正負両面が存在するが、社会的受容を考える時には、正負両面の効用を個別に判断することが重要で、正の効用が大きければ社会的受容が高くなることに着目しなければならない。

答)(3) (1)社会的受容の評価尺度に不変要素はありません。

(2)すべてのリスクを管理することが目的ではなく、コンセンサスを得ることのできる許容限界以上のリスクを管理し

ます。

(4)すべてのバイアスがリスク認知に影響を及ぼし、社会的受容の高低に影響を及ぼします。(5)正負両面の効用を個別

に扱うのではなく、両者をトレードオフした結果で社会的受容の高低を判断します。

青本・第2p141

28.危機管理に関する次の記述について、カッコ内に適する用語の組み合わせを選び答えよ。

危機とは、様々な(a)から発生するもので、(b)と(c)に分類される。(b)自体の絶対的回避は困難であるが、その被害の回避は困難ではない。(c)は個人或いは集団の故意的活動によって発生する(a)である。

このような危機の発生抑制には、未然防止の(d)や警備活動などの(e)が重要となる。

危機管理とは、危機(crisis)に対する対策の取り方に(a)を見出し、それを体系化することを目的とした学問体系である。

危機管理活動は、基本3要素を理解することが重要で、基本3要素とは(f)に基づくマニュアル、対策組織、復旧対策である。

 

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

(f)

(1)

異常事態

突発的事故

テロ

セキュリティ

セーフティ

発生要因

(2)

危険要因

未経験事象

犯罪

安全管理

安全活動

共通事項

(3)

危険源

潜在的危険性

犯罪

リスクマネジメント

シナリオ分析

組織リスク

(4)

緊急事態

自然災害

人災

セーフティ

セキュリティ

時系列

(5)

ハザード

想定外事象

人災

リスクアセスメント

危険防止活動

リスクマネジメント

答)(4)  青本・第2p156

29.システムの高信頼化に関する下記の表について、カッコに入れるべき用語の組み合わせで正しいものを選び答えよ。

手法・概念

目的

内容

(a)

(e)

故障時の安全状態保持

ヒューマンエラーに対するシステムの信頼性・安全性保持

(b)

故障影響の抑制(一部機能維持)

事故故障診断に基づく機能停止

(f)

システム再構築

(c)

故障発生の減少

構成要素の高信頼化

品質管理

予防安全で安全確保のアプローチではない

(d)

故障影響の抑制(全体機能維持)

付加装置・付加機能の冗長性技術

異常救済

異常検出、試験・診断

 

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

(f)

(1)

フールプルーフ

フェールソフト

フォールトアボイダンス

フォールトトレランス

人為ミスの影響抑制

システム縮退

(2)

フェールセーフ

フェールソフト

フールプルーフ

フォールトトレランス

人為ミスの発生抑制

システム安全停止

(3)

フェールソフト

フールプセーフ

フォールトトレランス

フォールトアボイダンス

危険防御機能の発揮

フェールセーフ

(4)

フールプルーフ

フールプソフト

フォールトトレランス

フォールトアボイダンス

人為ミスの影響抑制

システム縮退

(5)

フェールセーフ

フォールトトレランス

フォールトアボイダンス

フールプルーフ

人為ミスの発生抑制

システム安全停止

答)(1)  青本・第2p154

30.定期点検活動に関する下記の文章において、カッコに入れるべき適切な用語の組み合わせを選び答えよ。

定期点検活動は、業務が想定どおりに行われていることを確認すると共に、ネガティブな状態に発展する可能性のある(a)な事象や行為を発見し改善するための活動と言える。

機械技術に依存した(b)技術は、それ事態の機能を損なわない限り、期待する効果を得ることができるが、人間に依存した(b)活動は様々な要因から(c)の発生が避けられない。

この(c)を防止するためには、(d)や(e)を明らかにする必要があり、安全朝礼や(f)などが利用される。

 

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

(f)

(1)

特異

発生防止

制御低下

制御基準

判断基準

TPM

(2)

非定常

未然防止

ムラ

判断基準

チェック項目

TBM

(3)

不定期

発生抑制

ムラ

安全基準

判断基準

TFM

(4)

異常

未然防止

制御低下

チェック項目

事故防止基準

TQM

(5)

特殊

発生抑制

機能低下

許容基準

チェック項目

TBT

答)(2)  青本・第2p150

─────────────────────────────────────────────

 

 


]問1.次の記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) ISOにおいて、エコラベルは一定基準を満足することを第三者が審査し使用を許可するタイプ1から、製品の環境特性定量データとして開示するタイプ3までに分類されている。

(2) 2001年に施行された「国等による環境物品等の調達の推進に関する法律」はグリーン購入法と言われ、環境負荷の少ない持続可能な社会構築を目的とする物品・役務の調達を、公共部門が積極的に行うと共に、情報提供を推進することを目的としている。

(3) 日本のエコマークやドイツのブルーエンジェルは、タイプ1のエコラベルに相当し、企業が独自基準で製品やサービスの環境内容の主張を行う独自宣言型ラベルは、タイプ2のエコラベルに相当する。

(4) エコマテリアルは、材料レベルから検討し、環境物品製造のための概念であるが、環境物品自体の判断は困難なため、環境ラベルや製品に関する環境情報データベースの利用が必要である。

(5) エコマークは1989年から()日本規格化協会が実施しているもので、グリーン購入を進める自治体や企業等が購入基準として用いる場合が多い。

答)(5)()日本規格化協会ではなく、()日本環境協会です。 青本第2p185

2. 表明選好型評価に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) CVMの手順は、評価対象の決定から環境価値の決定までの全8ステップで行われ、6番目に実施される本調査では、支払意思額の測定として自由回答方式、付け値ゲーム方式、支払いカード方式、二項選択方式などが用いられる。

(2) コンジョイント分析は、擬制市場下で個人のWTPWTAを測定するが、コンジョイント分析で用いられるデータの収集方法として、全概念法、二因子一覧表、一対比較法、評点法などが用いられる。

(3) CVM手順における2番目は、環境特性などの把握を目的とする情報収集と事前調査で、5番目は調査票の適正をチェックするプレテスト、7番目は個人評価額の決定である。

(4) CVMは、環境全体或いは一属性の評価価値を計算する手法で、包括的評価には向いているが、属性関係の把握には適さない。また、コンジョイント分析は、環境構成属性の詳細把握には有効であるが、属性の抜け落ちは分析結果に致命的な影響を及ぼす。

(5) コンジョイント分析におけるアンケート項目については、選定した項目以外の条件はすべて等しいこと、各項目間にトレードオフ関係が成立しないことに注意が必要である。

答)(5)トレードオフ関係が成立していることが必要です。 青本第2p192

3. 環境経営に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 使用済み複写機交換システムは、既存製品の環境負荷低減アプローチの環境経営手法である。

(2) ESCO事業は、新たな経済的負担を発生させることなく実践可能な環境経営の手法であり、ESCO事業契約満了後の経費節減分がすべて顧客の利益となる点がインセンティブとなる。

(3) グリーンインベスターは、金銭的利益だけでなく、環境配慮に優れた企業を選択的に投資対象とする人たちのことで、近年増加する傾向にある。

(4) エコセメントは、焼却灰や廃棄物と石灰を主原料とする新製品開発アプローチでの環境経営手法である。

(5) 環境経営とは、具体的には環境経営方針の制定、環境マネジメントシステム構築、グリーン購入、エコファンド、環境報告書・環境会計の公表などがある。

答)(5)エコファンドは、環境経営側面を外部から評価するビジネス・モデルの一つです。 青本第2p178

4. 環境アセスメントの評価方法に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 陸上植物については、コドラートによる優占種、高さ、植被率などが調査され、水生植物については、直接観察法、坪刈り法、採水法やコドラート法などが用いられる。植物への影響予測は、定性的手法が主体となる。

(2) 大気汚染に関しては二酸化硫黄をはじめとする5種類の気質について環境基準が定められていると共に公定の測定方法が定められている。その内、二酸化炭素の予測には主に拡散モデルによる数値計算が用いられ、その他、統計的方法や風洞実験などの方法も用いられる。

(3) ラインセンサス法、ポイントセンサス法やテリトリーマッピング法は鳥類に、フィールドサイン調査やトラップ法はほ乳類に、それぞれ適用される調査方法である。

(4) 任意採集、直接観察法、ライトトラップ法、ベイトトラップ法、ツルグレン法は、昆虫類の調査に用いられる方法である。影響予測は極めて困難であるため、食物連鎖の変化から定性的な予測が行われている。

(5) 水質汚濁には26種類の汚濁物質が定められており、公定の測定方法が示されている。予測手法には定性的方法と定量的方法の二種類があり、前者には水質汚濁物質の発生負荷量から水質変化を評価する方法、後者には水質拡散モデルや水理模型実験などがあり、両方法とも同程度に用いられている。

答)(2)二酸化炭素は大気汚染物質に含まれません。 青本第2p197

5. 次の文章のカッコ内に入れるべき用語の組合せで、適切なものを選び答えよ。

拡大生産者責任とは、生産者が生産した製品が使用され、廃棄された後においても、製品の適正な(a)や処分について一定の責任を負うという考え方である。

生産からリサイクルまでの(b)が市場において適切に反映され、再資源化が容易な製品設計などの対応を促し、製品のライフサイクル全体において(c)が可能となる。

廃棄物問題の解決のためには、モノの(d)まで遡った対策が不可欠であるため、拡大生産者責任の考え方は(e)のために重要な視点となっている。

 

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

(1)

リユース

ライフサイクル

環境効率化

FS段階

ゼロエミッション

(2)

廃棄

トータルコスト

最小化

設計段階

環境効率社会

(3)

設計

設計思想

ミニマイズ

企画段階

省資源化社会

(4)

リサイクル

総コスト

最適化

生産段階

循環型社会

(5)

再生

低コスト化

再資源化

予備設計

省負荷社会

答)(4) 青本第2p177

6. LCAの目的と調査範囲に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 産業連関表は、アメリカの経済学者ワシリー・レオンチェフが1936年に考案したもので、経済システムにおける財の取引について、縦方向に生産投入費用、横方向に販売金額をマトリックス形式で示したものである。

(2) 積み上げ法は、ISO規格となっている方法であって、財の生産における各段階の環境負荷を積み上げることによって、生産全体の環境負荷を把握する方法である。

(3) 積み上げ法は、産業連関表と異なり、新技術やリサイクル過程であっても環境負荷を捉えることが可能であるため、環境負荷量を精度良く把握するためにはシステム連鎖を深く調査する必要がある。

(4) LCAの調査範囲設定は、対象製品ごと、基準単位ごと、対象環境負荷項目ごとなどを目標として設定する。

(5) LCAの目的設定では、LCA実施の背景や理由、報告対象者、結果の用途を記述するのが一般的であり、結果の用途としては、環境負荷低減のための代替製品の選定やライフサイクルに亘る環境負荷低減システムの検討などがある。

答)(3)システム連鎖を深く調査すればするほど複雑性は急速に高まり、必要なデータの取得が困難となるため、手続

きの合理化と結果の正当性はトレードオフとなります。目的達成の範囲内で手続きを合理化し、現実的な範囲設定を

行うことが重要です。

青本第2p201

7. 環境アセスメントに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 自然環境保全5要素とは、地形、地質、植物、動物、生態系および景観である。

(2) 環境影響評価法において、必ず環境アセスメントを実施する第一種事業とスクリーニングにより環境アセスメントを実施するかどうかが決定される第二種事業が定められており、例えば、4車線以上で延長10km以上の一般国道は第一種事業、4車線以上で延長が7.5km10kmまでの一般国道は第二種事業である。

(3) 環境影響評価法では、代替案検討の義務づけが行われていないが、環境影響評価準備書には記載すべき事項として代替案が定められている。

(4) 典型7公害とは水質汚濁、大気汚染、土壌汚染、悪臭、騒音、振動、地盤沈下の7つを指す。

(5) 大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準が定められており、地下水の水質汚濁に係る環境基準として、カドミウム0.01mgl 以下、全シアン検出されないこと、鉛0.01mgl 以下などがある。

答)(1)生態系ではなく、野外レクリエーション地です。 青本第2p195

8. ライフサイクル・インベントリ分析に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 結合生産における環境負荷の配分は、副生産物発生時と同様に取り扱うが、恣意性の排除が困難であるため、複数製品をシステム境界内に取り込み、配分を回避する場合がある。

(2) リサイクル工程における環境負荷配分は、リサイクル資源の供給側負荷、再生資源の利用側負荷の二つの捉え方がある。

(3) クローズドループ・リサイクルにおける環境負荷配分は、平均配分、一次製品一括配分、二次製品一括配分、経済的価値按分などが提案されている。

(4) 製品製造工程で副生産物が発生する場合、環境負荷の理論的配分は、重量比、熱量比、経済的価値比で行われているが、現実工程とは無関係に計算されてしまう弱点を有している。

(5) ライフサイクル・インベントリ分析は、ISO14041に規定されているが、データ収集に労力、時間、費用がかかるため、データを推計したり、あるいは収集しやすいデータや環境負荷が大きいと予想されるデータだけを集めることも、現実には広く行われている。

答)(3)オープンループ・リサイクルの説明です。 青本第2p202

9. 代替案と社会経済評価に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 行為を行わないことも重要な代替案と考えるべきであり、提案行為や代替案には適当な緩和措置をNEPAは求めている。

(2) 社会的厚生関数の概念は、社会を構成する構成員の選好指数を要素とした社会全体の厚生の大きさを示す関数であり、加算型のナッシュ型社会厚生関数や積算型のベンサム型社会厚生関数が代表的である。

(3) NEPAは、環境影響評価書案において主導連邦政府機関が優先する代替案を明確に示すと共に、最終環境影響評価書においても同様とするよう求めている。

(4) 提案行為を含む可能性のあるすべての代替案について詳細に紹介し、評価者が正当な比較検討を可能にすると共に、主導連邦の所轄区域外の妥当な代替案についても検討を行うようNEPAは求めている。

(5) NEPAは、複数の代替案について厳密な評価・検討に基づき、細部の検討を要しない代替案を決定すると共にその理由を簡潔に付記することを求めている。

答)(2)積算型はベンサム型社会厚生関数で、加算型はナッシュ型社会厚生関数です。 青本第2p198

10. 持続可能な開発に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 環境と開発に関するリオ宣言は、1992年に27原則を採択し、第一原則として、人類は持続可能な開発の中心にあり、自然と調和しつつ健康で生産的な生活を送る資格を有することを提唱している。

(2)1987年の Our Common Futuresで世界委員会は、持続可能な開発を将来の世代欲求を充足しつつ、現在の世代欲求も満足させるような開発として定義している。

(3) 豊かさを2倍に、環境負荷を半分にすることにより資源生産性を4倍にする必要性を説いたのは、1995年のローマクラブである。資源生産性とは、財がもたらすサービス単位の総計と、財を生み出す物質とエネルギーの総量の積で表されるものである。

(4) ゼロ・エミッションの概念は、1994年に国連大学が提唱した概念で、産業活動における生産などの工程を再編成し、廃棄物の発生を可能な限りゼロに近づける新たな循環型産業システムの構築を目標とするものである。

(5) 環境効率達成は、モノとサービスがライフサイクル全体に亘る環境影響と資源使用量を地球の耐えうる限度以下に暫減させながら、競争力のある価格で提供することとしたのは、1992年に開催された世界経済人会議である。

答)(3) 資源生産性とは、財がもたらすサービス単位の総計に、財を生み出す物質とエネルギーの総量で割ったもの 

青本第2p176

11. 環境会計に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 環境保全対策に伴う経済効果は、収益、費用節減などの実質的効果と推定的効果に分類されている。

(2) 環境保全コストは、事業エリア内、上・下流、管理活動、研究開発、社会活動、環境損傷対応などのコストとして表される。

(3) 循環型社会形成推進基本計画では、平成22年度に上場企業の約50%、従業員数500人以上の非上場企業の約30%が、環境会計を実施することを目標としている。

(4) 環境保全効果は、投入資源、環境負荷・廃棄物、財・サービス、輸送などを貨幣単位で表す。

(5) 環境会計には、外部報告と内部管理の2つの側面があり、前者は環境会計情報の環境報告書による環境アカウンタビリティ実施、後者は環境保全に対する合理的な意思決定という効果をもたらす。

答)(4)貨幣単位ではなく、物量単位で表します。 青本第2p208

12. 下記のコンジョイント分析の結果について正しいものを選んで答えよ。

ゴミ問題が深刻化し、現在の最終処分場の能力は数年以内に尽きると予測されています。ゴミ問題解決のため、新たな最終処分場建設か、若しくはゴミ減量化施設建設が検討されています。また、これらの対策実施のために、ゴミ収集の有料化が検討されています。このような状況下において、市民に対してアンケート調査を行いコンジョイント分析を行ったところ、以下のような結果を得た。

新たな最終処分場建設:ゴミ減量化施設建設:ゴミ収集1,000円=3:5:2

対象人口を30,000人とした場合、このゴミ問題解決のための価値はいくらと考えられるか。

(1)  60,000,000

(2)  80,000,000

(3) 100,000,000

(4) 120,000,000

(5) 140,000,000

答)(4)1.5×1,000+2.5×1,000)×30,000120,000,000 青本第2p193

13. 環境活動評価プログラムに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) エコアクション21は全部で4つのパートから構成され、環境負荷の自己チェック、取組の自己チェック、環境経営システムガイドライン、環境活動レポートガイドラインである。

(2) 環境パフォーマンス指標が備えるべき要件は、環境課題との適合性、比較容易性、検証可能性、理解容易性、網羅的把握である。

(3) 環境パフォーマンス指標は、事業者の環境活動に対して、意思決定のための情報、ステークホルダーに対する情報、行政等の環境政策に対する整合化のための情報などを提供することが目的である。

(4) 環境活動評価プログラムは、エコアクション21と言われ、環境省が中小企業者向けに提供している環境管理システムであり、環境保全への取り組みと環境行動実績として結果の公表を可能にしている。

(5) 環境活動評価プログラムは、評価項目選択、環境負荷と取組自己チェック、環境行動計画、活動、結果の評価と改善というステップで実行される。

答)(4)環境行動実績ではなく、環境行動計画として公表します。 青本第2p207

14. 資源有効利用促進法とリサイクル関連法に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 家電リサイクル法は、メーカーや販売店に使用済み家電の収集・運搬・リサイクル責任を明示した法律であり、対象家電は、洗濯機、エアコン、冷蔵庫、テレビの4品目である。消費者は、リサイクル費用の負担と使用済み家電の販売者等への引渡し義務がある。

(2) 資源有効利用促進法は、指定品目に対するリサイクル表示を義務づけ、原材料使用の合理化、再生資源・再生部品の利用、資源・部品の再生や分別回収の推進を求めている。

(3)食品廃棄物の再資源化を求める食品リサイクル法、建築物の分別解体と建設廃棄物の再資源化を求める建設リサイクル法、シュレッダーダストの再資源化、使用済み自動車の引渡しを求める自動車リサイクル法がある。

(4) 容器包装廃棄物が一般廃棄物のうち体積比で50%以上、重量で20%以上を占めるため、容器包装リサイクル法の対象物はガラス、PET、紙、プラスチックなどの包装である。また、同法は、消費者の分別排出、市町村の分別収集、事業者によるリサイクルと役割分担を規定している。

(5) 資源有効利用促進法や5つのリサイクル関連法は、消費者、事業者、行政の三者に対して個別に責務を規定しており、それぞれが独立して責務を果たすことによって要求成果が達成される仕組みとなっている。

答)(5)独立して責務を果たすのではなく、協調した取組によって期待成果を得ることとしています。

青本第2p184

15. 制度による環境の社会的評価に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 行政は、環境基準を満足するため裁量的対策をとる権限を有し、規制的手法、事業手法、経済的・誘導的手法が用いられる。これらは、行政の環境に対する社会的評価が前提となっている。

(2) 環境に対する社会的評価としての基準は、自然科学的な知見を根拠としてはいるが、これのみで決定されている訳ではなく、技術水準が基準に影響を及ぼす場合も少なくない。

(3) 環境汚染に伴う裁判における社会的評価は、直接的被害額評価として行われる場合だけではなく、汚染の便益に対する費用評価としての環境評価があるが、環境権に対する社会的評価を裁判は認めていない。

(4) 裁判所が行う環境に対する社会的評価は、環境劣化に伴う人の健康と生活に対する直接被害の場合と環境の質的低下の場合であり、特に前者については四大公害裁判以降本格的に行われるようになった。

(5) 光化学オキシダント、二酸化硫黄、一酸化炭素、一酸化窒素、浮遊粒状物質については、大気汚染に関する環境基準が定められている。

答)(5)一酸化窒素ではなく、二酸化窒素です。 青本第2p187

16. 環境管理システムに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 環境管理システムにおける計画とは、環境側面に対する十分なリサーチを踏まえて、環境目標・目的を実現するためのスケジューリングを含む環境管理プログラムの構築である。

(2) 環境管理システムにおける点検と是正について、監視と測定、是正と予防が基本的な姿勢であり、総合的なシステムの見直しは、環境管理システム実施組織の管理責任者が中心となって行うことが文書化される。

(3) 環境管理システムの実行と運用に当たっては、6つの留意事項があり、体制と責任、訓練、コミュニケーション、文書化と管理、運用管理、緊急事態対応である。

(4) 環境方針は文書化され、環境影響に対する改善と予防に配慮し、継続的なPDCAサイクルの概念が取り入れられた実行・維持の行われる組織活動に関するトップステートメントである。

(5) 環境管理システムは、環境に関する経営方針を体系的に実行していくためのシステムであり、この目的は環境方針を組織活動において正確且つ効率的に実現することにある。このシステムにおいてはトップマネジメントが重要で、どちらかと言えば大規模事業者向けのシステムである。

答)(2)見直し作業はトップマネジメントです。 青本第2p206

17. 環境基本計画に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 環境負荷を伴う排出は、環境の自浄能力の範囲にとどめる。

(2) 再生可能な資源は、長期的に再生産可能な範囲で利用する。

(3) 人間活動を生態系の機能維持の範囲内にとどめる。

(4) 可逆的な生物多様性の減少を回避する。

(5) 再生不可能な資源は、他の資源で代替不可能な用途での使用にとどめ、可能な限り再生資源で代替する。

答)(4) 不可逆的な生物多様性の減少を回避します。 青本第2p176

18. 環境適合設計に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) UNEPの環境適合設計マニュアルには、製品のライフサイクルに亘る各段階で考慮すべき事項が網羅されているが、新製品などの概念設計や製造過程には含まれない流通システムに関する記述はない。

(2) 製品規格の段階で利用される品質機能展開は、環境を品質取り扱うことで環境適合設計にも有効に利用が可能となる。

(3) UNEPの環境適合設計マニュアルには全部で8項目からなるチェックリストがあり、低環境負荷材料の選択、材料使用量の削減、製造技術の最適化、廃棄システムの最適化などが含まれている。

(4) 品質機能展開は、設計プロセスの進展に伴って自由度が減少するため、チェックリストやLCAなど定量評価を併用しながら用いることが重要である。

(5) UNEPの環境適合設計マニュアルは、環境に適合した製品の設計開発における組織活動を7段階で示しており、第1段階は組織化、第3段階はエコデザインの戦略構築、第5段階はコンセプト詳細化である。

答)(1)どちらもマニュアルに記述があります。 青本第2p204

19. 環境の経済効率性に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 社会全体で見た場合、経済的規制の方が直接規制よりも効率性が高い。これは、経済的理論において一般性を有する論理と言える。

(2) 環境利用に対して税金や課徴金が付加されると、純便益最大化のためには最大となる環境利用水準を低下せざるを得なくなる。

(3) 限界便益とは、経済分野において、ある財やサービスの消費・利用が1単位増加したときの総益の増加分をいい、便益曲線を環境利用水準で積分して得られる値である。

(4) 環境利用水準とは、外部環境に負荷を与える物質量の大小を指す概念である。

(5) 純便益とは、ある環境利用水準に伴う便益から、必要費用を差し引いた貨幣額である。

答)(3)積分ではなく、微分です。 青本第2p190

20. ライフサイクル・アセスメントに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) ライフサイクル・アセスメントは4つの要素から構成され、第二にインベントリ分析、第三に影響評価が行われる。

(2) ライフサイクル・アセスメントの用途は、戦略・政策の立案、マーケティング、製品の開発・改善などが挙げられる。

(3) 企業など組織が環境評価を行う方法は、大別して3つに分類され、その内物量値による方法としてエコバランスがある。エコバランスとは、組織全体が環境に与える負荷を物量値で測定し、環境負荷をインプットとアウトプットの表にまとめた後、各物量値に重み付けを行って共通の環境負荷単位に変換する方法である。

(4) 組織活動に関する環境評価は、物量値か若しくは貨幣価値かどちらかの数値に変換することを原則とし、単に活動内容を記述する形式での環境評価は、特別な場合を除いて認められていない。

(5) ライフサイクルは、全部で7段階に分類されており、第2段階は素材・部品の製造、第4段階は流通、第7段階は廃棄・リサイクルである。

答)(4)記述による環境評価も認められている。 青本第2p200

21. 環境基本法と循環型社会形成推進基本法に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 循環型社会形成推進のための一般的な仕組みを支える法律は、資源有効利用促進法、廃棄物処理法と地球温暖化対策推進法である。

(2) 循環型社会形成推進基本法は、事業者の廃棄物発生抑制を促し、原材料の循環資源化を図ると共に、循環的な利用が行えない場合の処分責任を規定している。

(3) 平成511月に制定された環境基本法を受けて、平成612月に策定された環境基本計画は、環境保全の総合的・長期的施策大綱を示し、循環、共生、参加、国際的取組をキーワードとして示している。

(4) 循環型社会形成推進を目的とする個別物品に対する規制は、容器包装リサイクル法、食品リサイクル法、自動車リサイクル法、家電リサイクル法、建設資材リサイクル法により行われている。

(5)循環型社会形成推進基本法の一般原則は、発生抑制、再使用、再生利用、熱回収、適正処分に関する5段階の優先順位を示している。

答)(1)地球温暖化対策推進法は含まれません。 青本第2p180

22. LCAにおける影響評価と結果の解釈に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) インパクト・アセスメントにおける特性化ステップでは、環境負荷項目の影響度を把握するため、正規化が行われる場合がある。

(2) ライフサイクル・アセスメントにおける結果の解釈では、インパクト・アセスメントから得られた結果をまとめると共に、実施目的に対する提言を行うことが目的である。

(3) ライフサイクル・アセスメントは、環境負荷の大きな箇所を発見することが主目的であるため、得られたデータの整合性について感度分析や誤差分析を実施することは重要である。

(4) インパクト・アセスメントでは、インベントリ分析で得られた環境負荷データを環境影響カテゴリーに分類し、カテゴリー毎に共通する単位に環境負荷データを数値化し合計を行う。そして、合計値の大きなカテゴリーに着目した原因分析を実施する。

(5) インパクト・アセスメントで行われる重み付けは、専門家の総合意見により決定するパネル法、基準値比較法、費用換算法などによって行われるが、どれも一長一短があり研究段階である。

答)(4)カテゴリー毎に数値化した影響と影響合計に基づく重み付けによる総合評価が行われます。

青本第2p203

23. 拡大生産者責任の考え方についての記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 製品の製造から廃棄に至る流れにおいて、関係者によって責任を分担することは、拡大生産者責任の本来の概念である。

(2) 拡大生産者責任の機能は、廃棄物処理に要する費用又は物理的な責任の全部もしくは一部を地方自治体及び一般の納税者から生産者に移転することである。

(3) 拡大生産者責任の効果は、素材選択や設計に上流側プレッシャーを与え、生産者に外部環境コストを内部化するよう適切なシグナルを送ることである。

(4) 拡大生産者責任の4つの目標は、発生源削減、発生抑制、環境配慮設計、持続可能な物質循環である。

(5) 拡大生産者責任の定義は、生産者が製品のライフサイクルに対する影響を最小化するために、廃棄物に対する最終責任を負うことである。

答)(5) 製品のライフサイクルに対する影響の最小化を目的とした設計を行う責任を負うことです。

青本第2p177

24. 戦略的環境アセスメントに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 戦略的環境アセスメントは、事業実施段階における環境アセスメントと同義であると同時に、個々の事業に基づく累積的或いは相乗的な影響考慮に対するタイミング的な限界を補うことを目的としている。

(2) 戦略的環境アセスメントの対象は、複数事業を統合した地域全体の開発計画や事業量総枠を規定するような複数年度に跨る計画、或いは事業内容を拘束する政策などの基本方針や基本計画などである。

(3) 戦略的環境アセスメントは、政策(Policy)、計画(Plan)、プログラム(Program)3つのPを対象とする環境アセスメントであり、事業に先立つ上位計画や政策レベルで環境への配慮を意思決定に統合する仕組みである。

(4) 戦略的環境アセスメントも環境アセスメントと同様に、最終的な意思決定は戦略的環境アセスメントとは別の環境以外の考慮要素を統合した総合判断として決定される。

(5) 戦略的環境アセスメントでは、環境担当行政機関の関与などを含めた環境側面の評価は、社会的な側面や経済的な側面に関する評価を包含した総合的評価として行われ、その結果総合的な意思決定を行うことが可能となる。

答)(5)環境側面の評価は社会的側面や経済的側面と独立して行われ、意思決定段階で総合して判断されることとなっ

ています。 青本第2p199

25. 環境評価と市場に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 法令などに基づく、環境利用者に対する税金や課徴金の付加は、市場の内部化という効果を生み出し、過剰な環境利用が抑制される効果が得られる。

(2) 環境経済的評価手法を用いて、市場における社会的評価と代替性のある形で環境評価をすることにより、環境問題解決へのプロセスとする。

(3) 環境評価手法は,市場で取引されない非市場財の評価を行うための手法で、表明選好法と顕示選好法、そして選好独立型の代替法や回避費用アプローチなどがある。

(4) 環境マーケティングとは、顧客と社会の要請を、利益をあげ、かつ持続可能な方法で明らかにし、予測し、充足させることに責任を持つホーリスティックなマネジメントプロセスであると定義されている。

(5) 市場で取引される財やサービスの生産や廃棄の環境負荷を購入者に示すことにより、環境負荷に対する個人の選好を捉える方法は環境問題解決の一方法と考えられている。

答)(4)明確な定義はありません。 青本第2p189

26. 環境アセスメントの手続きに関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) ダイオキシン類の環境基準は、大気、水質、水底の底質、土壌それぞれの媒体毎に定められており、大気については一般公衆が通常生活していない地域又は場所については適用しない。

(2) スクリーニングにより環境影響評価法の対象外と判断された事業であっても、地方公共団体が定める環境影響評価条例の対象となる可能性がある。

(3) 環境影響評価準備書は評価前に作成され、調査予測や環境保全方法、事業着手後の調査、環境影響の総合的な評価が記述され、この段階では住民や地方公共団体の意見を取り入れることになっている。

(4) 第二種事業におけるスクリーニングでは、事業者から提出された事業概要に対する都道府県知事の意見を参考に、許認可権者が判定を下す。

(5) スコーピングとは、環境アセスメントの方法を決定し、環境影響評価方法書をまとめる作業であり、住民や地方公共団体の意見を取り入れて実施方法を決定するプロセスである。

答)(3)環境影響評価準備書は、評価結果を踏まえて作成されます。 青本第2p196

27. 廃棄物処理法に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 産業廃棄物の排出量を種類別にみると、汚泥の排出量が第1位となっており、次いで動物ふん尿、がれき類となっており、これらの排出量が全体の8割を占めている。

(2) 産業廃棄物処理法では、一般廃棄物の処理は市町村の責務とし、産業廃棄物の処理はPPPにより排出事業者自ら行うことが義務づけされている。

(3) 近年全国の産業廃棄物総排出量は、概ね4億tで推移しており、バブル経済崩壊後は概ね横ばいの状態を続けている。排出量を事業別にみると、建設業は農業に次いで第4位となっており、上位6業種の排出量は全体の約8割を占めている。

(4) 廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物に区分され、後者は産業廃棄物施行令で定められた20種類がある。これらの中にはそれぞれ収集から処分までの全過程を厳重に管理が義務づけられている特別管理廃棄物がある。産業廃棄物の内、45%が再生利用され、10%が最終処分されている。

(5) マニフェストとは、廃棄物を管理するための帳票のことで、マニフェスト制度とは、排出事業者がマニフェストにより廃棄物処理の流れを管理し、適正処理をする仕組みであり、平成9年から全産業廃棄物に適用されている。

答)(3)建設業は農業に次いで第3位です。 青本第2p182,183

28. 費用便益分析に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) プロジェクトの内部収益率ρが社会的割引率iより大きければ、資金は当該プロジェクトに回されることになり、逆に、小さければ投資は行われない。すなわち「ρi」が投資判断の指標となるような、内部収益率と社会的割引率の関係から投資判断を行うのが、内部収益率法(IRR法)である。

(2) 現在価値化した費用便益の比率が1以上であることを判断基準とするのが費用便益比率法(CBR法)であるが、実際のプロジェクトでは、リスクを加味して1015などの数値が基準として使われることが多い。

(3) 市場に現存しない理論的価格、すなわち潜在価格の推定精度の低さが、費用便益分析の精度を左右する場合があるため、費用、便益の金銭化について、完全競争を仮定したプロジェクト実施後の理論価格を潜在価格として用いている。

(4) 金利が事前に判明している場合、その金利を前提として計算した投資の純現在価値NPVの大きさを投資判断の指標とするのが、純現在価値法(NPV法)であり、「NPV0」であれば、投資が可能と判断する。

(5) 為替レートや金利の変動等のリスクに関しては、予測が困難であるため、一般には計算に含まないため、費用対便益の判断基準を1より大きくするなどして、リスク分を一括して考慮する場合がある。

答)(2)費用便益比率が1015はあり得ないことです。 青本第2p191

29. 顕示選考型評価に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) キャピタリゼーション仮説とは、開放系エリア、影響波及小地域、消費者の異質性、参入の自由、自由競争価格体系などの諸条件下では、プロジェクトや環境変化は不動産価格に100%帰着するという考えである。

(2) 顕示選考型評価は、市場に出ている財に人々が支出する額から間接的に環境に対する社会的評価を捉えようとする方法であり、環境サービスに対するWTPや住宅価格などから推定する方法である。

(3) トラベルコスト法は、環境サービスまでのアクセス費用で代替して測定しようとする方法で、訪問地までの旅行費用と訪問回数の関係をもとに間接的に訪問地の利用価値を評価する方法と、想定される利用者の訪問の意向を考慮して推定する方法に分類される。

(4) ヘドニック価格法は、採用する関数形、限界効用低減則、成約データなどの影響により解析精度が大きく左右される。

(5) トラベルコスト法において留意しなければならないのは、旅行やレクリエーションにおける耐久消費財への投資、複数目的地の費用配分、通常生活費用の取扱い、代替施設考慮の基準、居住地選択の影響、時間の機会費用などが評価精度に大きな影響を与えることである。

答)(1)消費者は同質性でなければなりません。 青本第2p194

30. 化学物質の管理制度に関する記述の中で、間違っているものを選び答えよ。

(1) 難分解性且つ慢性毒性の疑いがある化学物質は、指定化学物質として製造量と製造場所の届出が義務づけされている。

(2) 指定化学物質の中で、環境汚染に伴う健康被害が懸念されるものは、第二種特定化学物質として、製造、輸入予定数量の届出、取扱技術指針の遵守、環境汚染防止の表示が義務づけられている。

(3) PRTR法は、有害化学物質の環境への排出量や廃棄物に含まれた移動量を登録して公表する仕組みであり、対象化学物質毎に排出・移動量を排出源から把握し、結果を目録やデータベースとして整理し公表する仕組みである。

(4) PRTR法第14条では、第一種特定科学物質、第二種特定化学物質、及びこれらを含む製品については、MSDSの提出が義務づけされている。

(5) 化学物質審査規制法では、難分解性、高蓄積性、慢性毒性などの危険特性をすべて有する化学物質は、第一種特定化学物質として指定され、製造、輸入、使用が原則禁止とされている。

答)(1)届出の義務は、製造量だけです。製造場所は要求されていません。 青本第2p186

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